幌馬車と重機関銃
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朝、時間は10時過ぎ、結果的にコモス村は戦闘状態に突入していた。
「この破裂音、戦ってるのは淳か純一だな」
遠くに聞こえる銃声を耳に昌晃が呟く。と。
「まず偵察を行います」
そう言って、クリスが探査の魔術を発動。コモス村を遠視で確認する。
「戦ってるのは淳君……敵は町の入口に十数人、後は村を囲む様に百程………後はいないみたい」
敵味方の区別を続けながら、クリスは人数を把握していく。それにしても野盗旅団の割り、にかなりの大所帯だ。
「さて、数は解ったけど、どう攻めるかだね?」
「そうだな、こちらは現状7人、コモス村にまだ戦力はいるだろうが、それでもかなり苦しいだろうな」
コンツェンに続いてカモメ団長のカナリス、冷静に戦力分析を行う。
「やはり、先ずは村の冒険者と合流でしょうか?」
「だが、現状そうもいかんだろ、周辺には百人からの敵がいる、無闇に突っ込んでも乱戦になって押し潰されるのがおちだろう」
「しかし………」
ブフナーの言葉にリッチェルが反応する、確かに百人が相手では分が悪すぎる。
「でもさぁ、このままここで手をこまねくのもねぇ、どうするクリスっち?」
セミロングの茶髪を弄りながらアベーユ。が、問われたクリスも腕を組んで思案顔を浮かべる。
無言で時が流れる。誰の口からも、現状打破の意見が出てこない。と、その時。
「行くしか無いじゃねぇの!?」
無言を貫いていた昌晃が、以外な一言。
「ぽ、ポンコツ!」
「だってそうだろ、こっちゃ7人あっちは百人、ヤケクソじゃねぇけど、こっちにはA級が四人もいるんだ、博打を打ってみる価値はあるんじゃないの?」
身振り手振りで全員に発破をかける昌晃、確かにA級が四人、突っ込む価値はあるのかもしれない。
「でも、乱戦になったとしたらどうする気、村人もいるのよ!?」
「それは大丈夫だろ、ジャリ、お前も言ってたけど村の冒険者が避難誘導してたんだろ?」
「え、えぇ………」
「まぁ、乱戦になった時のリスクは残るけど、ジャリの探査の様子なら、何かしらの理由で野盗は村人を襲ってねぇんだろうな、なら行く価値はあるんじやねぇかな?」
「確かに、一理あるな、なら攻め手はどうする?」
今度は、五厘頭を撫でながらカナリス、表情は何処か楽しげだ。
「まぁ、全員でバラけて走って突撃ってのもしまらねぇし、ここは幌馬車で一点突破といきましょか」
「一点突破って、ポンコツ!?」
「まぁまぁ、クリスっち落ち着いて」
「ミリアム……」
「まぁ、藤堂っちの一点突破も本当に博打感否めないけど、今は時間も無いし、それで行くしか無いんじゃないかな?」
クリスを宥めながら、アベーユが全員に視線を向ける、勿論誰にも異論は無く、最後に。
「無謀な作戦だけど、決めるのはパーティーリーダーのクリスっちだよ、どうする?」
最後の決断をクリスに委ねるアベーユ。少し表情を曇らせながらも、一瞬だけ思案顔を浮かべ。
「了解、ここまで来て村を見捨てる何て出来ないし、ポンコツの作戦で行きましょう」
「ポンコツは余計だ、ジャリ」
「ジャリじゃ無いですぅ、クリス・パーロンズです、ポンコツ!」
「はぁ!」
「何ですか!」
「まぁまぁ、二人とも落ち着いて……」
苦笑いを浮かべるアベーユ。勿論、他のメンバーも苦笑い。
そして、準備が始まる。
「幌を外して、藤堂っち、馬には?」
「あぁ、防音の魔術を掛けてくれ念入りに!」
幌を外した荷台に、何やらゴツい黒光りする物体を据える。どうやら昌晃の魔導石の武器らしいが、魔導武器を自在に変化出来る事を知らなかった、カモメ旅団の二人は、唖然としている。
「何と言うか、凄いな…………」
「ん!?」
不意に出た言葉に、昌晃が反応。だがそれ以上の追及は無い。と、そうこうしている内に馬車が出来上がる。
「よしよし、最後に荷台にしっかり固定して、出来上がった幌馬車キャリバー50搭載型」
どや顔の昌晃、世にも珍しいキャリバー50搭載型幌馬車の完成であった。
「じゃあ、御者さん達には隠れてもらって、何かあればシャリオのギルドに………」
クリスが今後の事と、ギルドへの言伝てを頼み、全員が馬車の荷台に乗る。御者台にはリッチェルとカナリスが乗り込む。
「最後に、ミリアムは御者台二人の防護障壁を」
「了解、クリスっち!」
「コンツェンさんは、後方の警戒で」
「解りました、任せて!」
「ブフナーさんはミリアムの護衛で」
「わ、解りました、全力を尽くします!!」
クリスが指示を終えると同時に、ゆっくりと幌馬車が動き出す。
「ちなみにキャリバー50の銃弾は非致死性の弾丸だぜ!まぁ、当り処が悪ければただじゃすまないけどな」
「誰にいってんの、ポンコツ?」
「はぁ!?まぁ、色々だよ色々………」
ガタガタと悪路を走り出す幌馬車、昌晃につっこむクリス。何故か緊張感が不足気味な気がする。が、それでも馬車は走り出す、コモス村へ。
〜コモス村〜
「貴方が村長で?」
「そうじゃ、コモス村村長コジーモ・アモン」
齢70を超えるアモン。革の鎧を身に纏い、右手には細身の剣を持っている。アドルノはそれを目を細めて見つめ。
「その格好、こちらと一戦交えるつもりでしょうか?」
「そうじゃな、現状ワシしかおらんじゃろうて」
苦笑いを浮かべ、アモンが剣をゆっくりと前に出す。が。
「村長、私としてはアレを渡して頂ければ引き下がっても良いと思っていますが?」
「アレ………とは?」
言われてアモンが惚ける様に首を傾げる。
「…………あくまで、おとぼけになると?」
一度息を吐き出し、アドルノは何かを思案。勿論、相手が老人と言っても武装を解除することは無い。
「さてな、この村には野盗旅団の欲しがるものが有るとは思えんのじゃがの?」
「そうですか、元冒険者のコジーモ・アモンさん、貴方が現役時代に貰ったもの、正にそれなんですが?」
「貰い物?」
「あくまで、知らぬふりですか………まぁ、良いでしょう、生命の魔石、それを渡して貰えますか?」
刹那、アモンの表情が歪む。
「それは出来ん相談じゃ………」
「そうですか、なら実力行使しかありませんね?」
ジリッと戦闘姿勢をとり、場の緊張感がはねあがる。アモンもそれを見て覚悟を決める。
と、その時。
ドンドンドンドンッ!腹に響く重低音、二人の間に走った緊張感を切り裂いて、ぶち壊すのであった。




