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レリ・マハーシーヴァ  作者: JING
青いクジラと第0レーン
PR
19/19

第19話 明日のお茶はわたしが

レリ・マハーシーヴァ オープニングテーマ「まなざしのマントラ」

https://youtu.be/6FmwM8nEabA


 松本くんが、教室の入口で手を振っている。


 水曜日の昼休みに、わたしは箸を止める。


 舞人くんは席を立ってすぐに歩く速さを落とす。


「もう学校に来ていいのかよ」


「来たやつに、最初に言うことか?」


 松本くんが笑って、入口の柱に肩を預ける。


 まだ、いつもみたいに廊下へ走りだしそうには見えない。


 でも制服の胸にはちゃんと名札があって、学校の廊下に、松本くんの上履きがある。


 それだけのことを、わたしは何度も見てしまう。


「……おかえりなさい」


 声をかけると松本くんの顔がこっちを向く。


 お見舞いの言葉はいくつか考えてあったのに、教室の入口では、これしか出てこないんだよね。


「ただいま、間宮さん」


 松本くんは舞人くんの肘を軽くたたく。


「おまえより先に言ってもらったぞ」


「わかったって。おかえり」


 舞人くんが笑うと、わたしも肩の力が抜ける。


 葵がお弁当のふたを閉めて椅子を引くと、ことりが、その椅子を机から少し離す。


「立ってないで座りなよ、まだ昼休みあるし」


「ありがと、じゃあちょっとだけ」


 松本くんは空いた椅子に腰を下ろして足を伸ばし、机の下で、上履きの先が当たる。


 その小さな音に舞人くんが下を見て、わたしも見てしまって、目が合う。


 あの足音は、もう聞こえない。


 ……よかった。


「そういえば、さっき1年に靴ひも返された。貸してたの、すっかり忘れてた」


 松本くんがポケットから、丸めた靴ひもを出してみせる。


 土曜日の教室で、返したいと言っていた子だ。


 やっと、返せたんだね。


「森田くんは、まだお休み?」


「昨日、電話で話したけど、今週は休みだって。でも家じゃ、もう1人で歩けるってさ」


 松本くんが教えてくれる。


「そうだ、岸から伝言。もう走っても平気だし、あそこへは行かないって」


 舞人くんが言うと、靴ひもを丸める松本くんの手が止まる。


「……そっか」


 短い返事なのにさっきより声がやわらかい。


 松本くんは、靴ひもをポケットへしまう。


「今週の記録会、見学になった。病院でも顧問にも言われたし、親にも言われた」


 松本くんが伸ばした足を引っ込める。


「そこで走ったら、あたしも言うからね」


 葵が箸箱を持ち上げてすぐに机へ置き、振り回す気はないらしいけど、迫力がある。


 松本くんは苦笑して自分の膝をたたく。


 選考の話になると、松本くんの笑顔が続かなくなる。


 出られないのは、やっぱり悔しいんだと思う。


 すぐ次があるよ、とは言えない。


 その次まで練習するのは、わたしじゃないもん。


「見学の場所、日陰のほうにしよう。写真を撮るなら、そこからでも撮れるよ」


 ことりが窓の外のグラウンドを見る。


「じゃあ、おれが弥勒の変な顔を撮る」


 舞人くんが松本くんの前へ手を出し、写真を撮られる前から、カメラをふさぐ形になる。


 え、そこから?


 そんなに変な顔になる自信があるの?


