予言が君を殺すまで・7
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あれから予言者のアカウントは特に動かすことはせずに夜を迎えた。
「ねえ、なんでさ、俺にだけこのアプリが出てきたんだと思う…?」
今日はバイトがなかった颯真と早めの夕飯を食べているとき、少しだけ真剣な顔をした雫が颯真にそう問いかけた。
颯真はその問いかけを不思議に思い雫の顔を見る。
昨日とは打って変わってその表情から少しだけ雫が恐怖を感じていると勘づいた颯真。
「…わかんねえな」
なんと返答するか少し考えて、結局その言葉しか出てこなかった颯真。
"俺が今、昨日みてぇに雫を説得し直してもいいんだろうけど
雫をもっと怖がらせることになりそうだしな…"
相変わらず頭でぐるぐるいろんなことを考え始めた颯真。
しばらく考え込むも、先ほどの颯真の返事に少し眉をしかめ始めた雫。
「わからねえけど、雫が特別に選ばれたってことじゃねえの?
…勇者しかもてない剣があるみたいなさ!」
その雫の表情見て慌てて考えることをやめて、ひょうきんなことを言う颯真。
そんな颯真の答えを聞いて一瞬動きが止まった雫は、次の瞬間「あははっ」と言って笑った。
「そうだな、俺が特別に選ばれたってことだよな!
とりあえず今はそうやって軽く考えるようにするよ」
颯真なら昨日のようにもっと難しいことを言ってくるだろうと身構えていた雫。
でも予想とは違ったあまりにも軽い返事が来て、
それが自分に対する気遣いの上での返事とわかっていながらも、なんだかおもしろく感じて
しばらくクスクスと笑い続ける雫。
「なんか元気出たし、とりあえずつぶやいとこ~っと」
颯真のおかげで難しいことを考えるのを辞めた雫は、
食事の途中にもかかわらず席を立ち、スマホを取りに行き、予言者のアカウントを開いた。
「こら、食事中なんだから食べ終わってからにしとけよ」
「朝のうちに下書きしてたやつをつぶやきたいだけだから!」
「はぁ、、、ったく。なにつぶやくんだよ。」
「ほら、未来ニュースアプリをさ最初に開いた時に見た地震のニュースあったじゃん?
あれの日付だったからさ、とりあえずそれかな~って」
「…今日だったら遅くね?もう夜だけど」
「……まあ、たしかに。」
時計を見ると、現在の時刻は19時をすぎたところ。
今日も残り数時間、颯真の言う通り予言を残すには少し遅いかもしれない。
「まあ、でもこの感じだと地震なんか起きてなさそうだし、未来の記事ってわけではなかったのかもね?」
そういいつつも元々下書きしておいたつぶやきを投稿する雫。
「せっかく下書きしてたし投稿だけしてみた」
〝本日9月9日 東北にて地震あり〟
そう書いてあるつぶやきの画面を表示させて颯真に見せる雫。
「思ったより簡素なつぶやきだな?」
「このほうが予言者っぽいでしょ?」
雫ならもっと、文字だけでどうしてここまでごてごてさせれる?ってなりそうな
つぶやきをしていそうだと思っていた颯真はその画面を意外そうに見つつ、ありのままの感想を口にすると、
あまりにも雫らしい返答が返ってきて、「ははっ」と思わず声を出して笑う。
そんな颯真を見て、つぶやきもできたし颯真のおかげで元気も取り戻した雫は
満足げにスマホを机に置いて再び夕食に手を付けだした。
夕食を食べつつ、今日あった出来事などの雑談を始めだしたころ、
先ほど付けたテレビから耳なじみの悪い音が聞こえてきた。
2人でテレビに目を移すと、画面上部に(地震速報)の文字が表示されていた。
『午後7時23分ごろ 東北地方で地震がありました』
目を見開いてお互いの顔を見つめあう雫と颯真。
ーここから二人の終わりが始まった。




