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日帰りで異世界に行ってみよう!  作者: プラズマ
正規昇格初任務編
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死の狂人

閲覧有り難うございますm(__)m

感謝感謝ですm(__)m

〜森林部 某所〜


「くそっ………」


忌々しげに舌打ちして、毒づいたのはカリエール。状況は思ったほどに進まず。コモス村処から迎撃に出ている八人にすら手を焼く程だ。その為に切り札を切った。正直こんな所で使うつもりは毛頭無かったのだが、それでもブゼに対する示しもある、その為に切った。


「切ったからには……………殺す」


カリエールの目に暗い火が灯る。


死の狂人。カリエールのモンスター使役能力の真骨頂。死して間もない肉体を隷属させて使役。隷属された相手は術者が死ぬまで不死身の状態となり、術者の命令に従順になる。能力は生前のままで、術者の能力とは関係なく生前の能力を完全に使用することが出来る。


その死の狂人に、カリエールは命令する。


"ただ殺せ………と"


その瞬間、死の狂人は走り出す。死の狂人の視覚を通し戦闘状態に入ったのを確認して、カリエールは視覚をコモス村側のオーガへと回す。


「カリエール、現状はどうなってるのだ?」


と、そこで少し苛ついた口調で、ブゼがカリエールに状況を問い正してくる。貴族には何も無い森はストレスでしかないのだろう、不快感を隠そうともしない。それを冷静な表情を作り。


