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第2話 5
さて、と改めて思うが、天使様といるこの牢獄では何もすることがない。
現状運ばれた荷物の確認くらいだ。
『僕』は荷物を広げてみる。
学校に行っていた時の教科書全て、ノートに筆記具、学校の授業で使っていた虫眼鏡まで入っている。
それから今の時期の服、時期外れの服。
村人が入れてくれたのか『僕』の知らない本が数冊だった。
「歯ブラシや櫛まで入っているけれど、どこで使うんだろう……?」
天使様は鎖を鳴らして『僕』を呼んで、村人が荷物を運ぶ場所とは違う、もう一つある、木製の汚れた扉を指差した。
なんだか開けたら怖いものが出てきそうな扉だが、『僕』はゆっくりと開く。
そこはただトイレや洗面所、風呂と言ったものが揃っていたが随分古いものらしく、石造りの牢獄と違い木造だ。
所々カビかなにかで黒ずんでいて、今は日光もありマシだとは言え夜に一人で来るのは少し怖い。
「あ、はは……。天使様。僕がここに入って呼んだときは鎖鳴らしてくださいね」
当然だが天使様はここに入ったことは無いのだろう。
ここが水場だと知っていたのも、きっと先代やもっと前の代の「御使い縛り」が話したかこの人が見ていたからだ。
それを示す通り、天使様は首をかしげていた。
『僕』は歯ブラシだけを洗面所に置いて、櫛は手に持ったまま天使様の前に戻る。




