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新世界

お久しぶりです、もう少し幕間が続きますm(__)m

引き続き主人公達の出番はありませんm(__)m

冒険者を辞め、マリアは地元でもあるシャリオへと出戻る。


金は冒険者時代に貯めたモノと十傑の除隊の慰労金で唸るほどあり。土地も元十傑と言えば容易く手に入る。


その為に王都から出戻り、一年以上を自分の屋敷、その研究室で異世界との回廊を開く研究に費やしてきた。


「……………この術式と、この術式の組み合わせで………」


ぶつぶつと念仏を唱える様に、マリアは研究室で自分が記してきた術式のノートと、今考え出した術式を合わせて再び新しい術式を編み出す。もう何千回目になるか解らない術式の発動を行う為に、研究室で魔力を集中させ始める。


カタカタと机やその他の物品が激しく振動し始めるが、それを気にした様子もなく、マリアは魔力の集中を続ける。


すると、魔力の凝縮が始まると共に正面に黒い球体の様なモノが出現、ギュルギュルと周囲の魔力を喰らうようにして球体が膨張を始め、それが大人の体格程に膨張した、まさにその時。ズドンッ、と言う音と共に爆裂、研究室全体を爆煙と爆風が飲み込む。勿論、研究室には何重もの結界が張られている為に、被害が外に及ぶ事はないが、それでも室内の惨状は目も当てられないモノだ。


「ゲホッゲホッ………魔力の集中が足りなかった……ですの」


誰に言う訳でもなく、失敗を確認する。身体の埃を払い、散乱した室内からノートを取り出す。


「術式は今ので行けましたの、一年以上を費やしたかいがありましたの、後は魔力の集中………」


と、そこで軽い目眩を覚えるマリア。どうやら門を開く為に相当魔力を必要とするらしい。元十傑ですら一回の魔力運用でこれだ。


「もう少し、省エネを考えないといけませんわね………」


そう言って、いましがた爆発した辺りを眺めるのだった。


その後、魔力運用の研鑽を重ねて、マリアは独り寂しく門の創造に成功するのだった。



〜門の創造から1ヶ月後〜



………………………


見上げた景色は何処も一緒。晴れていれば青々とした空が広がり、太陽の光が燦々とマリアを照らし続ける。


周囲は木々に囲まれ、そこが何処かは確認出来ない。しかし、マリアには確信があった。


ここが日本だと。


「多分………いえ、来ましたの、日本に」


確信を持ってそう独り呟くマリア。今度は何の根拠も無く進み出す。その先に何が有るかも解らぬままに。でも、それでもマリアに不安はなかった。


……………


森らしき場所を抜けた時に、まずマリアの目に飛び込んで来たのは信じられない光景。それは王都の壮大さとは一線を画した光景。


今まで見たこともない、マリアの見てきたどんな造形にも当てはまらない光景、いや街並みだった。小高い場所から見るそれは、見渡す限り街並みで、街を守る城壁を確認出来ないほど、それほどに広大だった。


「王都なんて、比べるまでも無いほどに大きいですの…………」


あまりの広大さに、驚くしか出来ないマリア。しかし、それでも何とかマリアは歩き出す。小高い丘からおり、街へと向かう。初めて見る光景に好奇心がそそられる。

改めてマントを羽織直して歩き出すマリア。その歩調は心なしか早くなる。早く近くで街並みを見てみたいと。そして、右手に握られていた紙片に目を通す。まだ生前、極が残した自身の家を示した住所と言うモノらしい。


「………………」


開けた通りに出て、マリアの目の前に現れたのは見たこともない乗り物、人が中に乗っていたので辛うじて乗り物と断定出来たが、馬車よりも遥かに速いそれはマリアの前を颯爽と通り過ぎていく。


と、その時、周囲からの視線を感じてマリア自身が見回す、と。訝しげにこちらを見ている。



(何かしらあれ?)


(何か凄い格好じゃない?)


(でも、顔は凄い綺麗………)


(コスプレ?)


最後のは聞きなれない言葉だったが、どうやらマリアの格好が相当に馴染んでいないようだ。少しばかり恥ずかしさを覚えながら、足早にその場を歩き去る。


「りょ、旅装ですけど………何かおかしいですの」


自身の格好を見ながら、周囲の人間との違いを探す。が、正直見なくても解る。この世界の人間とは着ている服装が違い過ぎるのだ。そう思ってしまうと、途端に場違い感を感じるマリア。だが、何時までも臆している場合ではない、何故かは解らないがこの世界の人間の言葉が解るのだ、故にマリアは極の住所の書いた紙片を持ち、近くの人間に話しかける。


「すいません、ここに行きたいのですが?」


いきなりではあるが、二人組の女性に紙片を見せてみる。


「住所……?」


「はい、そこに行きたいのですの、解りますか?」


視線で文字を追う女性二人。それを黙して待つマリア。すると。


「………多分だけど、近くじゃないかなぁ」


「確かに………正確な場所は解らないけど……ごめんね」


「いえ、有り難うございますの、良ければ情報を得られる様な場所はありますの?」


紙片を返されて、マリアは二人に再度質問。この世界にあるかは解らないが、ギルド等があれば情報を得やすいはずだ。


すると。


「移動するなら、電車かバスだろうけど、この辺りなら交番かなぁ………」


「交…………番?」


「そ、この辺りなら交通機関よりも交番の方が近いから」


そう言って。女性二人はマリアを引き連れて、交番へと案内するのだった。



「有り難うございますの!」


頭を下げ、二人と別れるマリア、案内された交番は思った以上に。


「小さいですの…………」


正直な感想だった。しかし、小さいからと言って情報が無いわけでは無いだろう。マリアは軽く深呼吸して交番の入口をくぐる。


「…………海外の方かな」


入ってすぐの机に、独り男が座っていた。男の格好は何かの制服だろうか、青を基調とした服に身を包んでいる。


「………あの」


一度、話す言葉を選んでから、マリアは口を開く。制服の男、と言っても60前くらいだろうか、男は柔和な表情で黙って耳を傾ける。


「………と、言う訳ですの」


話し終わり言葉を区切る。すると、話しの途中で紙片を受け取っていた男は。


「うん、苦労したみたいだね………しかし、ふむ、この住所は………」


と、紙片を見て今度は男か思案顔を浮かべる。それを見てマリアは。


「遠いですの?」


「ん?いや、電車を使えば一時間程なんだが………」


と、そこでマリアの表情を伺う。すると、想像通り、マリアは電車と言う言葉に反応できていない。


「電車………?」


「そうか、電車は解らないか………はてさて」


取り敢えず紙片をマリアに返して、男は机の近くにあった手のひらサイズの板切れを取り出す。その一部始終を目で追いながら。黙して成り行きを待つ。


その間、十数秒。何度か言葉を発し相槌を打つと板切れを再び机に、そのまま苦笑いを浮かべ。


「あぁ、話しの途中で悪かったね、いや何、今案内してくれる人間を呼んだから、その子に連れて行って貰うと良い、私は勤務中だからね」


そう言って、ゆっくりと立ち上がり部屋の奥にあった棚からお茶菓子を取り出し、ポットのお湯を急須に淹れて茶を入れる。


「少し待っていてくれ、その間にこれを食べておきなさい」


柔和な笑み。それを見ただけで、その人間が信頼に値すると判断できる。言葉に甘えてマリアが茶菓子に手を伸ばす。


「美味しい………ですの」


お茶と茶菓子を交互に手を伸ばしながら。時間を潰すのだった。

マリアの日本一人旅みたいな感じでしょうか?

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