「走ってるときの顔は、全員変なんだよ」


「おれはかっこいいぞ」


 松本くんが言うと葵がことりを見て、ことりは、何も言わずにスマホをしまう。


 今のは、答えを見せない優しさだと思う。


 葵がいつの間にかスマホを松本くんへ向けている。


 スマホに気づいた松本くんの眉が寄る。


 その顔を、葵が撮る。


「おい、今、撮ったろ」


「撮った、約束だから」


 葵が画面を舞人くんにも見せて2人で笑う。


 怒るのは、ちゃんと帰ってきてから。


 葵の言ったとおりの顔が、画面に残っている。


 教室の後ろで誰かが牛乳のパックを落とし、椅子を動かす音に、いつもの声が重なる。


 松本くんは、その中に座っている。


 わたしは冷めた卵焼きを、ゆっくり口へ運ぶ。


 お母さんには、土曜日のことでかなり叱られた。


 心配させたことは、何度謝っても消えない。


 でも家へ帰って最初に渡されたのはタオルで、叱られたのは、体を拭いて着替えたあとだ。


 泣かずに謝るつもりがうまくいかなかったから、あの順番を思い出すと、今も少し困る。


「間宮さんも、怒られた?」


 呼ばれても、まだ口の中に卵焼きがある。


 ほっぺたに何かついているわけじゃないよね?


