第3話:神聖なる境内は、三杯の毒に染まる
温かい言葉よりも汚れた皿の数の方が多い朝食を終え、乗客たちが彼女たちのマスカラと胸元の開き具合に思わず十字を切るようなバスの旅を経て、彼らは清龍寺へと到着した。
拓真はファッションショーさながらの足取りで歩く三人の女たちと自分は何の関係もないという振りをしながら、青い作業着の襟に首をすくめ、三歩前を歩いていた。
彼は通用口から入ったが、彼女たちは……彼女たちは堂々と正門から侵入した。砂利を踏みしめる彼女たちのハイヒールの音が、静まり返った図書館の中の機関銃のように鳴り響く。
拓真は自分の持ち場へと逃げ込み、苔のカモフラージュが今日ほど自分を透明にしてくれることを、仏教のあらゆる仏神に祈った。
突然、ベルトにつけた無線機が耳障りな音を立て、境内の静寂を切り裂いた。
佐藤主任の声だった。その僧侶の血統は鎌倉時代まで遡り、彼の忍耐力は彼の薄い髭と同じくらい希少なものだった。
佐藤主任:『……苔。北の御堂、あの樹齢数百年の錦鯉の池のところだ。熱力学の法則と礼節に挑む三つの……「生命体」がいる。今すぐそこへ行って、あれらを霧散させろ。もし聖なる水にスパンコールが一つでも落ちたら、次は貴様の首を供物にすることになるからな』
拓真は自分の道具に何度もつまずきながら猛ダッシュし、北の御堂へとたどり着いた。
そこに広がっていた光景は、もはや色彩の暴力であり、不条理そのものだった。
レオパード柄のヴェルサーチのドレスをまとったティファニーが、本来なら静かな瞑想のために作られた伝統的な石橋の真ん中でポーズを決めている。
その隣には、黒いレースのトップを着たステイシーがラファエル前派の絵画から抜け出してきた淫蕩の女神のように佇み、さらにその横ではジェニファーが真紅のサテンの着物を羽織って猫のような笑みを浮かべていた。
ティファニー:「はい、チーズ、ビッチども! 映えちゃって!」
魚たちと拓真の目を眩ませるほどの強烈なフラッシュの後、少女たちはようやく彼の存在に気づいた。
ステイシー:「あ、モスキート(苔くん)! 私の胸って、この古い寺よりも歴史があると思わない?」
彼女は自分の胸元をぐっと強調してみせる。
ステイシー:「この美貌には独自の免税権があって、国定記念物だから税金もかからないの。そうでしょ?」
ティファニー:「勘弁してよ、ステイシー! あんたの胸はその寺と同じよ。古臭くて、今すぐ構造改革が必要なレベル。私のは最高級の、納車されたての新車。左の乳首ならダイヤモンドだって切り裂けるくらいカチカチよ」
それまで、子供と旅人の守り神であるお地蔵様の石像を使い、ピンヒールの泥を落としていたジェニファーが、路地裏でガラスが割れたような忍び笑いを漏らした。
ジェニファー:「そんな目で見ないでよ、モスキート。この石のチビちゃんは何とも思ってないわ。それに、このお地蔵様に男の根性があるなら、今頃ひっくり返って私のケツを拝んでるはずよ。ねえ、おじいさん?」
ジェニファーは不敵にウインクをし、挑発的に舌を出した。
ティファニーは、地中三階に眠る先祖たちをも叩き起こすような高笑いを上げた。彼女はヴェルサーチの胸元を法律の限界ギリギリまで押し下げ、京都の日差しを浴びて、安物のセルフタンニング剤のココナッツ臭と絶望の混ざった匂いを撒き散らす。
ティファニー:「っていうかさ! この場所、一回大掃除して、そのクソみたいな線香の量を減らした方がいいわよ。坊主の脇の臭いと、蓄積された童貞の臭いがするわ。おい、そこの棒を持った奴!」
ティファニーは、今にも脳動脈瘤を破裂させそうな形相の佐藤主任を指差して叫んだ。
ティファニー:「マティーニか何か、泥水みたいな味がしない飲み物を持ってきなさい! 早くしてよ、私は精神病患者が積み上げた石ころを見るために日本に来たんじゃないんだから!」
