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第4話 6
改めて天使様の拘束を見ても、『僕』の力では壊せそうにもない代物だった。
ただ手枷さえどうにか出来れば、天使様はある程度自由に動けそうだ。
「どうにかしたいって言ったのに、どうにも出来ない……。はは、かっこ悪いなぁ」
『僕』が、ばつが悪そうに手を緩めれば、天使様はそのまま手をとって言葉を記す。
『びっくりしたけど うれしかった』
そのまま口を動かして、声は出ないけれど「ありがとう」と唇が音の無い言葉を紡いだ。
『僕』は真っ直ぐ伝えてくれる天使様に気恥ずかしいようなむず痒い思いを抱いて、そのまま視線を落とした。
視線を落とした時に気づいた、四肢の自由を奪う枷の下は擦れたりして赤黒くなっていたことに。
「天使様、痛くないんですか?」
『僕』が何を言っているかわからなさそうだったが、視線をたどり、自分の手足が見られていたことに気づく。
天使様が少し考える動作をした後、『僕』の手のひらを指がなぞる。
『へいき』
「でも痛そうですよ」
『さいしょはいたかった でもへいき』
その言葉は、天使様だって"痛みを感じる"と言う何よりの証だった。
『僕』はぱっと顔をあげて、天使様を見る。
正確には声を出せなくなった、その首枷の下だ。




