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ニシノ要塞防衛戦 11 ジャングルの撤退戦  

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「で、でか………いよな……」


「確かに…ゴブリンの中ではかなり……」


正面、明らかに異質と言わざるえないゴブリンがこれまた全身冑のゴブリンに囲まれ登場する。その異質さに、流石に昌晃や純一もその足を止める。


「ゴブリンキングにゴブリンナイト……」


すると、足を止めた二人の後方、中衛の一人が声を上げる。


が、昌晃や純一はピンと来ないのか、正面の敵を見ても脅威を感じない、それは良くも悪くも魔族のせいと言えた。


「てか、心なしか他のゴブリンの動きが止まったか?」


周囲を見回し、不意にゴブリンの攻撃が止んだのを確認する面々。そして。


「我がテリトリーを侵すモノよ……」


ゴブリンキングと呼ばれた、一際デカいゴブリンが口を開く。


「喋ったよ………」


「ギギやグゲだけじゃないんっスね」


「流石にキングか……」


そう言って昌晃と純一が、ゴブリンキングに感心していると。


「我は現在上級魔族様の力をかりている、絶望しろ、貴様ラの要塞は間もなく陥落する、そして、貴様ラも……」


キングがそう言った刹那。周囲を囲んでいたゴブリンナイト、内二体が動き出す。有無など無い、戦場で油断する方が悪いのだ、態勢を整える間も無く、二人はナイトとの戦闘に突入する。


ズドンッ!反応して先ず発砲したのはショットガンを持っていた純一。飛び散った散弾が迫るゴブリンナイトを迎撃するが。魔族とはまた違い、分厚い甲冑があるために距離があると散弾はあまり効果を発揮しない。が、それでも多少なりとも突撃を緩める事は出来る。舌打ちをしながら純一は更に二度発砲。銃口から飛び出した散弾は接近するゴブリンナイトの速度を更に奪う。


グゥゥゥ……


何を思って発したのか、呻きにも似た唸りを上げるとゴブリンナイトは発砲の合間を狙って抜剣。


そのまま。何の恐れも無く剣を振るってくる。


「ちっ!!」


舌打ちして斬撃を回避。回避様に純一はショットガンを昌晃は拳銃を発砲。しかし、重装甲の甲冑は弾丸を受けても、多少の傷と凹みだけを残し無傷だ。


「色々と反則………!!」


昌晃が非難の声を上げようとするが、ゴブリンナイトの攻撃は止まらない。上級者バリの剣撃が二人を次々と襲う。


「くそ、魔族とはまた違った意味で厄介だな……!!」


魔族程の差は感じられないが、それでも経験の違いからか、ゴブリンナイトの熟達した動きに昌晃達は少し反応が遅れる。


「あぁ、やりにくいったらねぇぜ!!」


サッとゴブリンナイトとの距離をとり、とった一瞬で魔導石を拳銃から日本刀へと変化させる。純一は昌晃に歩調をあわせるも、ショットガンのまま。


「意地か?」


「違うっスよ、超至近距離なら目はあるっスからね………」


そう言いながら更に発砲。既に動き出していたゴブリンナイトへの牽制。ガギンッ、と鈍い音を残して一瞬だけ動きを止める。


「なら、前衛はまかせろやっ!!」


日本刀を構え昌晃が突貫。散弾で動きの一瞬止まったのを確認して一気に距離を詰める。


「おらぁ!!」


昌晃の反撃。一歩先に出ていたゴブリンナイトめがけ横薙の一閃。魔術で身体向上した一撃はまず咄嗟に剣で防御したゴブリンナイトを吹き飛ばす。


「まだまだぁ!」


更に、振り切った刀の切っ先を翻し、一歩後ろにいたもう一体のゴブリンナイトと斬り結ぶ。


ギィィィィン!!今度は相手の振りかぶった剣に激突、鈍い音と火花が飛び散り、両者一瞬の硬直。

が、止まらない、逆方向に振り切った剣戟を軌道を変えて更に一撃。またも火花が飛び散る。


「つぁぁあっ!」


声を上げ更に一太刀。が、手練れのゴブリンナイト。剣の技量ならまだゴブリンナイトに分がある。


「昌晃!!」


と、その時。昌晃の直近まで近づいていた純一が、脇を通り抜けショットガンを発砲。超至近距離の為ゴブリンナイトの脚部の甲冑が吹き飛ぶ。がしかし、甲冑を吹き飛ばせても脚にダメージを負わせることは出来ない。


「まず………」


純一がショットガンをスライドさせた瞬間。一拍早くゴブリンナイトの剣が振りかぶられる。


「だらっしゃぁぁぁ!!」


と、襟首を掴み、無造作に純一を後方に引き倒す昌晃。辛うじて攻撃を回避。


「フハッ!!死ぬかと………」


一旦距離をとり、純一が肩で息をつく。額には冷や汗。一方昌晃も。


「1対1でも……遅れをとるな……クソっ……」


歯を食いしばり苛立ちを募らせる。と。


「言ってろ、高々数ヶ月でゴブリンナイトと互角にやれる方がバケモンだよ……」


そう言って、何時しか昌晃に並んでいるパーカス。若干隻腕が様になっている。


「良いか研修、相手はこの地区のゴブリンを束ねるゴブリンの首領とその近衛だ、強いのは当たり前のこと何だよ」


「なら…」


「あぁ、だから近衛の片方は俺が相手をする、もう片側は……」


「俺だな!!」


そう昌晃が声を出した瞬間。ゴブリンナイトの剣が閃き襲い来る。それを何とか回避して二人は再び戦闘を開始する。


「炎よ!!」


迫り来るゴブリンナイトに向けパーカスが魔術を発動。手のひらに収束された炎はバスケットボール程になり勢いよく打ち出される。ゴウッと周囲の空気を焼きながら炎はゴブリンナイトに向け直進。勢いをつけ突進してきた為にゴブリンナイトは急制動をかけて炎を迎え撃つ。


ググギッ!!


両腕に力を込め、上段から一閃。パーカスの放った魔術を両断、が、それを見越してか迎撃された炎はソレを待っていたかの様に爆裂。瞬く間にゴブリンナイトを炎に包み込む。


「やった……!!」


「まだだ!!」


炎に包まれたゴブリンナイトを見て純一が勝利を確信したかのような声を上げる、が、どうやらやった本人には手応えが無かったようで。直ぐに迎え撃つ態勢をとる。


グキィィ!!


「うぉぉぉ!!」


燃え盛る炎の中からほぼ無傷のゴブリンナイト。甲冑の所々は煤けたり熱でひん曲がったりしているがそれ以外に目立った外傷はない。異様なそれでいて気合いの籠もった呻きを上げパーカスへ。勿論隻腕のパーカスも黙って見てはいない。腕を切断されまだ慣れていないのか、若干のおぼつかなさはあるものの勢い良く突っ込んできたゴブリンナイトと斬り結ぶ。


「はっ、やるぅねぇ!!」


既に、再度戦闘状態に突入していた昌晃が視界の端で激突するパーカスを見て声をあげる。がしかし、自身もそれほどの余裕はない。


そう……ゴブリンナイト二匹を相手にするほどには。

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