土曜日で良かった
閲覧有り難うございますm(__)m
次の日仕事の日曜日は、ゆっくりしたいですよね
見ていて解った。
シャリオから来たあの青年がやられた瞬間。自分達ではあの野盗の副団長を止められないことに。悔しさに歯を噛み締める。
そして、現状それは、敗北を意味していた。
〜少し遡り金曜日夕刻〜
「うぃす、姉御!?」
事務所の扉を開け。挨拶と共に現れたのは昌晃。
「いやぁ、今日はフルで授業でよぉ参ったぜ」
荷物を自分の事務机に置き、各々の出退勤の札がある所に視線を移すと、淳と純一の札が出勤になりホワイトボードに任務中と書かれていた。
「二人とも任務中か、あぁ、俺も授業が無かったらなぁ」
と、愚痴をこぼしながら買ってきた缶コーヒーに口を付ける。
「そういや、岬も………てか5時過ぎてるし帰ったか……」
そう思いながら、改めて事務机の椅子に腰かける。別に何をするわけでも無いが、暇なので買ってきた週刊漫画を読み始める。
「にしても姉御はまたヴォバックの方か?戸締まり位しとけよ、このビルも一様他にもテナントがはいってるんだし………」
ペラリ、ペラリとページを捲りながら、誰もいない事務所で暇を潰す。時計の秒針が時を刻む音が部屋に響き、しんと静まりかえっている。
「……………」
無言。当たり前だが何も無い。ヴォバック側の入り口も通常の事務所入り口にも来訪者が訪れる気配は無い。
「平和だねぇ……」
缶コーヒーを一口飲み、漫画に視線を戻しながら一言。ページを捲る手は止めずに、今この瞬間を満喫する。
と、その時、ヴォバック側の扉がゆっくりと開かれる。勿論いるのは事務所の店長マリアだ。
「ちぃす、姉御!」
漫画を机に置いて、手を振る昌晃。それを視線で確認してマリアも手を上げる。
「あら、昌晃来てましたの?」
「まぁな、明日は土曜日だしな、てか、淳と純一は任務中かよ?」
そう言って、出退勤の場所にある札に視線を向け、マリアに質問する。すると、問われたマリアは若干表情を曇らせ。
「昌晃、明日は休みですのよね?」
「お、おぅ、休みだけど」
「任務にはつけますの?」
「はぁ、まぁつけるけど、また突然だな」
と、一呼吸入れるのに缶コーヒーを飲む。マリアもそれを待って、次の言葉を紡ぎ始める。
「二人の任務先が、少し雲行きが怪しくなってきましたの?」
「雲行き?」
「えぇ、二人の任務はコモス村へ商隊を辻斬りから護衛することでしたの」
「でしたの………って何かあったのか、二人に?」
マリアの言葉に昌晃が反応、が、正直あの二人が命の危機に陥るイメージが中々に見えて来ない。
「二人に直接何かがあった訳では無いですの、でも、向かっている村に危機が訪れていますの」
「いや、そもそも危機って何んなんだよ、村に何があるってんだ?」
危機危機、漠然とし過ぎて昌晃にはもう一つ危機の実感が無い。だがそれでも、仲間の行き先に危機が迫っているならば行かなくてはならない。
「まぁ明日は休みだからな、行くよ、で、何時から行くんだ姉御?」
「出来れば、今すぐにでもとの事ですの」
「そりゃまた急だな………まぁいいや、でもよ相手は!?」
そう言って、ロッカーから黒スーツをハンガーごと取り出しつつ、マリアに相手の事を問う。行くのは構わないが、相手の情報は多いに越したことはない。規模やどの程度の実力か位は知っておきたい。すると、マリアは手にしていた資料に視線を落とし。
「一様の情報ですけど、相手は野盗旅団キリール、構成団員は100名前後らしいですの」
「100名前後………またまた大所帯だな」
「でも、キリールが相手だとしたら、団員もだけど、団長や団幹部連には要注意ですわ」
「そうなん?」
「えぇ、旅団崩れだけど、幹部連はA級クラス以上な猛者ですわよ」
「おはっ、そりゃまた逸材揃いですなぁ」
マリアがいるが、あまり気にせず着替えを続行。その間も情報を聞いていく。
「とりあえずアレだな姉御、見付けたら殲滅、サーチアンドデストロォォォォイだな」
「サーチアンド…………まぁ、出来るならやって下さいまし……」
「おぉよ!!」
と、最後は若干グダグダ気味になったが、昌晃の準備が完了。
「姉御、向こうではユリさんか?」
スーツの襟を正し、向こうでの任務の受注相手を聞く。
「いえ、既にギルドからの任務は、希望の翼が受注してますの、そのまま酒場へ、コモス村に行く旅団員が準備して待っているはずですの」
「マジっすか、なら急ぐとしますか」
と、事務机の缶コーヒーを飲み干しヴォバック側の扉を開く。
「じゃあ行って来るぜ姉御!?」
「お気をつけて」
手を振り見送るマリア。それを背中に感じながら昌晃はヴォバック側へと移動する。
しんと静まりかえる事務所。今度は逆に残る形になったマリア。しかし、表情が変わることはなく、自分の事務机に腰かけ。
「さて、残務処理ですわね…………」
と、机の上にあった書類に目を通すのであった。
〜希望の翼 拠点ロックフリー酒場〜
時間は7時頃、昌晃はシャリオにつくなり直ぐに酒場へと向かう。書く言う昌晃も実は一杯引っ掻けている。
「ぷはぁ、良いねぇ、ヤッパリ缶ビールだねぇ」
日本のビールをヴォバックに。急ぎだけども、ビールを煽る昌晃。こっちの世界は成人が15ですので、誰も見咎める事はない。
「ヴォバック良い所、一度はおいでませぇ〜」
若干アルコールが効いているのか、昌晃のテンションが高め、と、そうこうしている内に酒場へと到着、そのまま入口をくぐる。
「ちぃす、今回は宜しくお願いします!!」
軽く手を上げて挨拶。入った酒場には何時もの旅団員が何時もの場所に陣取って酒を飲んでいる。
「おぉ、昌晃じゃねぇかよ、任務か?」
「だな!」
「まじか、じゃあ奥に集まってるみたいだぜ、早く行けよ!!」
「うぃ〜」
缶ビール片手に手を振って酒場の奥へと。薄暗い通路を抜け、奥の一室。旅団専用の作戦室へと入る。
「ちぃす、藤堂入ります………」
「遅い、ポンコツ!!」
昌晃の言葉に、切り返す様に言葉が帰ってくる。そこにいたのはクリスだった。




