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フィルム
6
夢を見た。とても不思議な夢だった。
カタカタと、古いフィルムがカウントを始める。3,2、1──。
「おい、大丈夫か?」
柔らかい癖のある茶色の髪。それが風に遊ばれて、だんだんとボサボサになる。
──ああ、大丈夫だ。それより、髪が崩れてるぞ。
「あー、はは。今日は風が強いからな。もういいや」
髪質と同じく、柔らかい笑顔を浮かべた。優しさが滲んでいる。
なんてやつだ。
「ほんと、分かってないよね」
そう声をかけられ、後ろを振り向く。髪は柳茶色、瞳は紫と緑。よく分からないが、綺麗だと思わせてくる男。ああ、そうだった。
「……っ」
ふと、景は目を逸らした。背後で何が起こったのか、振り返ろうとしたとき……。
──ぐ……っ。
痛い。目が痛い。目の前が、おかしい。見えない。色が、見えない。
視界に入った「それ」は、真っ黒で、どろりとした液体だった。