 口の中の卵焼きを飲み込み、箸をそろえて置く。


「……うん、かなり」


「だよな、おれも」


 松本くんは膝の上で両手をこすり合わせ、迷ってから、舞人くんのほうへ顔を向ける。


 わたしたちも口を挟まずに待つ。


 松本くんの目が舞人くんのポケットへ落ち、そこには、スマホの四角い膨らみがある。


「森田から連絡が来たときさ、電話しようかと思ったんだ。でも……おまえも用事があると思って」


「電話しろよ。用事があっても見るから」


 舞人くんの返事は思ったより早い。


 松本くんは、一度だけ口を結ぶ。


 わたしは、舞人くんの靴の先を見る。


 あの練習会には近づかないよう話してあったから、行くとは、言いづらかったんだと思う。


 わたしにも、言いづらくて黙ったことがある。


 昨日の放課後、警察の人と話したときだってそうだ。


「誘ったの、おれだし。森田に、速くなるって言ったのがおれだからさ」


 松本くんが制服の袖口を指でつまむ。


 舞人くんは机へ置いた手をいったん握る。


「それ、今度は一緒に聞かせろよ」


「何を?」


 舞人くんは、松本くんの椅子へ膝を向ける。


「速くなりたいって話も、変だと思った話も、おれも、ちゃんと聞くから」


 松本くんはすぐにうんとは言わず、その代わりに、ポケットから細いペンを出す。


 新しいペンで、キャップにまだ値札の跡がある。


「じゃ、まず記録会の計測係を交代してくれ」


「そこはやれよ、見学してるんだろ」


 舞人くんが言い返すと松本くんが笑い、膝の上に、ペンを横に寝かせている。


 わたしは側溝にあった紙コップを思い出す。


 あの文字は松本くんが自分で書いて、待っているだけじゃなくて、外へ届けてくれたんだ。


「今度、紙を貸そうか? 机には書かないでね」


 ことりがノートを出して、白いページを開く。


 松本くんが笑い、ペンのキャップを閉める。


 机に書くつもりはなかった、と顔に出ている。


 でもレシートには、今日も書きそうなんだよね。


     *


「間宮さん、ここは何を描いたの?」


 放課後の教室で、逸見先生がポスターを指さす。


 わたしの両隣で、葵とことりが顔を見合わせる。


 ついに、この質問を受けるときが来てしまう。


 きたか……。


「……茶碗です」


「ここから出ているのは?」


 先生の指が茶碗の上の曲線へ移るけど、何度見ても、そこには足が生えている。


 描いた本人が見ても足なんだから、仕方ないよね。


「湯気、のつもりです」


 逸見先生は紙を少し離してもう一度見る。


 葵が何か言いそうになって、ことりに袖を引かれる。


 先生は笑ってポスターを机へ戻す。


「文字は読みやすいね。受付の時間もはっきりしてる」


 わたしは端に書いた数字へ目を移す。


 そこは定規を使って、ゆっくり書いた部分だ。


 普通の目で見て普通の手で書いたところを、先生が、褒めてくれたんだよね。


「昇降口に貼るなら、掲示板の右側が空いてるよ」


「ありがとうございます。今日貼ってきます」


 ことりが答えて丸めるための筒を取ると、わたしも反対の端を持ち、紙を重ねる。


 葵は画びょうの入った小さなケースを探す。


 逸見先生がドアへ向かう。


 わたしは丸めたポスターを両手で持ち直し、月曜から言えずにいたことを、やっと口にする。


「先生、土曜日は、電話を切ってごめんなさい」


 先生はわたしを見て、足を止める。


「無事でよかった。でも、次は電話をつないだまま助けを待ってね」


 わたしは、今度は最後まで聞いてうなずく。


「3人とも、今日はまっすぐ帰れる?」


 葵がケースを持ち上げてわたしの顔を見る。


 わたしはうなずきかけて、途中で止まる。


 まっすぐ、と言っていいのかな?


「……らんぷ亭には、寄ります」


 先生が眉を上げると葵がとうとう吹き出す。


「そこはちゃんと言うんだ、りん」


「きかれたから……」


 ことりまで笑っていて、わたしは紙の端を見る。


 先生は帰る時間を家へ連絡するように言ってから、教室のドアを開けたまま出ていく。


 廊下にはほかの先生を呼ぶ声が響く。


 わたしたちは荷物を持ち、掲示板へ向かう。


 明日の体験会は、予定どおりに開けそうだ。


 あの絵を見て、何人来てくれるかな?


     *


 らんぷ亭の入口で、葵がカバンを持ち上げる。


 青いクジラが、金具の先で小さく揺れている。


 わたしが欠けた尾に指を添えて裏を見ると、薄くなった文字も、前に見たときのままだ。


「また見るの? 昨日も見てたじゃん」


「……ついてるかなって」


 葵は笑いながら金具の留め方を見せてくれて、今度は短いひもも足して、カバンにつないである。


 2つとも外れないかぎり、もう落とさないはずだ。


「毎日調べてたら、りんの指で色が薄くなるよ」


 ことりが言って、自分でもクジラをひっくり返す。


 ことりもじゃん!


 わたしの指の分だけ数えるのは、ずるくない?


 わたしたちは顔を見合わせ、そろって手を離す。


 レジの店員さんがクジラに気づいて笑う。


 葵はもう一度お礼を言い、席へ向かう。


 わたしも小さく頭を下げて、2人のあとを追う。


 こんなふうに落とし主の手へ返ってくるなら、なくした物が見つかるのは、本当はうれしいことだ。


 見つけたい気持ちにつけ込んだあの倉庫の店主と、拾って預かってくれた人まで、同じにしたくない。


「りん、注文はいつものでいい?」


 葵に呼ばれ、メニューの端から目だけを出す。


「うん、肉抜きで、玉ねぎは大盛り」


 ことりが注文の画面を動かし、葵が飲み物を選ぶ。


 それぞれの指が、自分のほしい物のところで止まる。


 店の中では誰もわたしたちを急がせなくて、ご飯が来るまでの時間が、今日はうれしい。


 わたしはスマホを出して、お母さんへ帰る時間を送る。


 送信済みの横にすぐ既読の文字がつき、短い返事は、夕ご飯も食べるようにという内容だ。


 もちろん!


