続 二日酔い
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〜コモス村 酒場〜
「くそっ、ハイドゥさん……」
「あぁ、ヨナス、行けるか?」
「えぇ、何とか八割は回復」
「よし……どうやら、外ではすでに戦闘が始まってるようだ、村の常駐の俺らが二日酔いで出遅れるたぁな、回復した奴から行くぞ!!カルツ引き続き回復の方を頼むぞ!?」
「了解、隊長!」
解毒の魔術を持つ仲間を残し、常駐冒険者の二人は酒場の外へと飛び出す。
〜コモス村 周囲森林〜
「そぅら、目を回してる場合かい!?」
両手に持つ、魔導石の武器と思われる短刀。それを振りかざし、現れたのは女性だった。
「グぇっ……………」
餌付きながらも短刀を回避、が喉元に迫る吐瀉物が純一の動きを鈍らせる。
「ほらほらぁ、動きが鈍いったらないさね、二日酔いの坊っちゃん!!」
初手で飛び道具と見切られ、女性は短刀で肉薄して攻撃を続ける。右左、上下と変幻自在の短刀捌きが徐々に純一を追い詰める。
「グぇっちぃっ!!」
毒づきながら純一は脚に魔力を集中、爆発的スピードでバックステップを踏む。その最中、サブマシンガンを変化させ拳銃に。そのまま、発砲。パンッパンッ。今度は単発ながら渇いた破裂音が響く。
「手を変え品を変え、アンタは手品師かい!?」
防御障壁を展開、そのまま弾丸を弾く。が、今の純一には貴重な一瞬、拳銃を更に変化。
「気持ち悪………近接戦闘用の……火器っすようぇぇぇ……………」
両手でショットガンを握り締め発砲、ズドンッ。と言う爆発音にも似た音と共に、散弾がばら蒔かれる。
「なっ!?」
いきなり、しかも広範囲の攻撃に女性は動揺、急制動からの障壁を展開させ散弾を防ぐ。が。
バキンッと割れる音と共に散弾が襲いかかる。
「くっ!」
更に障壁を展開するも、今度は障壁ごと女性を吹き飛ばす。それを見た純一は、畳み掛ける様に一歩二歩と接近。ショットガンを更に二発発砲する。
ズドンッズドンッ。ばら蒔かれる散弾。拳銃やサブマシンガンの弾丸と違い、粒の様な弾が広範囲に襲いかかる。女性は更に防御障壁を展開し距離をとろうとする。何時しか防御一辺倒になっていく。
「ウエ………」
「吐きそうな坊っちゃんに、劣勢を強いられるとはねぇ、何か屈辱さね!」
バックステップで、左右に素早く回避行動をとりながら、女性は一旦木々を盾にしながら距離をとる。
(……………中々どうしてっスね……)
心中でそう思いながら。ショットガンを胸元に構え、純一は女性の動きを追う。しかし、ショットガンの攻撃を見るや距離をとる。どうやら女性はショットガンの必中距離を一見で見切った様だ。
「中々どうしてさね、二日酔いの癖に、良い武器じゃないか坊っちゃん!?」
身を隠し、女性の声だけが森に響く。それを聞きながら、純一は魔導石の武器を再びサブマシンガンへと変換する。
トタタタタタッ!!
発砲。気配に合わせ銃口を流して行く。火花が迸り、煙が立ち上る。が依然として相手に当たる様子はない。
「はっ………やるじゃ無いのさ、その武器は厄介だねぇ…………」
何とか近距離に近づかれるのは避ける。が、次の瞬間、純一の背中に激しい鈍痛。
「がっ…………!?」
「固いねぇ、ただの黒服かと思ったんだけどねぇ」
純一の黒スーツに視線を落とし、そのまま倒れる瞬間に蹴りを入れ込む。
「グッ…………エぇぇぇぇ…………」
常時展開の防御障壁のお陰で致命傷は避けたが、そう避けたのだが。
とうとう、ゲロってしまう。
「うぇぇぇ……………」
今まで我慢していたぶん、景気良く吐き出す。
そう、吐き出す。
その時間一分程。巨木に手をつき、下を向いて景気良く。
勿論相手の女性は、何故か待ってくれている。
「おぅおぅ、景気良いねぇ坊っちゃん、それはそうと胃は空っぽかい?」
「えぇ、ネェさんが蹴ってくれたお陰ッすよ………」
嫌みを込めて返事を返すも、女性は不適な笑みを浮かべ二三度頷く。
「なら、戦闘を再開しようさね」
手に持つ二刀の短刀。再度正面に立って女性は純一と仕切りなおす。
〜純一が盛大にゲロを吐いていた頃〜
(援護射撃が止んだ…………)
二人程の野盗を行動不能にしてから。射撃が止む。どうやら純一の方でも何かあったのだろう。淳はその事象を意識の外に押しやり、目の前の相手に再度集中する。
「ふはっ、援護が早々に止んじまったなぁ、どうしたんだろうなぁ」
攻撃の止んだ事に、薄気味の悪い笑みを浮かべるベーム。だが、その余裕に引き込まれる淳ではない。ペースを乱されぬようしっかりと冷静さを保つ。戦力差は未だに圧倒的。だが、こちらにも何とか二日酔いを解毒の魔術で回復したコモス村常駐の冒険者が二人合流する。
「はっ、たった二人の増援かよ、ちゃっちぃなぁ、それでこっちをどうにかするつもりかよ!?」
更に余裕の声音。ベームの言葉が尊大さを増す。が、それでも淳の冷静さは崩れない。そして。
「お二人は、村人な避難誘導をお願いします」
「しかし、相手は…………」
「大丈夫ですよ、あれらは一対一が崩れない限りは動きません、それはあちらの方が保証していますから」
そう言って、ベームでは無くその先の男を指差す。すると、指された相手は一度だけ口元に笑みを浮かべる。
「さぁ、お願いします………」
言った刹那、魔導石を片手剣と盾に変化させる。
「行きましょうか!?」
淳が腰を落とし、どっしりと構える。盾を持った手を出し挑発する。
「ほぉ……………こんクソガキャ………」
挑発されて、苛立つベーム。だが、優位を保っている分冷静さは保っている。
そして、激突。




