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ニシノ要塞防衛戦 開幕前2

少しでも楽しんで貰えると幸いです!

地球側事務所

「と、ここまでは状況の説明なのですが、ここからはアナタ方のバイトに関してですの?」


「参加するんだろ?」


「確かに一様希望の翼ですし……」


「バイト代さえ貰えればいくっすよ」


三人がいつものノリで参加を希望するが、マリアはそれを見て軽くため息を吐き出し。


「正直、今回の任務はこの3ヶ月あった任務の比ではありませの、いくら雑魚魔物が混じっているとは言え敵は組織だっていますのなら統率には魔族がいるはず……」


魔族……


三人の誰かがそんなことを口にする。が魔族と言われても余りピンとは来ない。


「マリアさん、魔族がいると魔物の統率がとれる、なら魔族は……」


「えぇ、勿論Aランク上位種以上……魔術や知性がありますからこの間のジェノサイドキャットの比ではありませんの、それに最悪Sランク下位種も……」


マリアがそこで言葉を区切る。多分それは三人に想像させる時間をあたえたかったのだろう。勿論それは今回の任務が今まで以上に危険がつきまとうからだ。


「それに、アナタ方には伝えませんでしたが、カイラス・クインスの一件から直ぐにこの案件は起きてましたの……」


「はぁっ、てことは俺ら2ヶ月くらい放置かよ!?」


マリアの言葉に続くように昌晃。


「仕方ありませんの、ヴォバックの人間にとっては冒険者とは言え異世界人、しかも研修ですから、極力危険から遠ざけたいと言うのもありますの」


「まぁ、正論ですね……」


「淳」


「でも、今回聞いてしまったからには、参加で良いんじゃ無いっすか?」


遠ざけた。この言葉を聞いても三人の緩さは変わらない。



そんな、いつまでも変わらない三人のテンションにマリアは危機感を覚える。


「三人共、正直言いますの、少々今回の案件を軽く考えてませんの?」


確かに今までは単体の魔物討伐がメイン。規格外とも言える魔力で魔導石からの知識も引き出し放題。勿論それなら余り周囲を意識せずとも三人の連携や旅団のフォローでなんとかなった。


だが今回は魔物の侵攻。乱戦になるのは必至で周囲には大なり小なり友軍の死体の山が出来る。


「三人はそれを見ても平気で……いえ、コレまでの単純な魔物討伐の様に行けると思いますの?」


真剣な表情で釘を刺すマリア。それほどに危険な任務なのだろう。


だが。


「まぁ、やらねぇと解んねぇこともあるよ姉御」


「確かに、冷静でいられるかは解りませんが」


「面倒見てくれた旅団が行くなら、俺らもいくっすよ!」


それでも三人の意識は変わらない、というかこればかりは体験しないと解らないのもあるだろう、そんな三人を見て、一度大きなため息を吐き出し。


「解りましたの……でも、一つ条件かありますの……」


「「「条件……?」」」


「そうですの、一様私もヴォバックには戻りますの、ですがその間、一度地球側とのリンクが切れます、そうなれば戦いが終わるまではコチラには帰れませんわよ、良いですの?」


多分最終確認。


すると。


「まぁ、仕方ないか……」


「ですね、夏休みですし……」


「バイト代が出るなら何処にでも……」


結局、三人の気持ちは変わらない。




昌晃自室


ワンルームの部屋、小綺麗にはしているその部屋の中央で、ヴォバックへの準備をしていると。


ピンポン!!


部屋のインターホンが鳴る。


………

無視。


ピンポン!!ピンポン!!


更に二度。だが昌晃は無視を決め込み準備。すると。


ドンドンドンッ!!

昌晃、いるんでしょ!!


部屋のドアを乱暴に叩く音とけたたましい叫び声。勿論誰かは解っている。


「チッ………」


軽く舌打ちして昌晃は玄関に。と、その時鍵の開く音が響き渡り。


「いつも言ってるじゃない、いるなら一回で出なさいよね!」


幼なじみで同級生の海堂岬だった。


「いや、それよりも何でお前が鍵持ってんの?」


岬の手に持っている鍵を指差し、昌晃が額を抑える。


「何でって、おば様に頼まれて持ってるのよ、昌晃が悪さしてないかって」


「いやいや、お袋にしろお前にしろ俺のプライベートなんだと思ってんの?」


「何って……さぁ?」


「あのなぁ………」


大きくため息をついて床に視線を落とす。が、そこでマリアに言伝を頼まれてたのを思い出す。


「てかよ姉御から伝言で、一様連絡あるまでバイトは休みにしてくれってことだとさ……」


「え、店長何かあったの?」


「あぁ、任務の関係でな姉御と俺ら三人はヴォバックに行くことになったんだよ」


いつの間にか部屋に戻り、支度を始める昌晃。岬もいつの間にか部屋に入り適当に座る。


「でも、昌晃達は直ぐ帰るんでしょ?だいたい日帰りだし」


「いや、今回は無理だな、多分1ヶ月か遅くて後期授業の開始頃だな」


「えっ、ちょっ……」


「だからお前には悪いけど実家に帰省しない時は部屋のこと頼むな」


そう言って気楽に部活の合宿みたいに言ってのける昌晃に、岬も一瞬呆気にとられるが。


「ちょっと、最悪2ヶ月っておば様はどうするつもり?」


「悪いな、帰ったときにバイトが忙しいって言っといてくれよ」


「でも………」


「岬だって解るだろ?あんまり表立って言えないバイトだって事は?」


「解るけど……」


「まぁ、礼はするよ」


昌晃はそこでこの話を終わらせようとするが、今日の岬は引かない。


「いつも、傷だらけだけど今回は大丈夫なんでしょうね?」


不意の質問。が、そこで昌晃は言いよどんでしまう。


「………まぁ、長期になるけど大丈夫だよ………」


「ホントに?」


「当たり前だろ、淳や純一もいるんだ万が一なんてねぇよ」


確証は無いが自信はあったために言っておく。勿論根拠は無い。そんな根拠の無い自信をちらつかせる昌晃をじっと見つめ。


「解った、まぁこの3ヶ月店長の補佐して何度かヴォバックにもいったし、昌晃が悪の片棒担いでる訳じゃないのは解ってるから……」


そう言ってふぅと息を吐き。




「いってらっしゃい」


と、最後はにこやかに送り出す言葉を口にする。

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