19 内政改革の提案で好感度アップ?
「どうもありがとうございます。提案を評価していただき、光栄にございます」
「いや、違う」
「え?」
「面白いとは、そなたに言ったのだ、エレイン」
「……?」
ピロピロピロ~ンという電子音と共に、ハート型の図形が空中を舞った。
また、好感度が上がったのだ!
ヴィネ様だけではなく、セパルの胸元にもハートが浮かんでいる。
改革案は、二人のお気に召したようだ。
内政のことを考えていた間は意識がそちらに向いていたから、少し収まっていたというのに、再び鼓動が早鐘を打ち始めた。
(そうだわ、私ってば、こんな近くで顔を突き合わせるようにして、ヴィネ様とずっと話していたんだったわ……)
「あ、ありがたき幸せにございます……」
「正直、そなたの話を最初に聞いた時、とんだほらふき女がやって来たと思っていた。しかし、そなたの話は、私の想像をはるかに超えている。面白い女だ。この国のために、いい働きをしてくれそうだな。期待しておるぞ」
「が、頑張ります……」
私は、頬が熱く火照るのを感じる。
いくら元公爵令嬢という肩書きを持っていたとはいえ、こんなふうに、ただの小娘の話にきちんと耳を傾けてくれるだなんで、予想以上の名君だ。私は、以前よりも、もっとヴィネ様のことが好きになっていた。
それに、こんなふうに私の中身を評価してもらえるのも初めての経験だ。
前世では、会社で働いていても、そもそも意見など求められることなどなかった。与えられる仕事をこなすだけの、ただの歯車でしかなかったのだ。
公爵令嬢エレインは、礼儀さえわきまえていれば中身などどうでもよかった。聖堂騎士団長のジャンの横で、優雅に微笑み、ただ花を添える存在であればよいと思われていた。
国のための働きなど、はなから期待されていなかったのだ。
それが今はこうやって、ヴィネ様のため、国のために、微力ながら役に立てている。
「面白い女」だと、期待してもらえていることが、何よりも嬉しかった。
これからは、このアイデアを実現できるよう、さらに頑張っていかねばならない。
私は決意を新たにした。
車窓の景色は、いつの間にか牧歌的な田園風景に変わっている。
草を食む羊たちの姿が目に映る。
どこからか、牛の鳴き声も聞こえてきた。
「もう間もなくです。あと数分ほどで、我が荘園に到着します」
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