知らない人
桜乃は、意識があるようだった。
「え…優也…」
「大丈夫かよ⁉︎歩けるか?とりあえず、そこの公園で休もう」
「あ、うん…」
すぐそこに公園があってよかった。
オレは、なにかあったとき用に小銭を持ち歩いている。
公園内の販売機でジュースを買った。
桜乃の好きなジュースをオレは知っている。
桜乃は、ジュースを飲んで少し回復した。
大丈夫かな?
彼氏に見られたりしてないかな?
いいよとは言ったけど、ほんとうに幼馴染と仲良いよねって、彼氏にイヤミ言われたりしないかな?
それだけならいいよ。
もう終わりにしよう。ずっと幼馴染といたらいいんじゃないって、言われたりしないよね?
「どう?歩けそう?」
「うん。大丈夫、ありがとね。じゃあ、わたしほんと大丈夫だから、帰るね」
…
心配だから送るって言いたかった。
でも…
もし、一緒に帰っているところを彼氏にみられたら…って思ったら、送るって言えなかった。
「そっか、じゃあ気をつけてな。なにかあったら、すぐ連絡してよ」
「うん、ありがとう」
桜乃は、力なく手をふって帰った。
どうしたら大丈夫詰め放題をやめさせることができるだろう…
だれかに相談してみようかな…
例えば…顔のみえない他人がいいな。
ばあちゃんが昔よくオカンに言ってたんだ。
話すと楽になるんだよって。
ばあちゃんとオカンは、よく昼間お茶とお菓子を目の前に、ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ話してたっけ。
今思えば…
心の声がパンクしないためにも、少し吐き出すってのは大事なのかもしれない。
ばあちゃん、いいこと言うやん。
オレがなにかしらを、だれかからヒントもらって、そして桜乃を助けられたらいいな。
…
ネトゲ…しようかな。
でも、ご安心ください。
ゲームにどハマりすることは、ございません。
ちゃんと趣味の範囲内で楽しもうと思っている所存でございますので。
たしなむ程度みたいな?
てことで、知らないどこかの誰かさんに相談…してみようかな。
ゆるーいチャットができるゲームがあるんですよ。
ゲームに癒されつつ、相談もできたら最高じゃないですか。
なんなら、相談なしにしても気晴らしにはなるだろうし、どこかしらにヒントがうまれるかもしれない。
悩んで暗い部屋でどうしようってしてるよりも、頭動かしていたほうが、ヒントあるかもです!
てことで、さっそくゲーム内におじゃましたんです。
そしたら、さっそく秋さんという男の子?が話しかけてくれたんです。
(ボク、今日がはじめましてなんですが、色々教えてもらえませんか?)
って言ってくれた。
(いやぁ、実はオレもはじめましてなんです)
ということで、意気投合して探検からはじまった。
秋さんと呼ぼうかとも思ったが、男の子らしいので秋くんと呼ぶことにした。
秋くんは、最近失恋してゲームに癒しを求めてきたそうな。
オレと一緒やんってことで、なおさら意気投合した。
ゲーム内では、ほぼゆるーい探検みたいなものなので、どっちかというと、チャットの方がメインだったりする。
秋くんは、もっと素直になっておけばよかったと語る。
とても後悔してるって…
…
そうだよなぁ。
後悔って、後で悔しいとかくんだよなぁ。
先がみえないからこそ、シンドイよな…
…
桜乃も苦しいんだろうな…
オレのせいかもだけど…
あ、桜乃もゲームに誘えばいいのか!
…
ムリだよなぁ。
オレは、思い切ってそのことを秋くんに相談してみた。
そしたら、まさかのぼくがその人の相談にのるってのは、どうかな?って提案してくれた。
でも…男の人だし、やっぱり…ってお断りしようとしたら、まさかの秋くんは女の子だった。
驚いた…
オレは、うっかり女の子に恋の相談をしていたなんて。
なんなら、結構細かく話しちゃったんだよね。
恥ずかしいな。
彼氏のいる幼馴染に恋してるなんてさ、しかもオレのせいで幼馴染が彼氏とうまくいってないとかさ、ほんととんでもない幼馴染くんだねってなるよね。
まあ、それは男の子が聞いても女の子が聞いても、とんでもない幼馴染にはかわりないか。
秋くんと話していたら、…てかなぜ秋くんは、ぼくって言ってた?
まあ、いいか。
秋くんがぼくっていうのは、自由だもんな。
それに、そのまま秋くんって呼んでいていいってお許しもらったし。
秋くんと話せば話すほど、なんか親近感がわく。
さらには、どうやら近くに住んでいるらしい。
でも、どうやって桜乃と秋くんを繋ぐかが問題だ。
学校どこか聞いてみたら、まさかの一緒だった。
え?
…
続く。




