第5話 1
天使様の枷や現状を改めて確認したのが、朝食を取った少し後。
そこから確認して回った時間含めて、『僕』が天使様に撫でられ終わるまで、随分時間が経過したように思える。
現に日も高く、時間は午後を少し過ぎたくらいだろうか。
天使様はようやく『僕』を解放する。
ずっと身を寄せられていた為に緊張し、離れてから肩に随分力が入っていたことに気づいた。
「もう、あれくらいで大袈裟ですよ」
『みはるひと うごかなくなるから』
天使様の言う"見張る人"と言うのは"御使い縛り"の事だ。
その後に天使様の言う"動かなくなる"と言うのは恐らく
『あさになっても うごかないひと』
『ひも で うかんだままのひと』
『わたしとおなじ くびをきったひと』
『たくさんのひと いたいことをして いつのまにかうごかなくなった』
幼いながらも、何となく予想していた言葉だった。
現に『僕』がここにいることも、先代の"御使い縛り"が亡くなったからだ。
出られない牢獄、ずっと囚われている天使様、天使様を見張る御使い縛り。
彼らの最後も、それらと過ごしていた天使様が見てきた物も、『僕』は先代を知らないとはいえ簡単に予想が出来てしまう。
当時の『僕』は考えない様にしていたが、刃物の要求が通らないのは自害を防ぐ為だろう。
恐らく要求が通るのは自害に使えないものだと、後から気づいた。




