突撃
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「パーロンズ、敵が森を抜け出し始めたよ!」
土壁の上。百メートル程先の森から、先発のオーガが現れる。それを黙視するや否や、クリスが両腕を正面にかざし。
「各自現れたオーガ集団に魔術攻撃、後、門から攻撃隊が出た後、後方の森に対して魔術の制圧射をかけます、時任さん!」
「はいッス!」
「時任さんは精密射で攻撃隊の援護を!」
「了解ッス!」
「各自、攻撃開始!!」
クリスの合図と共に、土壁の上の魔導士が魔術攻撃を開始。様々な魔術が飛び交う。一発一発がオーガを殺傷するほどの威力。
腕や脚を吹き飛ばされ、満身創痍になってもオーガは這うように村へと接近してくる。勿論、それを縫うように第二陣のオーガが森を抜けてくる。
「続けて下さい、特に入口付近には敵を向けさせないで下さい!」
魔術の攻撃音、爆裂音が響き、オーガの咆哮が混じり合う。その中でも、クリスの声は何故かはっきりと周囲に響き渡る。
「確実に正確に、オーガを撃滅してください、まずは私達が村を守ります!!」
「「「「おぉぉぉぉぉっ!!」」」」
土壁に魔導士の声が上がる、耳をつんざく程の気合いの入った声。と同時に、その気合いに押し出されるかのように攻撃隊が門から雪崩でる。
〜攻撃隊〜
「アドルノ!?」
「どうした、ジャコモ!?」
「班の指揮はアンタに任せるよ!!」
「なっ、正気か?」
「当たり前さね、アタシはアッチの方に着いてくよ!」
舌を出して、イタズラっぽい笑みを浮かべるジャコモ。それを見て、アドルノは嘆息し。
「解った、好きにするが良いさ、こっちは任せておけ」
「おはっ、流石は副長、なら門周辺は任せたさね!」
そう言いながら、ジャコモはマリナ達希望の翼班の最後尾に着き、森の中へと走り込んでいくのだった。
「俺を見よ、俺に続け!!!」
「何ですかそれ?」
森に侵入後、前方から迫るオーガの集団と接敵し戦闘が始まる。その頃には魔術支援が無くなり、若干距離の離れた場所から爆裂音が響きだす。
「ん、どっかの看板だったか、どっかの敷地だったか………はて!?」
淳に質問されるものの、昌晃の頭には答えが出てこない。その代わりに手に持っていた日本刀で迫るオーガをなます斬り。
「ありゃま、手加減が無いねぇ!!」
と、両断されたオーガを見ながら、昌晃の背に現れたのはジャコモだ。いきなり声をかけられ驚く昌晃。
「アンタは、向こうの班じゃねぇのかよ!?」
「つれないねぇ、一緒に戦いたいのさねぇ」
「俺は、ごめんこおむりたいけどな!」
「あらあら……………」
昌晃の態度に、薄笑いを浮かべるジャコモ。それを見ていた淳は。
「別に良いのでは無いですか昌晃、減るものでは無いでしょうし」
「ほらほら、アンタのお仲間もあぁ言ってるさね!」
淳の援護に、ジャコモが声を上げる。そう言いながら今度は、ジャコモがオーガの懐に飛び込みククリ刀で斬り伏せる。
「ほら、アタシは使えるさね!」
四方から群がるオーガ。体格の差があるものの、ジャコモは身体強化を行い、オーガの急所を確実につき屠っていく。素早く流麗、流れる動きで次から次へと、目まぐるしい程に。
「やはり、凄いですね………」
「あぁ、認めたくはねぇけどなあの動きは真似出来ねぇ」
日本刀を肩に担ぎ上げ、ジャコモを眺める昌晃。軽装の皮鎧に茶髪のセミロングがたなびく。正直見惚れる程のモノだった。
「惚れたかい?」
戦いながら昌晃の視線を追っていたのか、イタズラな笑みを浮かべ、心を見透かす様な言葉を発する、その間にも、更に迫るオーガの攻撃を回避していく。が、問われた昌晃は勿論無視。そのままオーガの殲滅に突入する。
「惚れねぇよ、淳!」
「解ってますよ、さぁ行きましょう!」
ジャコモに見習い、再度、昌晃と淳も動き出す。森の中の為、長モノの武器は不利ととり、昌晃は短めの脇差しに変化させオーガに突撃。淳は片手剣と盾に、オーガの正面に接近し盾で防いだ所を片手剣で刺突する。勿論、心臓を一突き。
「はは、やっぱりやるねぇ、魔物相手なら手加減が無いと来た!」
「あぁっ!?」
ついて、離れて、それを繰り返しながら、ジャコモが昌晃に言葉をかける、が、その真の意味までは理解出来ない、その為質問を返そうとするも、その時にはジャコモの姿は近くに無い。
「全員聞いて!」
と、その時、少し離れた場所で戦闘を行っていたマリナが、魔術で自らの声を拡声。
周囲の仲間に声を伝える。
「戦闘は継続のまま、戦線を押し上げます、コチラは人数が限られてる、時間がかかれば掛かるだけ不利になる、後方を信頼して押し上げます!」
オーガを殲滅しながら、先鋒班八名が更に森を前進を始める。
「まず狙うは、モンスター使役士エッカルト・カリエール!!」
オーガの動きが限定される密集した森を選び、走り抜ける面々、既に魔術支援の爆音は、後方に置き去りになる程に遠くなり、戦線が深くなっている事を如実に現す。
「左右、オーガ集団黙視確認!」
「リッチェル、ブフナーとラース君の援護を!カナリスさんは私と、昌晃、淳、二人はそこの野盗旅団長と先行、切り開いて!!」
「「「了解!!」」」
マリナの指示、その瞬間全員が散る。左右にはカナリスのチームとマリナのチームが。正面には淳達が。
「アタシはジャコモ何だけどねぇ!」
野盗旅団長と言われて、不満そうな表情を浮かべるジャコモ。が。
「着いてきた事に文句言われなかっただけでも有り難く思えよ!」
「いやいやいやぁ、アタシは使えるからねぇ、普通なら金を取りたいところさね!?」
「なら、帰れよ!」
「つれないねぇ………」
「二人共、会話はそのくらいで、正面来ます!!」
密集の森林が開け、若干広い場所へと出る、すると、それを見てオーガが思い出したかの様に集まってくる。
「何か人形みたいだねぇ…………」
オーガの動きを見て何かを感じたのか、ジャコモがポツリと言葉を漏らす。確かに開けた場所に出た瞬間、オーガが三人を見つけ前進を止めて押し寄せてくる。
勿論、群がってくるだけならば解るものだが、前進を止めてまで周囲の集団全てがこっちに向かってくるのは解せなかった。
「と、なるとコレはモンスター使役の………」
「能力の一端だろうさねぇ」
開けた場所で戦闘開始。ジャコモが何も言わず再度斬り込む。一歩出遅れる昌晃は舌打ちしてジャコモとは違う場所へと走る。
「一緒に戦わないのかねぇ?」
「アンタは一人でも大丈夫だろうよ!?」
そう吐き捨てて、背を向ける。ジャコモも一度だけため息をついて気を取り直し戦闘へ。
「僕は置いてけぼりですね………」
と、最後に淳が苦笑して戦闘に突入するのだった。