拓真:「お、お願いだから……ここは神聖な場所なんだ、お坊さんも子供もいる……ファッションショーのランウェイじゃないんだから……」
沈黙。一秒。
池のせせらぎと、拓真の必死な呼吸の音だけが響く。
ステイシー:低いあざ笑いと共にゆっくりと瞬きをする。――「ねえ、モスキート……神聖? カメラワークさえ良ければ、すべてが神聖になるのよ。これ、5分でバズるわね。タイトルの見出しはこうよ。『三人の西欧の女神、日本の古刹を支配する』。後でお礼を言ってくれてもいいよ?」
ジェニファー:「しーっ……。あなたの女たちを、あなたのために輝かせてあげて」
ジェニファーは、怯える犬をあやすように拓真の頬をぽんぽんと叩いた。その声は毒の混じった蜜だった。
ジェニファー:「どうせ……あなたはこれまでの人生で、一度も輝けなかったんだから」
突然、ティファニーが致命的なまでの妖艶さで橋の欄干に身を乗り出した。再びフラッシュが炸裂し、池の中で一番の長寿である、87年間も静かに瞑想を続けてきた紅白の錦鯉の目を眩ませた。
ティファニー:「限定版の撮影に行くわよ! ジェニファーが古い灯籠の上で野ションしてるところ!」
拓真は自分の魂が鼻から飛び出すのを感じた。
拓真:「灯籠の上でそんなことしちゃダメだあああああ!!」
ジェニファー:「誰が私を止めるの?」
その刹那、砂利を力強く踏みしめる足音が響いた。
石畳の道の先から、金色の帯が入った黒の法衣をまとった佐藤主任が現れた。その顔は、仏教の八大地獄からそのまま切り出してきたかのような憤怒の仮面だった。
その右手には儀式用の竹箒が握られていたが……誰もが知っていた。その細い竹の裏には、本物の血が流れていることを。
佐藤主任:「……苔」
絶対的な沈黙。
佐藤主任:「コケエエエエエ!!」
拓真は、異次元へ逃げ込もうとするかのように三歩後ずさりした。
佐藤主任:「現時点で、貴様に二つの選択肢を与える」
重苦しい沈黙。
「今すぐその三人の毒婦どもを消し去るか……さもなくば、この寺が霊的死滅地帯に指定されるまで奴らを放置し、貴様を未来の変態庭師たちへの見せしめとして、肥溜めの横に生きたまま埋めるかだ」
拓真は池に目を落とした。
かつて澄み切っていた水面は、いまや絶対的な暗黒を映し出していた。そこにはロード・ケザールが杖を突き、ステイシーのトップから剥がれ落ちた一枚のスパンコールが、聖なる鯉たちの水へとゆっくりと落ちていくのを観察していた。
老いた錦鯉が、古いメダルのような瞳で上を見上げた。
スパンコールは螺旋を描きながら、まるで呪われた硬貨のように回転して落ちていく。聖なる水面は、それをかすかな、ほとんど聞こえないほどの小さな音で迎え入れた。
佐藤主任には聞こえた。全員に聞こえた。
その後に続いた沈黙は、普通の沈黙ではなかった。地震の前触れ、あるいは王朝の崩壊、あるいは茶会の床の間に誰かが足を乗せているのを発見したときのような、特有の静寂だった。
古い灯籠を、まるで不動産の品定めでもするかのような計算高い目で見つめていたジェニファーが、サムライすら泣き出すような笑みを浮かべて佐藤主任を振り返った。
ジェニファー:「あなたがここの責任者ね。なんて……風情のある男かしら。ねえ、この場所ってものすごいポテンシャルがあると思わない? 照明をちゃんとして、その陰気臭い線香を減らせば、結婚式にぴったりよ。具体的に言うと、私のね。私が花嫁で、拓真が花婿」
不気味な空白。
ジェニファー:「その話は、また後でしましょう」
拓真は、寺の地面が自分の足元から真っ二つに裂けていくような感覚に襲われていた
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