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第6話 6
一冊読み終えるたび、夢見心地な様子で顔を緩めている。
次から次に絵本を開くもページ数が少ない絵本だからか、すぐに全て読み終えた。
天使様は次の絵本のために手を伸ばしたが、その先にある虚空を見つめて固まってしまった。
あんなに沢山あったのに、もうないの?と『僕』に悲しげな視線を向けている。
食事を終えた『僕』は、そっと檻の前に近づいた。
何か言いたそうな天使様の前に手を差し出すと、肩を落としながらゆっくり指が動かされる。
『もうない』
『おわった』
天使様は先程の様子とは打って変わり、目を伏せて寂しそうにしていた。
『僕』はそれ程までに絵本の世界は楽しかったのかと、目の前の大きな子供に微笑ましく笑う。
「そんなに面白かったんですか?」
『僕』は慣れ親しんだ絵本をちらりと見て、天使様に聞くと何度も頷かれた。
喜んでくれた様子が嬉しくて、『僕』は小さく笑ってしまう。
「どの絵本の、どんなところが面白かったか教えてください。
人間はこうやって、素敵なものを見たら分け合うんです。
天使様の見た素敵なものを分けてくれませんか?」
天使様にそう言うと、物語が終わって寂しそうにしていたのが一転。
嬉しそうに綻んだ後、読み終わった絵本をまた開いて『僕』に見せる。