 夕ご飯まで、予定に入っているよ。


「お母さん?」


 ことりがコップの水をわたしの前へ置く。


 わたしはうなずいて画面を伏せる。


「帰るときも、もう一度連絡する約束なの」


「あたしも、しばらくそうなると思う。あの店から帰った日、家の中でも寒かったんだよね」


 葵は水を飲んで、コップの底を指でなぞる。


 部屋の暖房のせいじゃなかったことは、わたしも知っている。


 でも、知っている理由までは話せない。


「もう、手は冷たくない?」


「触ってみる?」


 差し出された手にそっと触れるとちゃんと温かくて、今度こそ、普通に笑える。


 葵はその手でわたしの指を軽く挟む。


「気になることがあったら、またきいてよ」


「……うん」


 お礼も言いたいのに、返事だけで詰まる。


 ことりがテーブルの真ん中へ箸を3膳置き、その音に合わせて、わたしは指をほどく。


 警察の人には、まだ話を聞かれることがある。


 松本くんのスマホは、矢崎さんの車から見つかったそうだ。


 練習場へ戻ったときに預けさせられたと、今日、松本くんが話してくれた。


 矢崎さんが出入りしていた場所も、調べているらしい。


 昨日の聞き取りでは、荷物の受け渡しで、ほかに見かけた人はいないかって質問された。


 わたしの知っていることは、写真と倉庫のことだけだ。


 それ以上の答えは、お母さんと一緒に聞いてもわからない。


 もう全部終わったよとは、簡単に言えないんだよね。


「明日の体験会、あたしもちゃんと座るから」


 葵が言って椅子の上で背筋を伸ばす。


「ちゃんと、ってどういうこと?」


 ことりがきき返すと、葵は両手を膝に置く。


 正座の予行練習をしているらしいけど、足の置き場は、椅子だと違うと思うよ。


「りんの説明、最後まで聞く」


「今までも聞いてくれてたよね?」


 きくと、葵は水のコップを見つめて答える。


 お菓子が出てからは、そっちを見ていたらしい。


 そうだろうとは思っていたけど、正直に言うんだね。


「わたし、お菓子を食べたあとのお茶も好き」


 ことりが、注文番号の画面を見上げながら言う。


「どっちも好きってことじゃん」


 葵が笑って、届いた丼の場所を空ける。


 わたしの前には、つやつやした玉ねぎが山になっている。


 箸を持つと入口で誰かが手を振り、部活帰りの舞人くんが、空いた席を指さしている。


「ここ、座っていい?」


「どうぞ。りんの隣が空いてるよ」


 葵が即答し、わたしはなぜか箸を持ち直す。


 席は本当に空いてるんだから、別に何も変じゃない。


 そう思うほど、カバンを動かす手が急いでしまう。


「ありがとう、間宮」


 舞人くんが座ってカバンを足元へ置くと、制服の袖から、腕時計が少しだけ見える。


 今は、秒針を数えなくていいんだよね。


 わたしはようやく、玉ねぎをひと口食べる。


     *


「あ、宗教の子」


 店を出た葵が、歩道の向こうへ声をかける。


 丼のことを考えていたわたしも、足を止める。


 植え込みの前で銀色の長い髪を揺らし、シーヴァくんが片手を上げて、こちらへ歩いてくる。


「こんにちは」


「こんにちは。今日は何の用?」


 葵はもう知り合いに会ったようなきき方をする。


 ことりも会釈して、肩にカバンをかけ直す。


 わたしの隣で舞人くんの足が一度止まる。


 言いたいことは、きっとわたしと同じくらいある。


 でも舞人くんは、店を出てくるお客さんへ道を空ける。


「また、勧誘しに来たの?」


 葵がきくと、シーヴァくんは首を傾ける。


「今日は、挨拶をしに来たんだよ」


「挨拶だけなら、まあいいけど」


 葵の返事に、ことりが小さく笑う。


 シーヴァくんはそれ以上何も言わない。


 怖い言葉を口にしたときも同じ顔だったから、わたしには、その顔が怖い。


 葵が足元へ目を向け、カバンの外ポケットを探る。


 ことりが、店の中を振り返る。


「掲示板の写真、送っておこうか?」


「あ、お願い。部のグループにも送る」


 2人は入口を避けて立ち、スマホを並べる。


 舞人くんも、部活の連絡へ返事を打ち始める。


