ナイス
オレは、臓器にお詫びのためとりあえず家に帰り、ゆーっくり湯船に浸かった。
筋肉と皮膚がほころんだ様子だ。
脳みそも、ふぁ〜ってほころんでいる。
風呂ってすごい。
風呂を見渡した。
…
こんな清潔なお風呂に毎日入れているのは、オカンが毎日掃除してくれているおかげ。
そして、オトンが働いて買ってくれた家。
いえいえ、別にオレに買ってくれた家ってわけじゃないけど、家族のために働いて住むところを提供してくれている父親ってすげーし、それをサポートしてる母親もすげー。
いまさらだけど、オレって今まですげーくらいなんにもしてねー。
それが一番すげーな。
一気に顔が赤くなった。
これは、のぼせなのか…それとも恥ずかしい己を我にかえり恥じているのか…
…
どっちもありです。
風呂上がり、オレはオカンに風呂洗い宣言した。
オカンはポカンだった。
いいテンポの言葉だ。
オカンポカン
これからは、オカンをポカンと呼ぶ?
いや、オカンポカンってよぶ?
じゃあ、オトンは?
オトンフトン?
…
そんなことは、どうでもいい。
ありがとうと言いながらも、ポカンなオカン。
そんなポカン、いやオカンは放っておこう。
日頃のありがとう感謝を込めて、丁寧に風呂洗いした。
…
なんだよこれ…
めっちゃ疲れた。
軽い運動すぎる。
汗もでるやんけ…
風呂上がり汗だく。
そりゃ、こんなに疲れるんだもんエネルギーチャージをしなきゃ、やっていられないのもわかる。
だから、オカンはいつもなんだかんだ食べているのだと納得。
そして気づいてしまった。
オカンは、そのほかにも洗濯、掃除、料理、買い物、茶碗洗い、パートと、さまざまなことをこなす。
器用すぎん⁉︎
そして、オトンもたまにオカンの指令により、買い出しに行ったり、買い出しのお金をうみだしているわけだ。なんなら、部下の教育係までしている。
で、オレは?
オレは…
自分を労わることをしようとして、労ったけど…
オレは、王様ポジションではないだろう。
恥ずかしくなった。
「あら?優也顔赤いわね?熱でもあるんじゃない?」
⁉︎
「ううん、のぼせた。だからからだをひやすために茶碗洗おうかな」
オカンがまたポカンになって、オトンもポカンになった。
どっちもポカンだ。
妹は、
「さては、なんかおねだり?」
と言ってきた。
たしかに、そう思われても仕方ない。
「そんなんじゃないよ。ただ大人になっただけさ、ワハハハハハハハハハ」
こんな笑い方の大人っているのだろうか?
まぁ、いい。
茶碗洗いがオレになったので、オカンの肩をマッサージするオトン。
そして、そのオトンの肩をマッサージする妹。
なんてステキな光景。
これぞ絶景なのかもしれない。
突如絶景がみられたオレは、親を労ったら、まあまあ疲れた。
しかし、オレの仕事ってなんなのだろう?
ふと我にかえると、オレの仕事はゲームでも魔法使いでもない。
勉強なのですか?となり、一応勉学に励んだ。
どうしてオレは、こんなにも簡単なことをスルーしていたのだろう。
勉強して疲れたら、さっき買ったいいにおいのやつをスゥ〜っと吸い込んだ。
おほぉ〜う⭐︎
脳みそがほころんだ気がする。
なんだか、いままで大変もったいない時間を過ごしていた気がする。
そんなオレは、お手伝いも勉強も勤しんだ。
妹に勉強も教えてあげられるくらいになった。
家庭教師や塾が不要になった妹。
教えてくれているお礼だよと、美味しいおやつが提供された。
最高やんけ。
勉強に手伝い、そんな当たり前のことをしていただけなのに、なぜかお小遣いがアップした。
当たり前のことをすると、いいことがあるらしい。
そして、普通に当たり前のことをしていたら、最近よく眠れる。
以前は、布団に横になると頭痛歯痛耳鳴り三銃士がどこからともなくやってきていたが、あの三銃士が現れなくなった。
鬼退治ができた気分だ。
そんなオレ、暇さえあれば携帯とゲームを握りしめていたが、今は、鉛筆かスポンジを握りしめている。
勉強と家事手伝いをしていたら、なぜか目が元気だ。
そして、姿勢もよくなった気がします。
ちょっとアイテムがかわっただけなのに、色々かわるオレ。
そして、桜乃に心配されることもなくなった。
むしろ、オレが心配する。
勉強大丈夫か?と。
そして、教えてあげられるくらいになっているオレは、ほんとうに桜乃に勉強を教えている。
妹だけならまだしも、同級生の幼馴染にまで教えられるって、オレすごくね⁉︎
そんなに記憶力がいいなんて知らなかった。
いつのまに幼馴染と進展ってなりますよね?
ただ、クラスの席が近いから学校で教えてるだけなんです。
進展は、してないです。
てか、ジャンキーなものをあまり摂取しなくなってから、脳みそが調子いい気がする。
食べて眠くなるってこともないな。
知らないあいだに、いつのまにか臓器にも負担かけなくなっていたな。
オレ、ナイス‼︎
自分を労わってから、家族もいたわり、また知らずに自分のことを労わるオレは、すごいです。
そんな自画自賛なオレのもとに、久しぶりに桜乃がやってきた。
続く。




