18 通販で経済を回し、街道も整備するのです!
「……“通販”……?」
「家から外に出ず、市場や商店に行かず、家から注文したものを家まで届ける仕組みです。注文は、水晶玉の仕組みを、なんとか万人に使えるように工夫して、インターネット代わりに使えるようにできればと思うのですが」
令和の日本の便利さを知ってしまった私は、ネット通販がないということに、非常に不便さを感じていたのだ。
オタクだった私は、常日頃からネット通販の恩恵を十分に受けていたのである。
「そんなに便利なものだろうか? 仕事のために、皆、外に出るであろう?」
「一人では家から出るのが難しい、足腰の弱ったご老人でも、家族や使用人の手を借りずに、買い物ができるのですよ。日中、仕事で忙しくて市に行けない人も、仕事の合間に注文しておけば、自宅に商品が届いているのです。これまで、買い物を諦めていた層が、買い物をするようになりますから、国の経済が活性化するのではないかと思います」
「なるほど……」
それに広告というものを組み合わせれば、「いらぬ物まで買ってしまう」というマジックも発動することになるのだから。
「買い物をする人が増えるということは、物流も増えるということです。そこで雇用が発生しますし……、そもそもたくさんの売り物を作らなければなりませんから、その開発と制作のために多くの雇用が発生することになるでしょう」
「ふうむ……」
「もちろん、魔術師だけで物流を担うわけにはいきませんから、魔力を持たない者に荷馬車で運んでもらう必要もあるでしょう。すると、国内の道や橋を整備しなければなりません。そこでもまた、工事に伴う雇用が発生します。もちろん道路整備は国家や自治体の仕事、公共事業ですから、これらの整備事業を行うには、財源確保が急務ですが……う~ん、国債とか発行したらよいのかしら。まずは、そうね……やはり銀行も必要かしら……」
私の話を聞いていたヴィネ様は、顎に手を当ててしばらく思案していたかと思うと、突然破顔した。
「ハハハハ、面白い!」
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