 わたしはシーヴァくんと、10メートルほど先の植え込みまで歩く。


 みんなの姿が見える場所で、声だけを落とす。


「……神さまになる返事は、まだできない」


「そう」


 シーヴァくんは催促もせずにわたしを見る。


 その落ち着いた声に、逃げたくなるのを我慢する。


 きくことは歩きながら決めてきた。


 両手を握らないよう、カバンのひもへ指を添える。


「わたし、自分の力のことをもっと知りたい。何ができて、どこからはできないのかも」


 シーヴァくんの視線がわたしの指へ下がる。


 絵を描いた指も扉を動かした指も同じで、今も、特別な印が浮かんでいるわけじゃない。


「それから、シーヴァくんのことも知りたい」


 言い終えると、思っていたより、のどが渇く。


 シーヴァくんの口元に笑みが浮かぶ。


「前より、ききたいことが増えたね」


「……増えるよ。わからないことばっかりだもん」


 怒ったみたいな声になって、自分で驚く。


 シーヴァくんは気にした様子もなくて、やっぱり、わたしばかりが落ち着かなくなっている。


 荷物が来た道も、地図から消えた場所も、ヒントをくれたのはシーヴァくんだ。


 それは、ちゃんとわかってる。


「助けてほしいときに、シーヴァくんは来なかった。だから次も、待ってていいかわからない」


 わたしは今度こそ目をそらさずに言う。


 シーヴァくんがゆっくりとまばたきをする。


 店を出た人たちがわたしたちの後ろを通り、その足音が離れるまで、わたしは返事を待つ。


「キミは、待たなかったね」


 ……やっぱり、答えがずれている。


 そこを褒めてほしくて言ったわけじゃないのに。


 わたしはカバンのひもをもう一度持ち直す。


「次に会ったときも、同じこときくから」


「うん、聞かせて」


 シーヴァくんは、嫌そうな顔さえしてくれない。


 全部を信じるにはまだ知らないことが多すぎるけど、何もきかずにうなずくのも、もう難しい。


 次の質問を言うより早く葵が名前を呼び、写真を送れたから帰ろうと、スマホを振っている。


 わたしは片手を上げて、その声に答える。


 シーヴァくんの笑顔から、自分で目を離す。


     *


 歩道の角で、知らない青年とすれ違う。


 わたしたちより年上で、穏やかな顔をした人だ。


 その少し後ろには、同い年くらいの男の子がいる。


 並んで歩く女の子2人は、顔がそっくりだ。


 片方が持つ買い物袋をもう片方がのぞき、中身を見せてもらえず、小さく口をとがらせる。


 双子なのかな?


 そう思って前を向く。


「また勝手なことをしているね」


 背中へ聞こえた言葉に、思わず振り返る。


 青年が立ち止まった先にシーヴァくんがいて、さっきわたしと話していたときと、同じ場所だ。


「こんにちは、ヴィシュヌ」


 シーヴァくんの声は、友達に会ったように軽い。


 その名前を、わたしは小さく口の中で繰り返す。


 青年の後ろの男の子がこちらへ目を向け、わたしが見ていたので、気になっただけかも。


 何か言う前に、双子の片方が男の子の袖を引く。


 4人はシーヴァくんのほうへ歩いていく。


「間宮?」


 舞人くんが立ち止まり、わたしの顔をのぞく。


 葵とことりも、少し先で待ってくれている。


 立ち止まっていた足を動かし、小走りに追いつく。


「ごめん、今行く」


 追いついたわたしを、葵が肩で軽く押す。


「明日、何時に行けばいいんだっけ」


「ポスター、さっき貼ったところだよ?」


 ことりの言葉に、葵がカバンを持ち上げる。


 茶碗の足が気になって時間を忘れたらしい。


 ……そこ、絵のせい?


「放課後すぐ、準備して待ってるね」


 答えながら、わたしは自分の家のほうへ曲がる。


 振り返ると3人の手がそれぞれ違う高さで揺れて、わたしもカバンを持ち替え、大きく手を振る。


 神さまになるかどうかは、まだ決められない。


 でも、明日のお茶は、わたしが点てるからね。


レリ・マハーシーヴァ エンディングテーマ「ここにある」

https://youtu.be/RXc36LRIwuI

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