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研修の終わり

閲覧有り難うございますm(__)m



藤堂 昌晃


千鳥 淳


時任 純一


そして、その他の生き残りメンバーは捜索隊に護衛されニシノ要塞の門をくぐる。くぐった瞬間の安堵と安心感は言い知れなあものがあった。


「生き残ったっすね」


地面を見つめ純一。


「あぁ……」


相槌をうつ昌晃。


「途中からでしたが……」


苦笑しながら淳。


それぞれに思い思いの言葉を紡いで、ニシノ要塞の各所から生還を喜ぶ声に答える。と、その時、正面から一際存在感を発する気配を感じ三人は視線をむける。


「無事で良かった………」


第一声、そう安堵の言葉を発したのは希望の翼団長、フランチェスカ。その横には副団長のゲオルグに幹部のマリナもいる。三人はこちらを確認すると足早に近より笑顔よりも先に複雑な表情を浮かべ。


「救出が遅れてごめんなさい………」


まずフランチェスカが謝罪する。


団長の謝罪に当然困惑する希望の翼の面々、だが。


「団長は最後まで救出隊を編成するべきと訴えたんだがな、様々な諸事情でどうしても編成が出来なかったんだ……」


謝罪するフランチェスカをフォローする副団長ゲオルグ。勿論その事に関して追求や非難するつもりもない面々は。


「団長さん、謝らないでください、戦場にでた時点で覚悟はしていましたから、団長が謝罪する必要はありませんよ」


微笑を浮かべ淳が代表して言葉を発する、勿論他のメンバーもその言葉に賛同して頷く。


「みんな………」


と、フランチェスカが言葉を紡いだ刹那。他の旅団員がいる場ではあるが急に昌晃が声を張り上げる。


「おいっ!テメェ!!」


バっと、指を指し、一人の男を睨み付け。


「よくもあんな真似してくれたなぁ、お前のせいで出ないで良い犠牲が出たんだぞ!」


そう、それは冒険者ランクS級のラグナ・ラグーナであった。しかし、ラグナはさして困惑した様子もなく。 だた首をかしげ。


「何を、魔族から君達を護ってあげただろ、感謝こそされ文句を言われる筋合いは無いと思うけど?それとも、森に置いて行ったことかな………」


そこまで言ってラグーナは口元に笑みを浮かべさも迷惑そうに視線を向け。


「君達も冒険者であり、旅団員なんだろ?ならあそこで置いていかれても文句はあるまい、僕は僕の仕事をしているんだ」


「なっ……!?」


「そうだ、君は確かフランチェスカの所の研修だったかな、ならそんな甘い考えは捨てるべき………」


刹那、昌晃が日本刀を振りかぶり、ラグナに襲いかかる、いきなりの事で周りは反応できず、成り行きを見守る形になる。が、襲われたラグナはやれやれと言った表情を浮かべ。


「フランチェスカの旅団の研修と思って今の言動も黙って聞いていたがこれは躾が必要かな!!」


と、語尾を言い切るか言い切らないかの所で昌晃が強襲、肉薄する刀身を怠そうに見つめ。


「格の違いを肌で感じるんだね…………」


そこで短く息を吐き出すと、流れる動作で日本刀の一撃を回避し、そこからの一撃。なすすべ無く顔面を強打され昌晃は数メートル地面を転がり動かなくなる。


「「昌晃!?」」


いきなりの事に淳、純一が驚きながら倒れる昌晃にかけよる。が、それを見たラグーナは。


「研修の分際で良くも挑んでこれたね、その気概に免じて一撃で沈めてあげたよ、S級の力少しは理解出来たかい?」


蔑むような視線を向けラグーナはゆっくりと背をむける。そして。


「フランチェスカ、君もこんな質の悪い研修はそうそうに切るべきじゃないかな、君なら僕の旅団ヒルティが副団長待遇で受け入れてあげるよ」


全然関係の無い事を言いだしフランチェスカの肩を抱こうとするが、フランチェスカはそれをするりとかわし。


「切る切らないは団長の私が決めることよ……他旅団の貴方には関係ないわ」


冷たい眼差しでラグーナを睨み付け、フランチェスカは昌晃達の方へと近づいて行く。




「藤堂君よね、ラグーナの攻撃をマトモに顔面に受けたけど大丈夫かしら?」


未だに伸びている為に、フランチェスカは他の二人に声をかける。


「頑丈ですし、大丈夫だと思います……」


「確かに、昌晃は近接戦闘超特化の魔導剣士ッスからねぇ、防御力は半端ないッスよ!!」


淳が昌晃の頭を小突きながらフランチェスカに無事を伝える。それを聞いてフランチェスカも安堵の息を洩らし。


「流石は異世界人かしらね……」


「正確には日本人ですけどね……まぁ、この世界ではありませんが」


微苦笑を浮かべ肩を竦める淳。それを見て軽く頷き。


「藤堂君を要塞の医務室に、その他の異常の無いメンバーは報告をお願い、疲れてると思うけどこの1ヶ月の森での事を聞かせて貰わないと……」


フランチェスカはそう言って、他の旅団長等に要塞へと戻るように促す。



その後。要塞での事後処理等が忙しなく行われ、チルダ王国の正規軍、冒険者ギルドの旅団は各々帰還を始めるのであった。



〜ニシノ要塞 希望の翼詰所〜


詰所には団長のフランチェスカを筆頭に、副団長ゲオルグと幹部のマリナが昌晃達と向き合っていた。


「まずは、改めて無事の帰還を心から喜ぶわね」


あらたまって先ずフランチェスカが声を発する。戦時状態も解除され、鎧等は着ていない。


「有り難うございます」


こちらも代表して淳が礼を述べる。そして、一瞬の沈黙の後。


「帰還の前のこの時期、しかもここで、三人に集まってもらったのは他でも無いの……今回の遠征で研修が終わるのだけれども……」


と、再び沈黙。その先は何を言おうとしているのか、三人には解ってしまう。だが三人がそれを先に口にすることはない。ただ黙して次の言葉をまつ。


すると。


「要件はアナタ達の正式冒険者昇進の合否です」


その言葉に、三人の背筋がピンと伸びる。


「合否……ですか?」


「えぇ、昨日の今日でいきなりな感じだけど、今回の防衛戦は昇進の判断には持ってこいですから」


「だな、団長」


「私も団長の判断に賛成です」


他の二人も反対意見は無く、昇進の判断をフランチェスカに委ねる。


「今回の昇進は………」


その言葉がフランチェスカの口から発せられた時。三人のゴクリと、喉を鳴らす音が部屋に響いた。

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