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苔、栄養ドリンク、聞く

 栄養ドリンク。

「ぼくはさ、これに頼ったら負けだと思う」

 コンビニでそのビンを見つめて、そんなことを呟く。

 はなさんはその言葉を聞いて苦笑する。

「そんなものに頼るほど、疲れることはしていませんからね」

「まあね」

 徹夜をしたとしても、栄養ドリンクを飲むようなことはしないと思う。

「・・・・・・というか、栄養ドリンクの存在意義がわからない。正直、これを飲んででもがんばるくらいなら、がんばらなくてもいい方法を探したほうがいいと思う」

「まったくもってその通りでしょうねえ・・・・・・」

 やっぱりはなさんは苦笑している。

 今日は、はなさんの家に遊びに行っている。

 その途中で、ちょっと飲み物とお菓子が切れたので、二人でコンビニに買いに来たのだ。

「でも、そんなものを飲んででも頑張りたい人もいるんでしょう」

 はなさんはそう言って、奥のドリンクコーナーへ向かった。

 そんなはなさんを追いかけて、はなさんが持っている籠へジュースを追加する。

「サン。炭酸飲料ばかりだと健康に悪いです」

「ええ。おいしいのに?」

「美味しいのは分かりますが、三本はいりません。というか、一本で十分でしょう?」

 まったくと言いながら、棚へとぼくが選んだジュースを戻すはなさん。

「・・・・・・はなさんは、紅茶?」

「そうですね。最近はコンビニで買うのはこれが多いです」

 はなさんの選んだ紅茶は、ぼくも嫌いではないけれど、

「紅茶って、何だろう、なんか、『軽い』っていう感じがして、ちょっと苦手」

「軽い?」

「なんだろう? なんかね、そんな感じがする。飲み物としては、刺激が弱い」

「・・・・・・刺激・・・・・・?」

 はなさんは首を傾げているが、あくまでのぼくの個人的な印象の話だ。

「まあ、嫌いじゃないよ。でも、ジュースがいい」

「はいはい」

 はなさんは優しく笑っている。

 スナック菓子。

「チップス、チョコ菓子、飴、クッキー」

「あんまり入れすぎない。ちょっとしたおやつのつもりなんですから」

 はなさんが、めっ、と注意してくる。

 なんともかわいらしい注意ではあるけれど、素直に聞いておく。

「炭酸だし、チップスでいいか」

 一袋。

「甘いものもちょっとほしい?」

「そうですね。ケーキかプリンか」

「プリンでいいんじゃない?」

「では、そうしましょう」

 二人で話しながら、カゴへ商品を入れていく。

 ちょっとはなさんの家で雑談する程度の時間のお供を買いに来た程度のつもりだったけれど、結構な量がある。

「・・・・・・まあ、いいか」

「話していたら、このくらいすぐですよ」

 はなさんはこともなげに言うけれど、食べものと飲み物の量を考えると、

「・・・・・・夕飯、食べられなくならない?」

「食べられなければ抜けばいいんです」

 なんか自信満々に言っているが、それは健康に悪いからと炭酸飲料を止めた人間のセリフではないのではないだろうか。

 一通り店内を回って、レジへと向かう。

「・・・・・・唐揚げ」

「そうですね、ついでですから」

 レジで売っている六個入りの唐揚げも買って、コンビニを出る。

 会計は割り勘だ。

 二人で唐揚げをつまみながら、はなさんの家へ向かう。

「なんか、こういうレジで売っているあったかいのって、時折無性にほしくなる。ジャンクフードもだけど」

「小腹を満たすには、ちょうどいいですからね」

 ぼくが買い物袋を持ってはなさんが唐揚げを食べる。

 そして、一つをぼくの口元へ差し出して、

「はい」

「あーん」

 もう、なんか慣れてきた感がある。

 道端でやるには、ちょっと恥ずかしくもあるけれど、周りには誰もいない。

 安い唐揚げだけれど、油と衣の味は濃くて、美味しく感じる。

「・・・・・・コンビニは便利。ちょっとほしいものなんでもあるし」

「むしろ、コンビニに何でもあり過ぎて、必要なものを忘れがち、みたいなこともありますが」

「分かる」

 忘れ物したらコンビニで買えばいいや、とか普通に考えてしまう。

「・・・・・・コンビニにはないだろうと思ってたのに、コンビニに並んでいた商品といえば?」

 不意に思いついて、はなさんに聞く。

「・・・・・・生野菜」

 ちょっと考えて、はなさんが答える。

「あ~。生野菜とか、スーパーとかの領分だと思ってた」

 地元の近所のコンビニだと、生野菜、それもサラダとかではなく、皮のついた野菜を売っているところはなかった。

 それが、最近のコンビニは普通に売っている。

「充電器にイヤホン、筆記用具の類にティッシュ、トイレットペーパー、洗剤、調味料、レトルト食品。・・・・・・ちょっと困ったときにすぐほしいもので揃わないものってないね」

「・・・・・・大変に便利ですね」

 はなさんが大真面目に頷く。

「そして、どこにでもある、と」

「・・・・・・道路の向かいに違うコンビニがあると、近いうちにどっちか潰れるんだな、と思います」

「・・・・・・あるよね。そういうの」

 コンビニになっていたところが、違うお店に変わるのはよくある。

 お店がコンビニに変わるのもよくある。

 入れ替わりが激しいけれど、

「コンビニ自体はなくならないんだから、便利なものって強いね」

「そうですね」

 二人で笑う。

「コンビニにはよく行くの?」

「あまり、と言いたいですが、細かいものを買うことが多いので、なんだかんだと結構利用していますね」

「ぼくも一緒。ごはん買うのもそうだけど、ティッシュとか買ったりしてる」

 ノートに使う文房具もそうだ。

「必要か・・・・・・」

「でも、コンビニって、新しいイメージが常にありますね」

「そうだね。なんかいつも新しい」

「・・・・・・・・・・・・いっそ」

「ん?」

 はなさんがなんか考えてる。

「いえ、いっそ、苔むして老舗感のあるコンビニとかあったら、一周回って新しいかも、とか思いました」

「・・・・・・いや、そんなコンビニは入りたくないかな」

 便利で気軽に利用できるコンビニがいいのだ。

 そんな老舗感だしてたら、気軽に利用できないよ? はなさん。

いつの間にか、投稿を始めてから一か月経っていて、ちょっと嬉しい。

これからも毎日投稿できるように頑張ろうと思いました。



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