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第4話 3
『僕』は牢獄を見渡しながら、試しに出入りする為であろう鉄の扉に近づいた。
触れてみても、叩いて見ても。かなり厚みがあることが分かり、ちょっとの事では壊れそうにない。
荷物を差し出される小窓だって、人が通れる大きさではなかった。
その直ぐそばにあるもうひとつの扉に目を向ける。
あとある物と言えば石の牢獄と違って、木造で作られた水場だ。
換気のためにこちらにも天窓はあるものの、位置は高く手も届かない。
なおかつ石の牢獄同様鉄格子で守られていた。
「どこもかしこも頑丈で、窓も出られそうに無いです。壊そうにも、道具をお願いすれば直ぐに気づかれます……」
『僕』は天使様の牢の前に戻る。
この場にあるものは木製の書き物机や椅子、寝台、それから本と学校で使っていた文房具だ。
文房具も「火器や刃物などの要求は認められない」の言葉通りハサミなどは抜き取られていた。
壊せる道具も箇所も無く、知恵もない。
天使様と二人で出ようにも手段があまりにも無さすぎるのだ。
天使様も考える仕草をしようとするが、その前にその仕草は手枷に阻まれてしまう。
ちゃり、と鳴る鎖に、天使様は苦い顔になっていた。
「手枷、壊れそうにないですか?」
『僕』の言葉に、天使様は手枷に力を込める。
引き抜こうにも遊びのない手枷は、動かす度に鎖の音が鳴るばかりだ。




