そもそも考え方の違いはあって当たり前
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〜日本時間で言えば土曜日の夜7時頃〜
カリエールやブゼを撃退し、何とかコモス村にも一息と言える時間が訪れていた。
そして、コモス村で外から来た冒険者が一息つける唯一の場所、酒場では。
マリナを相手にラースが嘆願を行っていた。
「レイヴァンスさん………」
「却下です!」
有無も言わせず、バッサリときって捨てる。ラースの言わんとすることも解るが、マリナとしても犯罪者を一時的とはいえ解放すると言うのは、了承しかねた。
「しかし、レイヴァンスさん、ジャコモさんは!」
「彼女とラース君やツィラさんの間に何があったかは知りませんが、ジャコモ・デラーとその一党には捕縛命令が出ています」
「命令?依頼では無く?」
「えぇ、チルダ王国からシャリオ方面の旅団に直接ですので」
テーブルの上にあったコップを手に取り、水を飲む。一度二度と喉を鳴らして、一息つく。それを待って、今度はラースが口を開く。
「しかし、ジャコモさん達は僕達の村を救うのを協力してくれました、なら!」
「確かに、減刑や恩情があっても良いと思います………」
「ならっ!?」
「しかし、それは上が決めることであって、私たちが決めることではありません」
「しかし!?」
「話はここで終わりです、明日明朝出立しますので…………」
と、話を区切り、背を向け酒場を出ていく。ラースも追いすがろうとするが、ラースの所属旅団長カナリスが間に割って入る。
「止めろラース、レイヴァンス氏も苦しい立場なんだ、弁えろ」
「しかし、団長!」
「お前の気持ちも解らないでもない、しかし、ここは堪えるんだ」
最もな意見。犯罪者を一時的でも解放するなど、本来あってはならないこと、いくら村の防衛に協力したとしても、有力な一旅団幹部とはいえ、気軽に判断出来る事ではなかった。それが解っていたのか、周囲の旅団メンバーや常駐冒険者も口を閉ざしていた。
〜少し離れたテーブル〜
「犯罪者の扱いは万国共通ですね…………」
「そっスねぇ…………でも、正直っすよ」
「ん?」
「こんなガチンコの戦闘が蔓延する異世界で、犯罪者の扱いが日本と似てるって、何か複雑っすね」
「いやいや複雑ってよ、国があるんだから法律もあるだろ、なら犯罪者を裁く法もあるだろ?」
「それでもっすよ、何と言うか、もう少し甘いイメージが………」
「純一、逆ですよ、きったはったが日常だから、犯罪者の扱いにも厳しくじゃ無いでしょうか」
「確かに、一理あるッスね」
酒場を出ていくマリナを横目に、三人は話に一区切りつけてテーブルの飲み物に口をつける。
「にしてもやっぱりよぉ、冒険者って半ばアウトローみたいなもんだろ、ちょっとくらいお目こぼしがあっても良いような気もするけどなぁ」
「まぁ………万国………いえ、各世界、次元を越えても一緒でしょうね、一つの特別を許せば二例目三例目を、認めないと行けなくなりますから」
淳の正論。だが、昌晃や純一、言っている本人の淳も理解は出来ても納得は出来なかった。
だって、多分日本人だから。
「仕方ありませんね、一肌脱ぎますか………」
「ん?」
と、そう言って淳は、スーツの内ポケットからスマホを取り出し、おもむろに連絡を始める。
「ぇえ!?電波あるんッスか、淳?」
驚愕の行動に、流石にツッコミを入れる純一。すると、問われた淳は一瞬不敵に笑みを浮かべ。
「電波は無いですよ」
「は?無いのに何で?」
「こっちにいる間は、魔力で動く様にしてもらったんですよマリアさんに」
「マジッスか?」
「マジっすよ、でも、今はまだマリアさんとしか連絡が取れないですけどね………」
そう言い残し、淳は席を立つ。テーブルに残ったのは当たり前だが、純一と昌晃。ぼぉっと天井を見つめる。見つめたから何が有る訳では無いが。
「……………やっぱりよ、ちょっと位は良いんじゃねぇのかよ」
「確かに………気持ちはそっスね、でも、ここは日本でも、ましてや俺達の世界でも無いんッスよ、ならこの問題はこの世界の人達が解決する問題、思わないッスか昌晃、俺達はあくまでもバイト、言われた事を帳面通りにこなすだけで良いんッスよ」
と、そこで言葉を区切り、純一はコップの酒をあおる。それをみながら、昌晃は。
「純一ってよ、変な所で達観してるって言うか冷めてるって言うか、まぁ、ドライだよな」
「そっスか?俺としては当たり前の事を言ったつもりなんッスけどね、勿論感情論なら………とは思うんッスけどね、でも感情論では物事は解決しないんッスよ」
「まぁな………」
純一の言葉に何も返せない昌晃。少しばかり重い空気が漂う。
少し離れた場所では、ラースと常駐組の面々、それにカナリスが結婚の祝いの杯を交わしていた。ワイワイと騒がしい程に盛り上がり始めるラース達。だが、それと比例するように昌晃と純一の雰囲気は重くなっていく。
そして、ラース達を尻目に昌晃がゆっくりと口を開く。
「だけどよ、他人で別世界の人間でも、今俺らはここにいるんだぜ、なら…………」
「それが傲慢じゃないんッスか?ここは異世界ヴォバックで俺や昌晃、淳は何処まで言ってもよそ者、それに俺達はたかだか大学生ッスよ、勿論今回の事は出来事としては小さい事でしょうけど、それでも任務でもない問題事には首を突っ込むべきでは無いと思うッスよ」
「……………まぁな、でも俺はやっぱりほっとけねぇよ純一」
「そうですか、まぁならこの件に関して、俺はノータッチと言う事ッスね」
「だな…………」
と、そこで二人の会話は途切れる。が。
ハクジョウナヤロウダナ………
昌晃が小声でそう呟いた時。
ズドンッ。一際大きい発砲音が酒場に響き渡り。二人のテーブルに銃弾の風穴を開ける。
すると。
「……………何ッスかねぇ、俺今少しばかりイラッとくる言葉が聞こえたような気がしたんスけどね…………昌晃?」
「あぁっ!?」
刹那、昌晃が椅子に座ったまま、風穴の空いたテーブルを蹴り飛ばす。
何故、何処でこうなったのか、二人にかなり不穏な空気が流れるのだった。




