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達成感、時間制限、日記

 今日の日記を書く。

 一つ、天気。

 今日は、曇り。

 地面が濡れていたから、ぼくの気づかないところで雨が降っていたのかもしれない。

 朝、昼と、外は全く見ていなかったから、いつ雨が降ったかなど全然わからないけれど。

 洗濯物を干していなくてよかったと思おう。

 一つ、はなさんのこと。

 今日は、はなさんと出会えなかった。

 珍しい日もあるものだと思う。

 平日、大学のある日にはなさんと出会えない日、というのは本当に珍しい、というか、ないと思ってた。

 だって、ぼくとはなさんの取る講義には、重複しているものが非常に多いから。

 まあ、会えなかったのは、ぼくが盛大に寝坊して講義をさぼることになってしまったからだけど。

 午後からの講義一つだけだったとはいえ、夕方まで寝てしまうとは、予想外にもほどがある。

 夜更かしなどしていないのだけれど、たまにこういうことがあるから、ぼくは油断できない。

 おかげで、今日は夜も全く眠くない。

 一つ、ナオさんのこと。

 なんでか知らないけど、ナオさんと会った。

 寝坊のために講義はすでに終わっている時間だ。

 はなさんからのメッセージは心配とお叱り。

 平謝りのメッセージを返しておく。

 ドアのベルが鳴ったので出てみれば、なぜかナオさんがいた。

 何しに来たのか、と聞けば、はなさんに頼まれて様子を見に来たという。

 はなさんは講義のあと用事があるため、もしもに備えてナオさんをよこしたのだとか。

 寝ていたせいで、連絡にも一切の無反応であったため、もしかしたら病気か何かでは、とどうやらすごく心配させてしまったらしい。

 やっぱりきちんと謝りに行かないと、と決意する。

 寝坊と伝えたら盛大に呆れられた。

 なんだか屈辱を感じる。

 ナオさんに誘われて、夕食を共にする。

 心配させた代、ということで、夕食はぼくのおごりになった。

 ラーメンが食べたい、というので、カップラーメンでも出そうとしたら、近くのラーメン屋に連れていかれた。

 今まで、入ったことのない店だった。

 人の金で特盛を頼むナオさんを横目に、醤油ラーメンをすする。

 おいしかった。

 しばらく通おう。

 一つ、親睦会のこと。

 ナオさんと、湯原さんの娘さん、涼子さんの親睦会について話し合う。

 バーベキューをするのは確定事項。

 日取りも決まっているし、必要な材料はその日に届くようになっている。

 場所は、はなさんの家の庭先をまた借りることになった。

 正直いい迷惑なのでは、とも思ったけれど、はなさんのご両親は快諾してくれたらしい。

 お礼の品に何か送っておこう。

 あと、サークルの先輩をどう誘うか。

 誘うことは決まっているが、誰を誘うかが決まっていない。

 当日、暇なのを見繕おうぜ、とナオさんはとても順当・・・・・・失礼なことを言っていた。

 それはさすがにあれなので、バイト先輩と料理先輩、あとゲーム先輩を呼ぶことにする。

 サークルの先輩方の中では、比較的関わりの多い三人だ。

 このくらいが妥当と思う。

 呼ぶ三人を挙げたら、ナオさんに先輩の名前、憶えてるか、と聞かれた。

 答えられないことは黙殺する。

 あとではなさんに聞こう。

 あと、親睦会についてだが、予定日は休日だ。

 夕方から始める。

 湯原さんの娘さんの移動の時間を考えると、大体そうするべきだと思う。

 天気予報では晴れだが、お祈りはしておこう。

 晴れろ。


+++


「んー・・・・・・」

 大体、今日書いておきたいことは書いただろうか。

 読み返す。

 いつもより、少し日記の内容は長めかもしれない。

 いや、長さなんてまちまちだけど。

「まあ、いいか」

 どうせ趣味の日記だ。

 誰かに見せるわけでもない以上、内容にこだわることもない。

 日記を閉じる。

 すでに外は暗い。

 夕方まで寝ていたせいで、いまだに頭は冴えまくっているが、眠っておく必要はあるだろう。

 明日は、はなさんに会いに行かないといけない。

 謝らないとなあ、と思う。

 正直、心配させてしまったのはよくない。

 何通か来ているメッセージは、遅刻を叱るものから、心配のメッセージへと変わっていっていた。

 ナオさんもだ。

 用事があったから、ナオさんに頼んだ、とナオさんは言っていたけれど、本当ははなさんを用事に行かせるために、ナオさんの方から様子を見に行くのを買って出てくれたのだと思う。

 そうでなければ、用事があってもはなさんの方が来ていたはずだろうから。

 心配かけたなあ、と反省する。

「・・・・・・ん」

 手持無沙汰になり、ティッシュを一枚丸めて、もう一枚のティッシュでくるむ。

 首に当たる部分に輪ゴムをまけば、簡単なてるてる坊主になる。

 目と口を書いて、テーブルの上に置く。

「・・・・・・てるてる・・・・・・」

 ころんと転がっているそれを見て、ふと思いつき、他に何個か作ってみる。

 テーブルの上に転がるティッシュペーパーのてるてる坊主。

 雨にすごく弱そうだな、と思いながら、ひとまとめにしてカーテンレールから吊るす。

「うん」

 頷く。

 効くかどうかではなく、気分的な問題だ。

 いくつかのてるてる坊主が連なってつるされているのを見て、達成感を感じつつ、天気を祈るのだった。

「晴れろ」

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