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ニシノ要塞防衛戦 壁門前

閲覧ありがとうございます!

結果から、包囲網はフランチェスカの的確な指示や団員の戦闘力のお陰で難なく突破出来た。


が、それでも壁門付近にはオークを中心にまだ数百の魔物が壁門付近にまで張り付いてきていた。サイクロプスもその内の一体。


「確かに団長はまだまだ戦わせる訳には行かないな」


先程、団長達と共に転移した第三部隊長が戦力温存を唱え先にフランチェスカを要塞内部へと入れさせた。


「そうね、ここにいるのは敵本隊じゃないしね」


剣を構えマリナ。彼女もフランチェスカの先入れには納得している。


「さぁて、なら先程言ったとおりあのデカ物は俺の獲物だな……」


日本刀を肩に担ぎ上げ昌晃がサイクロプスの方へと踏み出す。と、それを見て。


「ちょ、ちょっと藤堂君、まさか本当に一人でやるつもり?サイクロプスはBランクの魔物と言っても攻撃力だけならAランク上位よ?」


「だから?」


「だからって、一人は危険よ!」


「大丈夫大丈夫、この三ヶ月コッチも色々訓練したから」


日本刀をふりながらそういい残し昌晃は一人サイクロプスへと向かう。


「大丈夫っすよマリナさん」


「時任君……」


「あぁ見えて昌晃は無理しない奴っすから、本当にヤバかったら俺が援護するっすよ!」


昌晃の強さを信じろと言って純一は、その他の敵を狙撃し始める。確かに今は要塞に安全に入るためにも壁門の敵を掃討する必要があった。




「にしてもデケェなぁ…何とかの巨人に出て来そうなくらいだわ!!」


サイクロプス(10メートル級)を見上げ口元を緩める。周囲には本能的に何かを感じ取ったのだろう、とばっちりを受けないようにと魔物達がサイクロプスの周囲から離れていく。


「ははぁ、魔物も空気は読むのかね?」


1対1を感じとったのかは定かでは無いが、今周囲にいるのは昌晃とサイクロプスのみ。ゆっくりと舐めるように一つ目の視線を動かし、目の前のそれを値踏みするように睨む。

勿論昌晃は、そんなサイクロプスに動じる事無くただじっと黙して睨み返す。


そして。


グォォォォォォッ!!


空気をも震わせる咆哮が当たりに響き渡ると同時に、サイクロプスが先ずは動き出す。一気に棍棒を振り上げ高見から一閃。ゴゥっと空気を切り裂く音をかなでながら昌晃に襲いかかる。


「ふはぁっ!!」


棍棒の直撃に合わせ横へと跳び、着地と同時に足下へと駆ける。距離的には7・8メートルだろう、サイクロプスが棍棒を振り上げるよりも速く。一閃。

日本刀の一撃が巨木の様な脚に斬りつけられる。


グォォォォォォッ!!


斬られた刹那、紫色の液体がサイクロプスの脚から吹き上がり、その巨躯は重力に逆らえずに片膝をつく。


「おいおい、デカいだけかよ!!」


斬った直後後方に回り込み更に一撃。背を斬りつける。


「おっ、固っ…………」


表面は斬りつけたが、どうやら咄嗟に防御障壁をはったようだ、ダメージにはなっても致命打にはならない。


「デカいクセに魔術も使うのかよ、なんなら目から光線も………!!」


と、背を斬りつけ、次の動作に移ろうとしたとき。サイクロプスが苦し紛れに棍棒を振り回す。


グォォォォォォッ!!


「おはっ!滅茶苦茶に振りやがって!」


着地と同時に、距離をとりながら魔術攻撃力。魔力球を展開して、サイクロプスへ。目標がデカいだけに小細工の必要は無く、数個の魔力球は着弾と共に爆裂。その頑強な身体を爆発でえぐり取る。


ググッぉぉぉ…………


魔物と言えども痛覚はあるのだろう、許容量を超えたダメージに苦悶の叫びを上げる。が、そこで終わりではない。足掻きとばかりにそれ以上の追撃を阻止せんとばかりに棍棒を四方八方に振り回す。


「デカいだけに竜巻だなこりゃ」


暴風のような行為に昌晃も少しばかり攻め倦ねるが。直ぐに気を入れ直し。ふっと一度だけ短く息を吐き出して。


飛び込む。


「おぉぉぉぉっ!!」


声を上げ、魔力を身体強化に、特に視力に集中。サイクロプスの無作為な棍棒迎撃をかわしながら少しずつ接近していく。そして。


「チェリオ~!」


締まらない掛け声と共に日本刀の一閃がサイクロプスの喉元に、紫の鮮血をまきちらし巨躯は力無く地面へと崩れ落ちる。


「ふはぁ」


崩れ落ちたサイクロプスを背に、昌晃が大きく息をつくと共に仲間からの歓声があがる。そして、対照的に魔物の群れは一斉に撤退をはじめる。


「追撃はしないで、すぐに要塞に!!」


魔物達が撤退を始めたのを見て、直ぐにマリナや随伴の第三部隊長達が要塞への移動を指揮する。




ニシノ要塞内部壁門付近


要塞内部へと入って一息つくのもつかの間、旅団員たちは先ずその凄惨な光景を目にする事になる。


「うぅ………」


誰が上げたかは解らないその言葉、しかし、そこにあったのは、この数ヶ月の激戦で死んだ正規兵や旅団員の亡骸だった。


「まぁ、まだここに連れてこれた亡骸は良い方かもな……」


そう言って、壁門に雪崩れ込んだ希望の翼の旅団員に声をかけたのは、少し疲れた様子を見せる希望の翼副団長のゲオルグだった。ゲオルグはそのまま旅団員達では無く亡骸の方へと歩き。


「ここにいるのはまだ壁門付近で戦った者達だ………森の深くで散った者達はまだ………」


亡骸の回収すら出来ていない。そこまで言おうとしてゲオルグは言葉に詰まってしまう。が、その場の旅団員達のだれもがその先の言葉を解っていた。


と、そんなゲオルグを見て先ずマリナとクリスが動く。


「ゲオルグ、無事だったのね」


「マリナか……まぁなんとかな、クリスも良く来てくれたな」


「当たり前だよ、私も希望の翼の旅団員だからね」


ゲオルグの労いの言葉にクリスが胸を張る。それを見て少しだけ微笑を浮かべ。


「まぁ、ここでもなんだ、状況か状況だが要塞内部ですこしは休息してくれ」


そう言って、ゲオルグは旅団員達を要塞内部へと案内するのだった。

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