パートナー⁉︎
桜乃は、どうしていらないっておっしゃっているの?と不思議がっていたら、
「幼馴染って、複雑だよね」
と言ってきた。
複雑な幼馴染とは?
いきなり難しい言葉を投げかけられて、オレはぷちぷちパンケーキではなく、プチパニックです。
危うくパンクします。
脳内がパンなのか、パニックなのか、パンパンなのか、意味がわかりません。
幼馴染というワードは、こわいです。
ずっと…いいようでこわかった言葉こそ、幼馴染なのです。
ついに桜乃の口から、幼馴染というワードが出てしまった。
出るということは、出口なのです。
出口ということは、入り口ではないということです。
入り口なら、まだ救いようがある。
しかし出口となると…
エンドと同じ効力があるとオレは思います。
重います。
重いんですますね。
もう、なにを考えているかもゴッチャなオレ。
幼馴染時効特別優待券という言葉をどなたか知りませんか?
オレは、そんなもの知りません。
「てか、幼馴染が複雑とは…どういう意味?」
「だって、ズルいじゃない」
?
ズルい?
えと…
幼馴染という名をつかって、オレが暇さえあれば桜乃の家におじゃまするってことか?
それは…たしかにズルいし、卑怯かもしれない。
その言葉をつかって、オレは女の人の部屋におじゃましてるんだもんな…
お邪魔なやつってのは、こういうことを言うんですね。
おじゃましまーす。
はい、邪魔ですよーってことですね。
「たしかに…そうだよな。幼馴染って言葉を利用して、こうやって女の人の部屋に来るってのは、よくないよね」
…
「うん。お互いさ、パートナーがいるわけじゃない。それってやっぱり相手にも悪いよね」
⁉︎
今…なんと⁉︎
パートナー⁉︎
お互い⁉︎
えっ⁉︎
桜乃って…だれとも付き合う気ないっておっしゃっていませんでした⁉︎
…
あ、今気づいた。
それは、オレの告白をお断りする口実だったのですね…
てか…
へえ…
彼氏いるんだ?
でも、なんで…じゃあ元気ないんだ?
もしかして…
オレが邪魔してた⁉︎
二人のケンカの要因をつくってた⁉︎
「あの…オレ、知らなくて…だから、部屋とか来ちゃって、マジごめん」
「ううん、大丈夫。わたしの彼氏は、優しいの。幼馴染は、君の大切な昔からの友人でしょ?大切な友人なんだから、ムリに距離とらなくてもいいんじゃない?ボクは、平気だよって言ってくれる。でも……」
…
彼氏すげーな。
うつわデカすぎだろ。
オレは…オレは…
彼氏の立場だったら、正直…イヤかもしれない。
たとえ幼馴染とはいえ、男女だし…
どんな間違いが起こるかわからないし…
モヤモヤとして、そんなこととてもじゃないけど、言えない。
だからだろう。
オレが真っ先にフラれたのは。
「ごめんな。」
「ううん、こっちこそ…ごめんなさい」
「桜乃は、なんにも悪くない。悪いのは、すべてオレ。じゃあ、帰るわ」
「うん」
…
だよな。
そうなんだよ。
オレがどんなに頑張ったところで、空回りしてただただ迷惑かけてたんだ。
オレって…ハズ…
とんだハズかしいハズレ外れ男やん。
はぁ…
その日オレは、桜乃にあげるはずだったドリンクを、飲んだ。
…
⁉︎
驚いた。
オレは、基本めっちゃ早食いだ。
しかし、桜乃にしたことをめっちゃ恥じて落ち込んで、早食いどころじゃなかったんだけど…
タピオカやらナタデココやら、プニプニキュッキュッモチモチして、めっっちゃ面白い食感が口の中で踊った。
オレって今まで…いろんなこともったいないことしてたんじゃね⁉︎
最近、勉強やら手伝いやらをやっとできるようになって、オレは無敵とすら思うようになっていたが、まだまだ知らないことばっかりだった。
そもそも桜乃に彼氏がいたなんて…
オレが迷惑かけまくっていたなんて…
その日から、オレは意気消沈とともに、早食いじゃなくなった。
そしたら、なんか…調子がいい。
落ち込んでるのは、続行中だが、勉強も手伝いもはかどった。
そして、なぜかわからないがいつも食後は、足りないから他のものを食べたりしちゃってたけど、いつもの量が多く感じる。
とても満腹感があった。
心はスカスカだけど、腹は満たされた。
今までオレは、食を楽しむというよりは、早く早くいっぱい食べて脳にたくさん美味いの食ったぞ‼︎アピールして安心させていた。
しかし、それじゃ胃がいかんって怒っていたのに気づかなかった。
なんなら、胃に食べ物をドンドン詰め込んでいた。
食っても食っても満腹感がなかった。
でも今は、そんなに食べたい欲がなくなった。
その数日後、後ろの席の男子佐藤くんが話しかけてきた。
「ちょいちょい、なにしたんだよ?」
って。
?
「え、なに?なんにもしてないけど?」
「ウソつけよー。教えろって」
…
どういうことだろう?
「どういうこと?」
「それをこっちが聞いてるんだけど?秘密主義かよ?教えてくれよー…」
「え、だから…なにが?」
「ダイエットだよ!最近すげー痩せたじゃん。アゴとかシュッとしてさ、姿勢もいいし、運動はじめた?それとも断食?」
…
「あぁ、そういうことね!なら、失恋するとこうなるのかも」
「それは…しんどいな。ごめん…」
「ううん、いいよ。でもわかったことは、ある」
ってことで、佐藤くんに色々教えてあげた。
で…
オレって痩せたの?と思って家に帰って体重測定してみた。
⁉︎
痩せてるーー‼︎
これは…驚いた。
続く。




