共闘と協力
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「淳君!!」
声を荒げたのは集会場にいたクリス。周りの冒険者達も、クリスの言葉に頷く。
「しかし、僕としては協力する方が………」
「何故ですぅ、相手は野盗旅団ですよ、100歩、いえ1000歩譲ってオーガの集団が来たとして、撃退したのち、後ろから…………何て事は考え無いの?」
「クリスっち落ちついて、言葉に字が出てる」
ミリアムが興奮するクリスを宥める。宥められたクリスは一瞬だけ顔を赤らめて。
「コホンッ!私は反対です、村の人達の安全を考えても共闘は賛同しかねます!!」
「確かに、村人の安全を考えれば……でもクリスっち、オーガの集団をどうするつもり?」
と、そこでミリアムがクリスに共闘しなかった時の対応を質問。が、質問された瞬間、クリスが硬直する。
「確かに、直ぐには出てこないだろうな、それにコチラは藤堂氏とリッチェル氏、ブフナー氏が戦列にまだ復帰出来ないでいる、共闘しないとなるとこちらの戦力は11人プラス村人だな…………」
硬直したクリスに変わりカナリス、カナリスは現状を冷酷なまでに分析して突きつける。が、現状共闘しないとなればオーガ300に対しコチラは戦闘員11人で戦わなければならない。
それを冷静に分析して、カナリスはクリスに突きつける。冷たい様であるが今は時間が無い。
そうしてクリスの反対意見を潰して行く。
ミリアムも苦笑い。他のメンバーもカナリスの意見に反論するものはいない。
「なら、千鳥氏の言う通り野盗旅団キリールと共闘でいこうか………それで良いかなパーロンズ氏?」
「………………納得は出来ませんが、それが現状の最善策なら、私はカナリスさんの意見を採用します」
「有り難う」
そう言って、クリスから一時的に受け取った指揮権をそこでクリスに返納する。そして。
「パーロンズ氏、すまない、君が長だったのに」
「いえ、気になさらないでください、今の今までカナリスさんが長だったんですから…………それにこちらこそ有り難うございます」
と、クリスが逆に頭を下げて謝罪。しかし、その表情は何処か清々しそうだ。
〜コモス村 集会場〜
「共闘を選択しました、村長それに際して………」
クリスの最終判断のもと、集会場に集まる村人を前に村長に状況説明を行う。どよめく村民を背にして、村長であるコジーモは一度大きく頷いて。
「守って貰うコチラとしても、色々と思うところはありますが、最前線に立つ貴女方の意見を尊重させてもらいます、宜しくお願いいたします…………」
深々と頭を下げるコジーモ。それを見てクリスは意を決して。
「村長、村の生命の魔石を使用させてください!!」
クリスのこの言葉がオーガとの決戦の口火となる。
〜コモス村入口付近〜
回復士であるミリアムがキリール団長ジャコモをまず癒す。恐ろしい程に傷が回復し完治していく。
「傷は治りましたが、失った血や体力までは戻りません、そこを忘れないで下さい!」
「あいよ、流石は希望の翼の回復士だねぇ」
肩口をピシャリと叩きながら包帯を外す。叩いた手を見てピクリと反応するミリアムであったが、一度咳払いをして他の旅団員の方へと向かう。
「警戒は………されるねぇ………」
「当たり前でしょジャコモ、ついさっきまで殺し合いをしてたんだから」
「わかるんだけどねぇ………」
回復した肩口を叩きながら、苦笑いを浮かべる。周囲ではキリールの団員が声を上げながらオーガの集団に備える。
「野郎共ぉ、オーガの集団は近いよぉ、気合いいれなぁ!!」
「「おぉぉぉぉっ!!」」
次第に出来上がる土壁。村の周囲は次第に戦闘準備が整っていく。と、その時、森の一角から二人の人影が現れる。勿論、いきなりの来訪者に素早くキリールの団員が対応、一斉に二人を取り囲む。
「待ってください、俺はコモス村出身で旅団カモメのヴェルナー・ラースです!」
「それを証明出来るのか?」
「証明………」
キリールの団員に問われるラース、が。ラースの後ろにいた女性が一歩前に出て。
「私は、シャリオの希望の翼、幹部のマリナ・レイヴァンスです、ここには同じ団員がいるはず呼んでください!!」
ラースの横に並び若干威圧気味に声を上げる。それに気圧され、団員達が一歩後ずさるが、それを見たアドルノがマリナ達の前に現れ。
「マリナ・レイヴァンスか、お前らコイツは大丈夫だ俺が保証する、村に入れろ!」
手近の団員に指示して、ラースとマリナを村へと案内する。その背を眺めながら。
「心強い戦力が増えたな…………」
小さく呟き、再び迎撃の準備に入っていく。
「マリナ!!」
「良く頑張ったわねクリス」
村の中央、最初の攻撃でクレーターの出来た辺りに集まり、戦闘準備を行っていたクリスはマリナを見て歓喜の声を上げ、飛び付く。
「マリナ、でも、どうして?」
「キリールの件があったから、増援として来たのだけれど」
周囲に視線を走らせ、複雑な表情を浮かべ。
「共闘、してるのね……」
「色々あったですぅ、キリールの団長いわく、依頼主が裏切ったとか言ってましたぁ」
マリナが来たことで緊張が解けたのか、クリスの口調が年相応な感じに戻っていく。それを見てマリナはクリスの頭を撫で。
「そう…………で、依頼主は誰かしら、野盗旅団団長、ジャコモ・デラー?」
「はっ、幹部様に名前を知られてるとは光栄さね」
「別に……」
冷たい視線。ジャコモですら、背筋がうすら寒くなる程の視線。それに対してふぅと一度息を吐き出し。
「ダニー・ブゼ、没落貴族様だよ………」
「ダニー・ブゼ………確か、領地の傲慢経営が仇になって、領地を追われた貴族でしたね」
「さぁ、過去の詮索はしない主義でね、そこまでは知らんさね………」
そう切り返してきた、ジャコモの目を覗き込むマリナ。すると。
「まぁ、構いません、で、その他の情報は?」
言いながら、腰の剣(魔導石の剣)に手をあてる。無言の威圧。ジャコモはそれを見て口元に笑みをたたえ。
「後は、エッカルト・カリエール、知ってるだろ、アンタならねぇ」
「えぇ、希少の特異能力者、確かモンスター使役士」
剣から手を離し、そのまま手を腰へ。思案顔を浮かべながら、マリナは視線を二三度宙を泳がせる。
「さて、どうするさね幹部様?」
対応をどうするかと、質問するジャコモ。すると。
「どうしようも………迫り来るオーガを殲滅して能力者を捕縛します」
「捕縛?」
「えぇ、捕縛です、コチラにも色々とありますので……」
捕縛、その言葉にジャコモが表情を曇らせる。が、マリナはいたって真剣だ。それを見て嘆息し。
「カリエールは剣士としても一流さね、オーガを捌きながらとなると、難しいかもねぇ?」
「共闘……するなら、協力して貰います………」
冷たい視線。それを見て頭を竦め、ジャコモは不満そうな表情を浮かべながらも捕縛の指示を了承する。
と、その時。何処かまだ遠くではあったが、魔物の咆哮が聞こえるのだった。




