要請!
閲覧有り難うございますm(__)m
毎度感謝感謝ですm(__)m
形勢。
コモス村にそれを的確に判断出来る者が、一体何人いただろうか。周囲を見回し、淳と純一の前には再度アドルノとアグーテが立っていた。
「ふっ、百人強の人員も半分以下か………」
「副長?」
「いや、団長が戦えない以上、戦力的状況はコチラが圧倒的に不利か………しかし!」
ジリッと、腰を落とし地面を踏みしめる。それを見てアグーテも戦闘態勢をとる。
が、その時、村の入口側その森の方で誰かしらの信号弾が上がる、色は赤。火急の危機を現す色だ。それを目にした瞬間、まずアドルノが反応し淳と純一に手の平をかざして一時的な休戦を呼び掛ける。
「都合がいい話かもしれなくすまんが、少し時間をくれないか?」
「時間?」
「あぁ、最悪君らにも関わる事だ………」
と、言葉を区切るとアドルノは背を向けてジャコモの方へと歩きだす、正直状況の飲み込めない二人であったが、コチラにも関係があると言われれば待つのも吝かではなかった。
取り敢えず戦闘態勢のまま、アドルノを待つ。
「ジャコモ………」
「アドルノかい」
「赤の信号弾だ、どうする?」
「そうさね、どうやらあの糞貴族様が動き出したんだろうさ………」
怪我に表情を歪めながらも、手を広げ首を傾げる。だが、貴族が動いたとなると少々厄介な事もある、その証拠に村の入口から団員が走り込んでくる。
肩で息を切らせ、団員は呼吸を必死に整えながら。
「団長、オーガです、オーガの集団が村に向かってます!!」
「なっ、話しが違うじゃないか!!」
一報を聞いてクラリッサが驚愕。声を荒げる。が、事は既に進み出している、多分どうやっても止まる事はない。ジャコモは少しだけ思案し。
「こっちも怪我人が多すぎる、奴らを相手に逃げるのは至難の技さ、ここは共闘するしかないと思うけどねぇ……」
「共闘………か」
「しかしどうでしょうか、襲撃したコチラを信じるでしょうか?」
ジャコモの意見に、アグーテが不安要素を述べる。だが、今はどちらにとっても時間はない、オーガの群れは最悪300はいる。
「そうさねぇ、信じる信じないよりも、どうやって、今すぐオーガが向かってきているのを説明するかさね」
「確かに、いきなりオーガの集団がって言っても信じる訳が無いだろうし、さて………」
クラリッサが腕組みし思案、それに習うようにして他も思案顔を浮かべる。が。
「まぁ、なるようにしかならんさね、アドルノ!」
「ん?」
「悪いけどアンタは無傷の野郎共連れて村の入口に展開、アグーテ!」
「は、はいっ!」
「アンタは魔導士を掌握して、村の正面に土壁を造成、クラリッサは悪いけど………」
「何?」
「肩貸して………」
何故か、キリールが村の為に動き出す。
「…………………」
いきなり動き出したキリールを眺めながら、淳は状況を飲み込めずにいる、と。それを背にして女性が二人コチラに向かってくる。一人は先程純一にやられた女性、肩口に包帯を巻き、血がにじみ痛々しそうだ。だが、淳の隣にいた純一はショットガンの銃口を二人に向けて警戒する。が、銃口を向けられた二人はさして動揺すること無く淳と純一の前に立つ。
そして。
「村の防衛に協力したいんだがねぇ」
「はぁ!?」
意味不明。しっくり来るその言葉を頭に浮かべ、珍しく淳が変な声を上げてしまう。それを聞いて提案したジャコモとクラリッサが口元に笑みを浮かべながら。
「言った通りさね、村の防衛に協力………」
「いえいえ、言葉の意味は解ります、しかし、いきなりですね、都合が良い以前の問題ですよ」
手をかざして首を振る。淳の意見も最も、今の今まで戦闘をしていた相手が、いきなり防衛に協力。怪しい以前に訳が解らないし、そもそも。
「防衛に協力?なら、敵はどこですか?」
そう言って、周囲を見回す。が、敵た言える存在はキリール以外には見つからない。
「仲間割れッスか?」
至極真っ当な意見。と、同時に純一のショットガンの引き金に掛けている指に力が入る。だが、ジャコモの表情に変化は無く。傷口を抑えながら。
「今しがたの信号弾は見たさね?」
「えぇ………」
「アレはこっちの保険でね、アタシらの依頼人が裏切って動き出したのさ」
「裏切った?また、にわかに信じがたい話しですね、証拠は?」
「ない………」
ハッキリと堂々と言い切るジャコモ。その目には一点の曇りも無い。が、そんな真剣な言葉で告げられても淳達には、はいそうですかと信じる事は出来ない、いや、出来るわけがない。
「なら、交渉は決裂ですね、僕達に貴女方の提案を聞き入れる事は出来かねます」
バッサリと切り捨てる淳。それを聞いたジャコモは頭を二三度掻いて。
「オーガの集団、それが迫ってるさね」
「集団……ですか?」
「そうさ、十や二十じゃない、その数三百」
「……………」
ジャコモの言葉、そしてオーガの集団。正直に信じる事は出来ない、それでも何故か、何処か引っかかる感覚。それはジャコモの目に惹かれる何かを感じたのからかも知れない。だがそれでもどうしても、協力態勢をとることは出来なかった。
そうして淳が頭の中で思案を巡らせていると。
「淳、どうするッスか、正直俺は何でか、信じても良いような気がしてきたッス、良くは無いとは思うんッスけど」
「純一………」
「正直、昌晃なら野生の勘みたいなのが働くと思うんッスけど、生憎今は回復中ッスからね、俺は淳の意見に従うッス」
ショットガンの銃口を降ろして魔導石に。そして、淳の後ろへと退く。
淳とジャコモ、二人の視線が絡まる。多分、村長やハイドゥ、クリス達に相談するのが筋だろうが何故か、何故か。
「全てを信用は出来ません、でも、村を守るだめです………」
決定的に信じられる証拠はない。でもそれでも村の為に淳は協力を受諾する。
〜コモス村南部森林区〜
「マリナさん………行けます!」
「では、少しオーガ共から遅れましたが、行きましょう!」
そう言って、マリナが走り出そうとした時。
「マリナさん、最短距離で、ここからならオーガ共より早く行ける筈です」
ラースが声を上げ、道の無い草むらをさす。それをみるなりマリナは。
「解りました………行きましょう!」
ラースを先頭に二人は森の中、道なき道に突っ込んで行く。




