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和菓子、廃品回収、忍

 段ボールをまとめる。

 なんだかんだと溜まるものだな、と、重なった段ボールの束を見て思う。

 ここへ引っ越してきた当初の段ボールは、とうの昔にゴミに出したけれど、今、束となっている段ボールを見ると、ちょっと反省もする。

「通販、便利すぎなのよ・・・・・・」

 しょうがない、しょうがないんだ、と自分に言い訳する。

 いや、まあ、言い訳してどうにかなるものではないのだけれど。

「うーむ」

 なんだかんだ、溜め込んでたな、と反省する。

 数えてみれば、一週間で最低一つは何か注文してる。

 多い時は、多分二つ三つと注文してる。

 それも、ちょっと近所のスーパーに買いに出ればいいような消耗品とかも結構多い。

「なんでだろ?」

 別に、買い物のために外に出ることを苦にしているわけでもない。

 それなのに、通販でついついものを買ってしまうのは、

「物珍しいから?」

 どうだろ、と思う。

 消耗品は、通販にした方が楽なのは事実。

 だって、重たいの持ち運ばなくて済むし。

「・・・・・・・・・・・・ふうむ?」

 ぼくは、首を傾げつつ、段ボールの束を廃品回収に出しに行った。


+++


「はなさんて、通販する?」

「しますよ? 近くのお店で売ってないものとか、たまに買いますね」

「例えば?」

「イヤホン、とか?」

「電気屋さん行かないの?」

「そうですねえ。・・・・・・電気屋さんだとちょうどいいのがなかったりして」

「ちょうどいいのって?」

「ステレオ用の片耳イヤホンですね」

「片耳用・・・・・・」

 ん、と思う。

「イヤホンって、両耳に着けるからステレオになるんじゃないの?」

「その通りですよ?」

 うん、とはなさんは頷く。

「ステレオは、左右の耳で聞くこと前提です」

「じゃあ、なんで?」

 わざわざ片耳用を買うのだろうか、と思う。

 はなさんは、カバンからイヤホンを出してきた。

 確かに片方しかない。

 それを片耳に当て、もう片方の耳を示して、

「片耳開けておいた方が、外で使う分にはいいですから」

「ああ。外の音聞けるから?」

「ええ。・・・・・・でも、最近のって、全部ステレオがほとんどで、片方外すと物足りない音になったり、ひどいと片方分音が消えたりしますから」

「そんなのある?」

「ありますね。左右で聞こえる音が違うことで表現を行ってる作品もありますから。そういうのを片耳でも違和感なく聞こうと思ったら、ステレオに対応している片耳イヤホンが必須ですね」

「わあ。こだわり?」

「家でならスピーカー使いますから、イヤホンなんて、外でしか使いませんし」

 はなさんは言いながら、イヤホンをカバンへとしまった。

「まあ、普通にスピーカーで聞くのが一番だとは思いますけどね」

「だろうね?」

「無線のやつなら、普通に片方だけ使うっていうのもできなくはないんですけどね。わたしは有線の方が安心するので」

「安心って?」

「気分的なものですよ。無線なんて、どこに繋がっているか分からないんですから」

「うーん。たしかにそれは気分だね」

 苦笑する。

 別に、無線を誰かに傍受される、というわけでもないだろうけど、はなさん的には気になるんだろう。

「でも、サンはイヤホン使わないんですか? アパートなんて、スピーカーの音が隣近所の迷惑になる可能性もあるでしょうし」

「あー。ぼくはヘッドホン使ってる。外ではそういうの使わないから、イヤホンとかは持ってないけど」

「なるほど」

「でもそうか。はなさんはそういうところで通販使うんだ」

「そうですね。あと、ちょっとした隙間時間とか、通販のサイト見て時間潰したりしてると、ついついポチってしまいます」

「分かる」

 衝動買いはたまにある。

「初めて通販した時は結構悩んだけどね」

「そうなんですか?」

「だって、自分で手に取って選んだものの方が安心感あるじゃない? いつの間にか気にならなくなったけど」

「慣れって怖いですね」

「本当にね」

 キャッシュカードで買えてしまうのもよくない。

「・・・・・・正直、あんまりよくないとは思うんだけどね」

「通販なら、お取り寄せとかどうでしょう?」

「遠くの食べ物?」

「ええ。いわゆる地元の名産、というやつです」

「あとは、テレビで紹介していたお店とか」

「そういえば、ああいうのはあまり食べたことないですね。わたし」

「ふむ」

 ちょっと考えて、

「今度、なんかそういうの買い集めてパーティーしようか」

「いいですね」

 はなさんも笑って頷いた。

「お菓子。お菓子がいいです。洋菓子、和菓子」

「そうですね。ちょっと珍しいのがいいですね」

「なんだろう? お肉」

「魚はないんですか? かにとか」

「美味しそう。鍋だね」

「野菜も必要ですね」

「どうせならしめのうどんとか、そういうのも」

「いっそ、材料は全部お取り寄せで・・・・・・」

「ありだね」

「ありですね」

 二人で話し合っていく。

「ナオさんも呼ぶ?」

「たくさん食べたいですから。人数多い方が一人の負担は減るでしょうし」

 人数か、と考えたところで、思いついた。

「・・・・・・ぼく、考えた」

「何をでしょう」

「前から気になっていたこと。それを確かめる」

「?」

 はなさんが首を傾げているので、

「湯原さん呼んでさ。・・・・・・娘さんも呼んでもらう」

 はなさんがちょっといたずらっぽく笑う。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・確かに、ちょっと会ってみたいですよね」

「この間写真見せてもらったんだけど、結構美人だった」

「ほう?」

 それはそれは、とはなさんは笑い、

「ちょっと、計画練ってみましょうか」

「どうせなら、おすすめ探してもらおうかな」

 なんだかんだと話し合って、

「よし、大枠は決まりました。あとは日付ですね」

「まあ、言うてみんな大学生だし、ちょっとした連休選べば大丈夫じゃないかな」

「そうですね。ナオさんと湯原さんにも連絡しましょうか」

「湯原さん、聞いてくれるかな?」

「駄目だったら断ってきますよ」

「だね」

 計画していると楽しい。

 二人で笑い合って、

「じゃあ、近いうちに」

「うん」


+++


 家に帰って、何かしら探そうとネットサーフィンしてみる。

「・・・・・・・・・・・・和菓子。忍者の里。ほう」

 探してみると、いろいろ見つかる。

 ついついいろいろ探してしまって、

「うわあ。食べたいのこんなに・・・・・・」

 はなさんとこに持って行くのは鍋の具材だけど、それ以外は自分で注文して食べてみたい。

「・・・・・・あ、また段ボール増えちゃうな」

 しょうがないか、と諦めて苦笑した。

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