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ニシノ要塞防衛戦 ニシノ要塞内部

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要塞内部へと案内されフランチェスカとマリア、第三部隊長はすぐに作戦会議室へと通される。勿論昌晃達は下っ端の為に代表会議には参加出来ずに、要塞内部の食堂へと案内され束の間の休息をとる。



「訳にも行かないかなぁ………」


案内された食堂はさながら無法地帯の様相を見せておりさながら食堂の食事を配る場所だけが食堂らしさをかろうじて保っていた。


「昌晃……」


「解ってる、幸い携行食もあるしな、その辺で食うか」


「そっすね」


食堂に背を向けその場を離れようとした正にその時。


「待てよ……」


と、二人を呼び止める声。勿論すぐに振り返り相手を確認するがその顔に見覚えは無い。


「俺はBランク旅団フローダのアギバだ」


と、いきなりの名乗り。訳が解らないが名乗られたのだから無視を決め込む訳にもいかず。


「旅団、希望の翼研修員の藤堂 昌晃」


「同じく、研修員の時任 純一っす」


二人がスーツの襟を正しそう答えると。


「研修?小綺麗な身なりして何かとおもったら、研修かよ、おいここが今どんな状況か解ってんのか!?」


アギバはそう言って、食堂の人員に聞こえるように昌晃と純一に凄む。が、当の二人は。


「はぁ…」


「最前線っすよね」


と、言葉を返す。


が、それを聞いたアギバは、一度だけ二人の身なりを一瞥し。


「そのなりで解ったこと言うじゃねぇか!そうここは今最前線だ、解るかここにはみんな命懸けできてんたよ!」


何を言いたいのか今一要領を得ないが、多分コッチにイチャモンをつけているのだろう。その証拠に何時の間にかアギバの周りには、同じ旅団の仲間が集ってきている。


「はぁ……」


とりあえずため息をついて、昌晃がアギバに視線を向ける。だがそんな視線を見たアギバは。


「何だその目は!」


次第に雲行きが怪しくなり。その雰囲気を察したのか、食堂の入り口周辺に野次馬が集まってくる。


「まぁまぁまぁまぁ、ここはお互い穏便にっすよ、昌晃もほら、俺ら研修なんっすから」


と、不味い雰囲気を察して純一が動く。


「確かに、アギバ、研修君の言う通りだぜ、今は兵隊が一人でも貴重なんだ、揉め事はやばいぜ」


同僚らしき男がアギバをなだめる。が。


「まぁ、俺らは先遣隊で増援第一陣こらコッチにいるんだからな!!」


と、吐き捨てる。


「はっ……最初から戦場にいるのがそんなに偉いのかよ」


売り言葉に買い言葉。アギバの言葉に昌晃が反論。その瞬間、互いの利き手が己の武器にかけられる。それを見た野次馬連中がその場の勢いで両者を煽り立てる。


が。


「アギバ、いい加減にしろ……」


と、何時の間に現れたのか、アギバの喉元に槍の穂先がつきつけられる。


「だ、団長……」


「希望の翼研修の君も、手を武器から話して欲しい」


アギバに向けた穂先はそのままで、団長と呼ばれた青年は昌晃に頭を下げる。勿論そこまでされて、これ以上事を構える程昌晃も考え無しではなく、すぐに武器から手を離し、団長と呼ばれた青年に頭を下げる。


「さぁさぁ、周りの野次馬も解散だぜ!!」


アギバの仲間が食堂の野次馬を解散させる。野次馬連中もこれ以上の争いごとは起きないと思い、各々食堂のテーブルへと戻っていく。そして、それを確認して。


「ヘイゲル、アギバを旅団の待機所に連れていけ」


「は、はいっ!!」


団長が素早くヘイゲルに指示をだしアギバを待機所へと連れて行く。連れて行かれながらもアギバは昌晃を睨み続けていた。


「揉め事に巻き込んだみたいだな?」


「いえ……」


「すまない、アギバも先日の戦闘で同僚を失ってな……怒りのぶつけ先が無かったんだ」


団長と呼ばれた青年がそう言って昌晃の肩を叩く。叩かれた昌晃は苦笑いを浮かべ。


「すいません、現状はそんなに……」


食堂から廊下へ。行き当てもなく昌晃と純一は青年の後ろを続き、そして質問する。


「まぁな、正直劣勢だろう、それに現状は魔物の軍勢を押し返すだけの余力は無いだろうな……」


「でも、その為のSランクっすよね」


今度は純一。それを聞いて青年は。


「確かに、しかし、それでも……な」


今度は青年が苦笑い。と、その時。



ズズゥゥゥン!!


と、地響きが要塞全体に襲いかかる。


「なっ!?」


地響きがおさまると共に、一斉に周囲が慌ただしくなる。食堂からは正規兵や旅団員が飛び出してきて、一瞬で廊下は喧騒に包まれる。


「糞、食事くらいさせろよ!!」


「オラァ、正門側だ!!」


「走れ走れ!!」


昌晃や純一、青年の横を兵士達が駆け抜ける。その表情は疲れてはいるものの誰一人として恐怖に駆られてはいない。


「ゼス団長!!」


と、進行方向とは逆流するように現れたのはヘイゲル。ヘイゲルはゼスとよばれた青年の前にあらわれ。


「正門に敵の魔物の軍勢です、数は五千程です!」


「五千……今日はやけに少ないな」


「はい、しかし要塞防衛本部からは旅団にも迎撃要請です!」


「解った、ヘイゲル、お前は旅団を掌握して壁門に集合、魔導士隊は壁門上に、護衛も忘れるな良いな!!」


「了解!!」


ゼスが指示を出し終えると同時にヘイゲルが走り出す。状況は刻一刻と変わるため立ち止まる暇はない。


「すまないな、戦闘が終わったら話す機会もあるだろう、二人も旅団に戻るんだ」


ゼスはそういい残し、ゆっくりとヘイゲルの後をおうのだった。

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