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やっぱり、一緒に居ると落ち着くわね

《アイシャ 視点》


「元カノと食べるオムライス、美味しいでしょう。結城」


「どうやって部屋に入って来たんだよ」    


「そうなのね。それは良かったわ~!」


「そんなこと一言も言ってないだろう。誤魔化してなしで、ちゃんと答えろ。アイシャ」



 ‥‥‥そんなの答えたら。私が住居侵入で警察に捕まって、お縄頂戴になるから絶対に教えられるわけないわよ。 



「アイシャ、君……悪い顔してるぞ。なにを隠してる?」


「な、なんにも隠してないわよ! そ、それよりも、せっかくお互い仲直りできたんだから、どこか遊びに行きましょうよ。お友……はっ!」


 結城に「お友達として」なんて言ったら、また怒られるわね。 


 駄目よ、私。ちゃんと結城と再び仲良くなって、付き合うんだから。


「……君、さっきから可笑しいぞ。変なものでも食べたのか?」


「た、食べてないわよ! それよりも、久しぶりに一緒に出かけましょう。デー……ショッピングよっ!」


「…………まぁ、良いけど」  



 勝ったわ。わがままの粘り勝ちよ。


 そう、私の元カレは私の押しに弱い。


 だから、ちゃんと復縁するのよ結城。今度は絶対に逃がさない。


 ものすごいめんどくさい性格の私をなんだかんだ肯定こうていしてくれる男なんて結城以外考えられない。


 逃がしてたまるもんですか。食らい付いてやるんだから。



「それじゃあ、私は一旦出かける準備をするために部屋に戻るわね。結城」


「お〜! 早く部屋から退散してくれ。アイシャ、そして俺の部屋にもう二度と勝手に侵入してくるなよ」


「分かってるわよ。フフン~♪」


「なんで上機嫌なんだか」


 そりゃ、「貴方と出かけられるのが幸せだからよ」なんて言うと恥ずかしいから、今は言わない。


 ……食事を終えて食器を片付けたら、《《結城の玄関口から》》自室に戻ったわ。


ガチャッ!ガチャッ!ガチャッ!ガチャッ!


 私が、結城の部屋を出たと同時に何重ものロックが掛けられてるわ。


「フフン! 無駄よ、結城。すでに結城の部屋には3つ以上の隠し扉を葵に作ってもらったもの。見つからない場所にね」


 勝ったわ。

 これで私は、いつでも結城の部屋に侵入して添い寝してあげるんだから。


 これで、結城の私に対する好感度爆上がりだわ!


「…………でも、ここで慌てては駄目よ。アイシャ。9ヶ月前、私は結城の話をまともに聞かずに彼を傷つけた。反省するのよ。アイシャ!」



 そう、だから次は失敗しないわ。


 これから始まる結城との半同棲生活で、結城をメロメロにして復縁するのよ。


「……そ、その後は思春期真っ盛りの男女の関係になるの。中学生の時にできなかった事を成し遂げるのよ。アイシャ……可愛い下着あったかしら? 探してみなくちゃ……そ、その前にお風呂に入っておこうかしら」


 私はシャワーを浴びて身体の隅々まで、綺麗にあらったのだわ。


 これであらゆる準備は万端、本番を待つだけだわ。





◇◇◇


ガキンッ!カンカンッ!!バギバギッ!!



「……………よし、五重にロックをかけた。これで、アイシャも勝手に俺の部屋に入って来な……」


「何してるのよ? 早く出かけましょうよ。結城ゆうき


「……うわぁ!? アイシャ!? どこから入って来た?」


「はい。結城のアイシャよ」


「違うわ! つうか、本当にどこから入って来た? さっき隠し通路を見つけて封鎖したばっかりなんだぞ」


「秘密事項よ。それよりも早く着替えなさいよ。出かけるわよ」


「出かけるって……なんで、外行きの……ドレスアップしてんだ?」


「な、なんでって、これから一緒に出かけて……」


「もう夕方過ぎだぞ。遠くなんて行けるわけないだろう」


「………なんですって?」



 私は結城の部屋の窓から映る景色を見たわ。


 暗い。黒一色の夜空だったわ。


「……失念していたわ。結城と久しぶりに出かけられるから失念していたのだわ」


 私はその場で肩から崩れ落ちたわ。まさか、私の完璧なデート作戦が失敗するなんて。


「……相変わらずのアホの子め」


「アホの子じゃないわよ……私は結城の恋人よ」


「元な……」


「……違うもん! うぅ~! うぅぅ~! 違うもん。私は結城とまた仲良くなって、普通にお出かけとかいっぱいしたいだけだもん」


「嫌なことが重なってストレス溜まると幼児退行するの治ってないし。よしよし、俺が悪かったよ。アイシャ」


「幼児退行じゃないもん!」


 結城が私の頭を優しく撫でてくれてる。和むわ……


「少し待っててくれ。外行きの服に着替えてくるわ」


「へ?」


「ディナー行くんだろう? ドレスアップなんてしてるしさ。近くのホテルのレストランに行こう。エスコートしますよ。お嬢様」


 ニコッと笑って、再び私の頭を撫でる結城。


「ホ、ホ、ホテル!? 2人きりで行くの?」


「……なんでそこに食いつくんだよ。飯食いに行くだろう」


「ホテル?……お食事……パパ、ママ、私は今日、結城に美味しく頂かれてしまうのだわ」


 ……私は緊張しながら、結城の着替えを待っていたわ。

   

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