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「—————ふぅ、なかなかの美味でした。改めて感謝申し上げますダンジョウ殿。何か御礼をしたいのですが…」


ちゅ〇るぐらいでそんなに畏まらなくてもいいんだけどな。とはいえ下手に遠慮すると相手の気が収まらないということも往々にしてあるものだ。何かサックリと返せるものでもあれば良いんだけど…


「そういえば、さきほどシュバルツさんは自分のことを『牙』の一族とおっしゃっていましたが他の一族もいらっしゃるのですか?」


「ええ。我ら『牙』一族の他に『爪』『蹄』『顎』『翼』そして『知恵』の一族がいます。各々の種族に見られる特徴的な部位によってそう名乗っているのですが……」


どうやら『牙』の一族はイヌ科のような見た目で俊敏な動きでで相手を奔走させる戦い方を得意とし、『爪』の一族はネコ科のような見た目で柔軟な動きが可能であり、『蹄』の一族はウマ科のような見た目で縦横無尽に駆け回る脚力と長い時間活動できる体力に秀でており、『顎』の一族は爬虫類のような見た目で体を覆う頑丈な鱗と噛む力が他種族を圧倒しており、『翼』の一族には大空を自由に舞う力を有している、らしい。


「……ふむふむ。そういえば『知恵』の一族についての説明がありませんでしたが?」


「『知恵』の一族についてはすでに滅んでいるとさえ言われておりましてね。ワタシやワタシの祖父母もその姿を一度たりとも見たことがないのです。おとぎ話でのみ登場する過去の記憶の1つなのですよ」


「滅びている、ですか……何か滅びてしまうような出来事でもあったのですか?例えば流行り病とか主食が伝染病とかが原因で採れなくなったとか?」


「……強いてあげるとすれば『神』に逆らったから、と言えましょうな」


「『神』、ですか?」


『スキル』があるという摩訶不思議に満ちている世界で『神』と呼ばれる存在とは一体……きっと俺如きでは想像もつかないような、それこそ矮小な人の身では関わってはいけないほどの圧倒的な何かがあり、それに触れてしまったが故の族滅なのだろうか。


そんな存在の情報を俺なんかが聞いても良いのだろうか?だが聞いてみたいという、怖いもの見たさに近いの感情も無きにしも非ずだ。


「『知恵』の一族はかつてその秀でた頭脳によって謀略を駆使し、策を巡らせて他の種族を支配していました。世界のほとんどを手中に収めていたとも聞いています。そこで満足していれば今も『知恵』の一族が我ら他の種族を力で支配し続けていたでしょう」


「………」


「ですがその支配欲は留まることを知りませんでした。そうしてついに禁忌とされる『神』に手をだしてしまったのです」


「その『神』とは一体……?」


「『龍神様』です。世界の誕生と共に生まれたとされる御方は絶大なる力を有し、決してヒトという種族が触れてはならぬ存在でした。愚かにもそのの力をも己がモノとせんがため、国力の粋を結集させ『龍神様』を支配するため軍を派遣しました」


…………ん?どこかで聞いたことがある話のような、そうでないような……


「戦いは一瞬でついたと伝え聞いています。どれほどの強者が集おうと、どれほどの高性能な武具を用意しようと、どれほど万全を期した準備をしたとしても決して叶うことができない圧倒的な存在だったようです」


「………」


「討伐軍を蹂躙し終えると、お怒りになった龍神様は知恵の一族が支配する国を完膚なきまでに破壊しつくしました。国力を大きく落とした知恵の一族は圧政を敷いていたことで他の種族から大きな恨みを買っていましてね。他種族が各地で決起し大きな内乱が各地で勃発し始めました」


………どこかで聞いた話だと思ったら、間違いなくコレはリュウゾウさんのことだ。『その龍神様ならこの間一緒に遊んだぜ?』って言ったらどうなるだろうか。聞いてみたい気もするが……やめとくか。


「龍神様との戦いで精鋭部隊を失い、そして国力を結集させて作り上げた数々の宝具を失った知恵の一族に勝ち目はありませんでした。そうして知恵の一族は族滅の道をたどったと聞いています」


『その宝具の1つである指輪を持ってるぜ』と言ったらどうなるだろうか?シュバルツさんの驚く顔を見てみたいという欲望にも駆られたがやめておくか。彼はここに来てまだ数日、新しいことをたくさん経験して疲れているだろうからな。これ以上心の負担を増やすのは気が引けるのだ。

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