野盗旅団 副団長
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「くたばれっ!!」
「そう言う訳にはいきませんねっ!」
上段からの一閃を盾で受けいなす。そして、相手の崩れた所に突きを見舞う。が、突きはベームの胸を守る鎧に阻まれそのまま押し退ける様に吹き飛ばす。村の路面を転がりベームは十メートル程後退する。
「……………」
「………クッソ油断したぜ、飛び道具ばかりと思ってたら近接装備にも変化しやがんのか、その非常識な魔導石はよ!?」
「非常識?失礼ですね、変化に富むちょっとお茶目な魔導石ですよ」
「それを非常識ってんだよボケッ!!」
そう言いながら、互いに再び戦闘姿勢をとる。
激突。
剣がぶつかり合い、鈍い音と火花が飛び散る。一合二合と更に剣がぶつかり、両者絶え間なく攻防が入れ替わる。黒スーツの淳と鎧装備のベーム。何処か歪な光景は両者の戦闘で塗りつぶして行く。
「オラオラァッ!!」
「勢いありますね、僕は貴方見たいになれそうにもありませんよ」
「言ってろ糞ガキ!」
大振りの横凪ぎ。風を摩擦で焼くかと思うほどの攻撃は何の迷いもなく淳の首を狙う。
「殺す気満々ですね、怖いですよ」
「戦闘だぞ、殺す気なんて当たり前なんだよボケッ!」
飄々と、しかし冷静に半歩後退。ベームの攻撃を交わし今度はがら空きになった肩口に上段からの一撃。肩の鎧がへしゃげバランスを崩し膝をつく。
「がっ…………!」
「おいおい、ベーム圧されてるぞ!!」
「シャキッとしなよ!」
片膝をついたベームに外野が声を荒げる。それと共に剣や盾をぶつけ、ガチャガチャと煽り立てる様に音を立て始める。
「クソックソッ………この俺が膝をつくだと………こんなふざけた糞ガキに………遅れをとるだと」
へしゃげた肩口の鎧に手を当て、ベームは歯を食い縛る。
「オイオイ、ベームもう終わりか!?」
「おら、相手は1人だぞ!?」
「最初の威勢はどうしたオラァ!?」
外野の野盗が更に煽り立てる。その間、淳は仕切りなおす様にベームと距離をとる。
更に周囲では、村人が常駐の冒険者の誘導で、集会場の方へと退避を行っている。幸いに約定通り未だに野盗が村人を襲う気配は無い。
「あぁっ!?まだ殺るに決まってんだろが、クソボケッ共、黙ってみてろ!」
「なら、早く戦え!」
イケ、イケ、イケ、イケ、イケッ!!剣や盾を叩き付け、更に音を立てベームを煽り立てる。
「オラァ、行くぞ!!穿て、蒼の槍!!」
声を荒げ、魔術を構成。水で形どられた鋭利な槍がベームの周囲を覆い、発動。十数のそれは真っ直ぐに淳へと襲いかかる。
勿論、迎撃する淳も余裕は無い。魔術障壁を展開。剣で切り裂き、盾で防ぎ。それでも防ぎきれないものは全力回避。紙一重のそれを続けながらも次々と襲い来る水の槍に対処を続ける。
「ならっ、これならどうです、土壁!!」
流石に現状では限界を感じ、正面に巨大な土壁を展開、ドンッという鈍い音を立てて土壁は水の槍と共に消滅する。が、激突の衝撃は激しく、爆音と共に水飛沫と土煙が辺りを覆う。
目隠し。
どっちに対しての有利かは解らないが、土煙が次の戦闘のステージへと誘う。
「だらぁっ!」
煙を突き破り現れたのはベーム。両手で剣を握り締め突っ込んでくる。それを視認した淳は迎撃姿勢をとる。
再び激突。が、今度は態勢をとったものの、少し遅れた淳が防戦に回る。重い一撃が盾にぶつかり、一合毎に一歩二歩と後退を余儀なくされる。鈍い衝撃が身体に響き、一撃一撃が内臓を襲う。
「くぅ………!!」
呻きながらも隙を伺う。しかし、手数の多い無い連撃は、淳を否応なしに防戦に縫い止める。
ガンガンッ、盾にぶつかる鈍い音がベームの気迫を物語る。
「オラァッ、まだまだ行くぞっ!!」
怒声を上げ、ベームは剣の柄を更に握り締め一撃。ガン、がゴンッに変わり、今度は淳が衝撃に膝を折りそうになる。
「う、流石にこれは………」
「はっはぁ、まだまだ行くぞコラァッ!!」
一撃。折れかけた膝が更に沈む。防戦が更に防戦をよび淳の防御が次第に雑になっていく。それを見たベームは不敵な笑みを浮かべ。
「チェックメイトか、存外最期はあっけねぇなぁ、なぁ糞ガキ!?」
上段、ベームの剣が魔力を帯び必殺の一撃。ただの一閃だが今までとは威力が違う、完全に決着の一撃だった。が。
「残念ですね、僕も追っかけリーチです」
刹那、片手剣が小型の拳銃に変化。発砲。破裂音が響き。ベームの剣を持つ手を貫く。
「ぐぁっ!?」
咄嗟に声を上げ剣を手放す。手には風穴、ベームの表情は苦痛に歪む。
「クソッ………」
貫かれた手を抑え後方へ。と、その時、横に旦那と呼ばれた男が立つ。ベームは苦虫を噛み潰したように旦那に視線を向ける、と。
「気は済んだかベーム、そろそろ団長も合流すると思うが、どうする?」
「だ、団長が?」
「そうだ、近くまで来てるはずだがな、さぁ、どうする、まだ醜態を晒すか?」
「うっ…………わぁったよ旦那…………」
手を抑え、悔しさを含めた視線を淳に向ける、が、向けられた本人は飄々と視線を交わし早々に旦那と呼ばれた男に視線を向ける。
「ボスですか?」
「今は……だな………しかし」
村の周囲に視線を巡らせ、最後に野盗のメンバーを見回し。
「もうすぐ本物が到着するさ、が………その前に」
刹那、淳の背筋に寒気、そして。
「俺も遊ばせて貰おうか」
「遊ぶ?」
「言った通りさ………さぁ、行こうか!?」
腰を落としタメを作った瞬間、一足跳びに距離を詰める。その速さにぎょっとする淳。迎撃態勢をとろうとするが、それよりも速く攻撃射程に。
「名乗りがまだだったな、俺は野盗旅団キリール副団長、アヒム・アドルノだ!」
無手では無く、接近した瞬間に魔導石を変化。拳に光が収束。光が収まると拳にベアナックルが装備される。
超至近距離、アドルノが口元に笑みを浮かべ腹部辺りを沿わす様に淳の顎を打ち上げようとアッパーを放ってくる。
「うっ」
咄嗟に上体を反らしバックステップ、アッパーが空を切るのを視界に納めながら、手に持っていた拳銃を発砲しようとした正にその時。
今度はもう片方の拳が顔面を捉えようと一直線に襲い掛かってくる。
「コンビネーション!?」
発砲を止め、更にバックステップで後方に、が一直線のストレートを交わしきれないと判断するや両腕をクロスして防御。ベアナックルの打撃から来る衝撃がもろに淳を襲い。受け切れなかった衝撃で勢い良く後方に。
「痛っ……………」
腕をクロスしたまま、淳は隙間からアドルノを凝視。凝視されたアドルノは少々驚いた表情を浮かべ。
「今のコンビネーションを交わして受けるとは…………中々どうして、だが」
ボクサーの様にファイティングポーズをとるアドルノ。戦闘は継続される。




