最強の一角
閲覧有り難うございますm(__)m
いつも、感謝感謝ですm(__)m
既に日は落ちて、辺りは完全に闇に支配された頃。村の入口の牢にまた一人。その人物はジャコモを見つけると。
「マレーンさん………」
と、ジャコモの本名を告げてくる。暗がりのため姿を確認しづらくはあるがそれでも。
「ツィラだね……」
そう言って、ジャコモが少しばかり気だるそうに鉄柵越しにツィラの前に。するとツィラは少しだけ表情を曇らせ。
「村を救っていただいたのに、この仕打ち……」
「うぅん、間違っちゃいないけどねぇ、でも勘違いしちゃいけないねぇ、元々あたしらは村を襲った悪人何だけどねぇ」
「だとしても!」
「なら、逆もさね、街を救うのを協力したけど
犯罪者は犯罪者………何処まで行ってもね」
「でも………」
「アンタの相方にも言ったけど、無理を通すには、その分何処かに皺寄せが行くもんさね………まぁ、誰にかは解らないけどねぇ」
そう告げて、ジャコモは笑みを浮かべる。そのままツィラの手を取り。
「気持ちだけは、貰っとこうかねぇ………感謝さね有り難う」
一言だけ、感謝を述べる。
「さ、村の入口でも夜は危険だよもう戻りな」
と、優しく声をかけてツィラを村へと帰らせる。その背を見つめていると。
「良かったのか………ジャコモ?」
不意に言葉をかけられる。振り向かずとも、それが誰だか解っているジャコモは。振り向きもせずに。
「あぁアドルノ、元々冒険者を辞めた時に、こんな事は諦めていたさね、感謝されるなんてね」
「ジャコモ………」
お互い表情は見えないが、それでも声音でなんと無く雰囲気は解る。が、そんな二人の空気に。
「団長、良いんじゃ無いですかね、たまには善行してもさぁ!」
「べ、ベーム!!」
「だってそうだろアグーテ、俺らは野盗だけど根っからの悪人じゃ無いつもりだぜ?」
「そうだけど………」
「なら、たまには良いんじゃ無いですかね、そうたまには野盗が人のためになることしても」
空気を読んだのか読んでないのか、ベームの言葉。すると、それを聞いていた、クラリッサが。
「そうだよジャコモ、私らは野盗であって根っからの悪党じゃない義賊なんだよ、ベーム、戦力的には微妙だけどたまには良いこというじゃん!!」
「ベレンキさん………」
複雑な表情のベーム。が、それ以上は何も言わない。
それを尻目にクラリッサはジャコモの横に並び肩をバシバシと叩く。
が、ズドンッ。と村の方で一際大きい音が響き渡る。それを牢の中で全員が耳にすると。
「今さら何だろうねぇ…………」
何時しか聞きなれた銃声を耳にして、ジャコモが星空を見つめるのだった、
〜コモス村の酒場〜
銃声が響き渡った瞬間、酒場の空気が凍りつく。勿論、全員の視線が音の方に吸い寄せられる。
「おいっ、純一、発砲するか普通よ!!」
「当てて無いッスよ………」
「当てる当てないの問題じゃねぇだろぅがよ、ボケッ!!」
怒声を上げて立ち上がる。椅子はそのまま後方に勢い良く倒れて転がる。酒場の誰もの時が止まる中。昌晃と純一だけは止まらない。
「ここは日本じゃないッスよ」
「はぁ、常識の問題だろ、酒場でぶっぱなす馬鹿が何処にいるよ!」
「ここッスかね………」
「純一っ!!」
言い切るより先に昌晃の拳が純一の顔面を捉え、次の瞬間、後ろのテーブルを巻き込み転がっていく。
「馬鹿が………」
吐き捨てる様に昌晃が悪態をつく。と。
「いきなりとは、やってくれるッスね………」
いつの間に立て直したのか、急接近してきた純一が一言。
「聞き分けのねぇ奴は殴るに限るだろ!?」
「……………あぁ、そッスか」
さして興味を示す事も無く反撃。昌晃の腹部を前蹴りで捉え、反対側へと吹き飛ばす。
「結局、考え方が違うんッスよ、俺達の付き合いも大学に入ってまだ半年ちょいッスから、全てを知るなんて出来ないッスよ」
指を鳴らして、持っていた拳銃を寝転がっている昌晃に向ける。
本気だ、引き金に指が添えられ、後少しの力で撃鉄が落ちるところまできている。そこではじめて周囲がざわめきだす。
「おい、お前ら………」
ハイドゥ。
「二人ともどうしたんだ!?」
カナリス。
「時任さん、いきなりどうしたんですか!?止めて下さい!!」
咄嗟に飛び出し先ず起きている純一を止めようとする、が、その時ラースの肩を力任せに掴む者が現れる。はっとなって振り返ろうとするが力任せに掴まれた肩は抵抗することも出来ずに、吹き飛ばされる。そして、そのままラースを吹き飛ばした相手昌晃は。
「純一ぃぃぃぃぃっ!!」
口許に伝う血を拭う事もせずに、飛びかかる。
「くっ!」
流石に至近距離。拳銃の出る幕を潰された純一は舌打ちして、構えをとって昌晃を迎え撃つ。
バカンッ!!酒場の扉を突き破り、二人が取っ組み合いながら村の中央へ転がりでる。
「クソがぁっ!!」
「おぉっ!!」
立ち上がり、互いに殴りあい、顔面が殴られる度に左右に飛び、鮮血が宙を舞う。苛立ちと苛立ちのぶつけ合い。罵声をあげながら互いの身体に幾度も拳をめり込ませる。
「二人ともどうしたんですか!?」
そこで、騒ぎに驚き連絡を終えた淳が二人の間に割ってはいる。互いに腫れた顔面のまま、止めに入った淳を意味も無く睨み付ける。が、淳は気にした様子もなく、一度二人を見比べ。
「顔を腫らすまで殴りあって、尋常ではありませんよ!?」
険しい表情で二人を嗜める。が、二人は淳から目を離した後は、互いににらみ合い語ろうとはしない。ただ、殺気だけが空間を支配していた。
「淳には関係ねぇよ………」
「そッスね、これは俺と昌晃の問題ッスよ、淳には関係無いッス」
「しかし、これだけやったら………周りが心配しますよ……」
あくまでもやんわりと、それでいて刺激しないように、淳は二人を諭そうとする。
が、その時。村の畑側の入口から一人歩いてくる。暗がりで誰かは解らないが、白のローブをすっぽりと被った誰かだ。怪しくはあったが、その場の誰もがそれを感じた。
それに敵意が無いことに。
一瞬、その場全員の視線が白のローブに向いた時。再度、昌晃と純一が殴りあいを始める。
一発、二発。互いの顔面が左右に飛び鮮血が飛び散る。殴打の音が響き、再び全員が二人に視線を向けた時。
「あらあらまぁまぁ、二人とも血の気が多いですね」
と、女性の声。いつの間に移動していたのか、女性と確認出来る程の位置に現れた時には、昌晃と純一が宙を舞っていた。
!!!???
訳も解らず宙に放り出された二人。が、地面が眼前に迫ったとき。二人の頭部に女性の無慈悲な蹴りが加えられる。
勿論、二人の意識は刈り取られるのであった。
「あらあらまぁまぁ、脆いお二人です事………」
倒れて意識を失った二人を見て、女性はただ一言そう呟くのだった。




