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第5話 4
「村の人達は皆怖い人だと思ってました。でも助言してくれる人もいるんですね」
村総出で天使様を捕らえ、永い間生け贄として『僕』達、御使い縛りを閉じ込めていたと思い込んでいた。
先ほどの彼の気まぐれと言えばそれまでで、実際に当初は何を言っても暖簾に腕押し。
それでも村の人達とはもう誰とも喋る事などないと思っていた『僕』にとって、なんだか少しだけ嬉しかった。
『あのひと まえの"みはるひと"にも ごはんはこぶひとだった』
「どんな人だったんですか?」
声からして若い、若いと言っても村の中では若い方と言うだけで、『僕』よりもずっと大人だろう。
先代の御使い縛りからしていても、流石に先々代を知る人間ではないのは確かだ。
『あまりしゃべる"こえ"きいたことない』
『まえの"みはるひと"ずっとここからだして いってた』
『"みはるひと"と なにもおはなししなかった』
天使様の話が本当なら、あの人が"仕事"以外で喋るのは相当珍しい事らしい。
天使様も『僕』の手のひらに喋る事を知らなかった旨を書いていた。
「あの人とお話したら、出してくれるようになりませんかね」
ここから出ようにも、道具も知恵も足りないものが多すぎる。
真っ向から出して貰えずとも、何かきっかけになれば良い。
そう考えての発言だったが、天使様は苦々しい表情を浮かべていた。




