みんな仲良く戦闘しましょう!
閲覧有り難うございますm(__)m
あらすじを少し変更してみました、ご報告しておきますm(__)m
「ジャコモ、大丈夫?」
「まぁ………ね、でもこういう時に回復士がいないのは痛いねぇ………」
血止めの止血剤を使い、回復士には到底及ばない応急の魔術治療を行う。その間も周囲では残存の旅団員が戦闘を行っている。
「魔石の方はどうなったかのねぇ?」
「魔石?現状、冒険者の相手に主力がとられて攻めあぐねてるよ」
「そうかい、歯痒いねぇ………」
傷口の痛みに、表情を歪めながら、ジャコモは舌打ちする。しかし、それを見たクラリッサは至って冷静に。
「大丈夫なはずだよ、アドルノもいるからね、ジャコモ、今は回復に専念しな」
「すまないねぇ………」
「団長はどかっと構えてなよ」
若干弱気のジャコモに、クラリッサが心配するなと声をかける。
〜淳対ベンソン〜
「ふっ!!」
気を入れて、鎖鎌の分銅を投擲。空を切る音を残して分銅は一直線にベンソンへ。
「直線的………」
剣で落とす事はせず、ギリギリを通り抜けベンソンは淳へと距離を詰める。そのスピードは早く、無駄が無い。が、迫るベンソンを前にしても淳の表情は変わらない。
「分銅、ただの分銅じゃありませんよ」
飛んでいった分銅、ベンソンは気にすること無く進む、しかし、淳がクイッと鎖を引っ張った瞬間。分銅が急転回しベンソンの背中に強襲。鈍痛が鎧越しではあるがベンソンを襲う。
「がっ!?」
鎧にめり込む分銅。バランスを何とか保ちながらも、淳から一瞬視線を切ってしまう。すると、今度は一気に距離を詰めかえした淳が鎖鎌を振り上げる。ギラつく鎌の先端。そして、一気に振り下ろされる。が、狙ったのは最短距離の肩口や頭部では無く剣を持つ腕。しかし、バランスを立て直すには十分な時間。ベンソンは直ぐ様タックルを食らわせる。
「腕を狙うとは舐められたモノです!!」
今度は逆に体勢を立て直したベンソンが、真横一文字に剣を振るう。力の篭った一撃、淳とは違い剣に迷いが無い。
「くっ……」
歯を喰いしばり、鎖鎌の鎖で後退すると共に剣を受ける。勿論迷いの無い一撃は容赦の無い衝撃を淳に与え、勢いのまま吹き飛ばされ地面を転がる。
「甘いですね、今の一撃、加える場所さえ間違わなければ、こっちがやられていた筈です」
「………………」
「甘いですね、さっき団長にやられた奴しかり………」
と、そこで言葉を区切ると、ベンソンは動き出す。今度は分銅を投げる暇も与えずに近距離へ。が、淳も負けてはいない。至近距離なら小回りの利く鎌も十分に渡り合える。鎌で剣戟を絡めとりバランスを崩した所を、再度鎌で。が、ベンソンも攻撃を鉄製の籠手で受け止める。ガンッ。と、言う音と衝撃を受け止め。片手で剣を握りしめそのまま突きを繰り出す。
「!?」
咄嗟黒スーツに魔力を追加投資して身体を守る。ベンソンの切っ先がスーツの腹部に当たると共に火花が散り、同時に身体を捻り、突きの衝撃を後方に逃がす。
「………ただの服じゃありませんね?」
「まぁ、企業秘密ですよ」
言葉を交わしそこまで。突きの威力を後方に逃がされ一瞬の硬直。淳はそこを逃がさずに膝の一撃。ベンソンの顎を跳ね上げる。
「くそっ…………」
ダメージが頭部を突き抜け、目の前にチカチカした光が瞬く。一瞬天地が解らなくなり思考が停止。そして、トドメの一撃、上段からの踵落としがベンソンの後頭部を捉え、地面に沈める。
「………勝負ありですね」
地面に倒れピクリとも動かないベンソンを眺めながら、淳が勝利を宣言するのだった。
〜コモス村から離れた森林区〜
「くっ………!!」
オーガの持つ鉈を回避。力任せに振るわれるそれは、空を切り裂くだけで、その威力を彷彿とさせる。だが、動き自体はそれほど早くはなく、魔術で身体強化をかければ、何とかなるモノであった。だが、流石に四体相手は辛いモノがある。
舌打ちしながら、ラースはこの場を切り抜ける術を頭の中で必死に思案する。
「オーガ四体何て、B級パーティーの相手じゃないか!」
身体強化で攻撃を回避し反撃を加えるものの、ラースの一撃では対したダメージにはならず皮膚とその下の肉を抉る程度。それに反比例して緊張と身体強化の魔術使用からラース自身の疲労は目に見えて溜まっていく。頬を汗が伝い、背中を嫌な汗が流れる。
次第に疲労は表面から浮かび上がり始め。肩で息を始める。と、その時、後方からのオーガに気を取られた隙に、前方からのオーガが鉈を振り上げ一撃。
(不味…………いっ!?)
咄嗟、身体強化を最大出力にしてオーガの一撃を剣で受ける。
「ぐっ……………!」
剣が衝撃を受け、それがラースの全身を伝う。その刹那身体の自由が利かなくなる。
(スタン!?)
頭の中で不味いと思うも、意思の力に反して身体は動かない、何とか身体強化が利いていたことも幸いして、次のオーガの蹴りを受けても致命傷は免れるが、大木に叩きつけられて完全に動きを止めてしまう。
「あぐぅ…………………」
痛みと絶望が頭を支配。既に戦闘をしていることすら考えられなくなってしまう。
このままやられるのか、やっとツィラにブロポーズ出来たのに、こんな所で。
そう思い、何も出来ない自分への悔しさと後悔を滲ませ、覚悟を決めた正にその時。
「諦めないで!!」
何処からともなく声が響き、ラースは大木から引き剥がされそのまま地面を転がる。いきなりの出来事、何が何やら訳が解らないモノの。
ラースはまだ生きていた。
そして、ラースの前に現れた、赤を基調とした鎧を着る剣士。
剣士は、瞬く間にオーガ共を屠っていく。まるで剣舞でも舞うかのような流れる動きで。流麗で華麗。誰が見ても見惚れてしまいいそうなその剣士は、女性だった。
「私は、希望の翼幹部、マリナ・レイヴァンス、コモス村への増援として来ました」
凛とした声。金髪のセミロングの女性はそう言ってラースに手を伸ばす。その手をとりながらラースは徐々に意識を取り戻しそして。
「オーガ共の集団が…………大量の………」
と、そこまで言ってマリナの指がラースの唇に添えられる。
「大丈夫です、村には三人がいますから」
「しかし、多勢に無勢………」
「えぇ、そうであったとしても私達も向かいますから、これを」
回復薬を差し出す。
「とにかく、今は回復に専念して、直ぐに向かいましょう」
流石に、シャリオトップクラスの旅団員、発せられる言葉には言い知れない安心感があった。そう、今はコモス村の面子に全てを託すしかなかったのだ。