「順調……とは言えませんが、概ね」


「概ね?貴様何時までワシをこんな所にいさせるつもりだ!?」


「申し訳ありません」


「さっさと、コモス村を占拠しろ、こ汚い村でも休む所はあるだろうからな」


「はっ!」


自身ではなにも出来ない無能者、心の中でそう罵りながらもカリエールは、表情一つ変えることなく、ブゼに頭を下げるのだった。




〜昌晃、淳、ジャコモ〜


「だらっしゃぁぁぁ!!」


横一閃。野太刀の斬撃が死の狂人を襲う。が、斬撃は狂人に当たること無く空を切る。


…………………


表情も何も無い。正に感情の読み取れない狂人の顔から、目を切る事なく、次に備える昌晃。


……………


無言の斬撃。上段から振られ、地面に当たる直前で軌道変化、下段からの斬撃になる。


「くそっ!」


咄嗟に身体を反らし斬撃を回避。剣の切っ先が顎を掠め、刀と共に昌晃の視線が天に向いた時。狂人の刀を持っていない方の手が昌晃の腹部に添えられ。


……………


無言の一拍、正に一瞬の出来事。そして。言い知れない爆裂音が響いた時。爆煙の中から昌晃が現れる、勿論地面をきりもんで。

二転三転。壊れた人形の様に地面を転がり、抗うことの出来ない程のスピードで吹き飛んで行く。


「昌晃!」


超至近距離の魔術攻撃に淳が声を上げる。が、昌晃はある程度の所で勢いを殺して立ち上がる。


「くっ、やるじゃねぇかよ………」


立ち上がるも、ダメージが深いのかその場を動かない、その証拠に丈夫な筈の黒のスーツ、その腹部がプスプスと煙を上げて煤けている。


………………


だが、昌晃の状況など狂人にはどうでも良い。仕切り直すと、すぐさまに走り出す。


「人形野郎が!」


無言で表情、そんな狂人に苛立つ昌晃。野太刀を何時もの日本刀に変化させ。


「オラァ来いよ、糞人形、とことんまでやってやっからなぁ、おぉっ!?」


怒声、罵声。昌晃が叫び終わると同時に再度激突。日本刀と肉厚の剣がぶつかり。






「凄いねぇ昌晃は、頭に血が登り過ぎじゃ無いかねぇ…………」


「いえ、あれくらいで良いと思いますよ、元々ガチガチの喧嘩本職のヤンキーだったみたいですからね」


「……………やんきー?」


「いえ、気にしないで下さい」


いつの間にか、オーガの集団を一手に引き受けている、淳とジャコモ。互いの背を守りながら会話を続ける。

その間も、昌晃と狂人の戦闘は続く。


「てか、アタシの時もアレだけ動かれたら、不味かったろうねぇ………」


「そうですか?」


「まぁ、無理だろうけどねぇ………」


と、意味深な言葉を淳に投げ掛けると、ナタを持ったオーガの攻撃。上段から振りかぶったそれを何の躊躇いの無くククリ刀で受ける、勿論マトモに受ければククリ刀ごと押し潰されるが、当たる瞬間にククリ刀で軌道をいなし、ナタの攻撃を回避。バランスを崩したオーガの急所をつき屠っていく。そのまま、倒れたオーガを踏み台にして次のオーガに、反応される前に、顔面を斬りつけ、動きの止まった所に首をばっくりと切り裂く。紫色の血が吹き出し、絶命、攻撃の暇を与えない。飛ぶように流れる様に動き回るジャコモに、それに当たり前の様に淳もついていく。


「アンタもやるねぇ?」


「まぁ、それなりには鍛えてますから」


うっすらと笑みを浮かべ。淳も変化させた、片手剣と盾でジャコモの背を守る。勿論、オーガの量が減ることは無いので、負担が減るわけではないがそれでも息を切らすこと無くジャコモの援護に徹する。


「兎に角、今は昌晃の勝利を信じましょう」


そう言って一度だけ、昌晃に視線を向けるのだった。




「このボケぇっ、シバくぞコラァッ!!」


肉厚の剣を回避。回避してから下段からの一閃。切っ先が宙を斬ると、そのまま蹴りを見舞う。


「足癖は悪い方なんだよ、覚えとけ!!」


無言の狂人に、毒を吐き捨てる。と、前蹴りを入れ、そのまま側頭部を刀の柄で強打。ダメージこそ無いものの大きくバランスを崩す。


「だらぁっ!」


と、一気に気を吐き、上段から日本刀を振り下ろす。


…………………


ボトリ。そんな効果音が聞こえてきそうな雰囲気を醸し出すと共に、狂人の武器を持つ手が地面に。同時に、どす黒い血液も、ボタボタと吹き出し滴り地面に吸い込まれていく。


「どうだコ…………ラッ!?」


戦果を確認し、狂人の状況を確認、してやったりと笑みを浮かべたその時。今度は昌晃の脇腹に鈍痛。狂人の生き残っていた腕が、力任せにボディブローを放つ。

痛みを感じない分、反応判断が早く。がら空きの脇腹に攻撃を受けてしまう。何とかデフォルトの防御障壁で防ぐものの、威力が高く、昌晃の表情が苦痛に歪み、一瞬動きが止まる。


「糞っ…………」


詰まる呼吸を何とか回復させようとするが、今度は狂人のターン。吹き出す血液を昌晃の顔面に飛ばし、視界を奪う。


……………………


「つぁっ…………」


一言も発っさない狂人とは違い、呻く昌晃。そして、疲労度に関しても差が現れる。ダメージが蓄積する昌晃は、攻撃を受ける度に動きが止まり鈍るが、狂人は痛みを感じない為に、動きが鈍る事がない。それどころか攻撃を受けた瞬間にカウンターを放ってくる、厄介極まり無い。


「く………そ、吹き飛べっ!!」


流石に一度間を置きに行く為、魔術を発動迫った狂人を衝撃波で吹き飛ばす。何とか距離を取ることに成功する昌晃。そのまま、顔の血を拭いながら、大きく大きく息を吐き新鮮な空気を吸い込む。兎に角、回復に努めなければならない。


狂人を睨み、仕切り直す昌晃。周囲では淳とジャコモがオーガと戦っている。


「糞っ人形野郎が……………やるじゃねぇかよ!」


認めなければならなかった。


相手の強さを。

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