第5話 6
『僕』は必要な物のメモ帳に『僕』でも読める小説など本が欲しいと書く。
ここに最初に持ってきて貰った物の中にも本はある。
まずそれらを読んで知識の幅を広げることが必要だ。
それから、あの人に交渉して天使様の読める文字を多くするために、どうにか読み仮名の多い本が貰えないか明日交渉しなくてはならない。
暇を潰すためとは言え、今日天使様用に絵本を頼んだのは正解だった。
ひとまずのやることが決まり、『僕』はノートに今後の方針をまとめておいた。
「僕も勉強しますが、天使様もいっしょに勉強しましょう。その為には今よりも文字を覚えないと」
『もじ あなたがおしえてくれた』
『僕』はそばにあった適当な本を手に取って天使様に渡した。
少し分厚くて、難しい話の書かれた小説だ。
天使様は不思議そうに受け取って、そうっとページを開く。
じっと文字の羅列を見つめたかと思えば、段々苦々しい面持ちになっていった。
『よめない わからない』
正直に言うと『僕』にもわからない本なのだから、天使様は更に理解が追いついていないだろう。
申し訳なさそうに返された本を受け取って、『僕』は本を元の位置に戻した。
「文字は僕が教えたものの他にもあって、読める文字が増えるとこう言う本の内容がわかるようになるんです。
本が読めれば、ここから出るヒントが思いつくかもしれません」




