予言が君を殺すまで・10
「なんで12月9日までのニュースしかなんだろうね?」
雫が首を傾げながら言う。
「確かに、9日ってキリ悪いよな~…」
雫の言葉にそう返答する颯真。
「ん~、、、12月9日にこのアプリ消えるとか?
…でもそれだと、何で期間限定なんだろうね?9日に何か起きるとか?」
次々と疑問を口にする雫。
その言葉を聞きながらまた考え込む颯真。
"確かに12月9日にアプリに何か起きるからって考えるのが妥当か…?でもそれなら何が起きる?
そもそも、こんな現実からかけ離れたアプリがただ消えるだけ?
何かすごいことが起きたりするんじゃねぇのか?…それならニュースになってるよな"
スマホの画面に表示されているニュースのカテゴリを『芸能』から『事件』に変更し、
12月9日分のニュースの見出しを確認してみる。が、ピンとくるものは見当たらない。
"サイバーテロ的なものかと思ったんだけどな…"
思ったような記事が見当たらないため、
他のカテゴリの12月9日分のニュースをすべて確認するも、どこにも関係ありそうな見出しは見つからない。
颯真は、「う~ん…」と呻りながらスマホとにらめっこを始める。
「なんかこのアプリよくわかんないことだらけだね」
颯真の様子を見て、眉を下げ笑いながらキッチンから歩いてくる雫。
いつのまにか席を立ち、ホットミルクを作ってくれていた。
マグカップ2つをソファの前にあるローテーブルに置いて、再び颯真の隣に座る。
「いったん考えるの休憩しない?」
そういって颯真が持っているスマホを取り上げ、それもローテーブルに置いて、
一度置いたマグカップ2つをまた手に持ち、片方を颯真に手渡した。
「あのな、、、」
"疑問を投げかけてきたのは雫だろ"と言いかけた颯真だが、
横でマグカップを両手で持ち、ホットミルクを飲んでほっと癒されたように笑う雫を見て、
何も言わず自分もホットミルクを飲んだ。
一口飲んだだけでじんわりとあったまっていく感覚が体に広がり、
色んな事が起きて考え事ばかりしているせいで、力が入り続けていた体が少し和らいだ。
"雫の言う通り、少し休憩するか。"
もう一口ホットミルクを飲み、マグカップをローテーブルに置き、
そのままソファの背もたれに自分の体重を預けて伸びをした颯真。
ふとソファー前のテレビ台の上に置いてあるデジタル時計が目に入る。
現在の時刻《23:46》の下に書いてある9月9日の文字を見て、「あっ」と声を出す颯真。
そんな颯真の声にびくっと体を跳ねさせ、その反動で口元に持ってきたマグカップが揺れ、
唇に熱いホットミルクがあたり「あちっ」と顔を歪ませた雫。
「わりっ、びびったよな、大丈夫か」
慌てて雫の頬に片手を添えて、雫の唇を覗くように見る颯真。
「だいじょーぶ。それよりどしたの」
覗き込んできた颯真の顔を見つめる雫。
颯真は自分から顔を近づけたくせに見つめられると、さっと顔と手を雫から離してデジタル時計を指さした。
「いやさ、今日、9日じゃん?
単純に3か月分しか表示されないってだけかもなって」
「あ~、たしかにそうかも」
「だから多分あと数分で日付変わるから、したら12月10日のニュース出てくるんじゃねぇかなって」
「じゃあ日付変わったらアプリを開きなおしたらいいわけだ」
そういってホットミルクをまた飲み始めた雫。
雫の言葉に「そうそう」と頷きながら、またスマホを手に取ろうとした颯真の手を、
雫がホットミルクで温まった手で握って、「日付変わるまでは休憩だよ」と止めた。
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雫の言う通り日付が変わるまでゆっくりした二人は、時間が0時を過ぎるとアプリを開きなおした。
適当に選んだカテゴリの3ページ目にいき、一番下にあるニュースの見出しを見ると、
先ほどまではなかった文言になっていた。
日付の部分を見ると12月10日と記載されていて、
颯真の言う通り3か月分しか表示されていないだけであった。
「なぁんだ、3か月分しか載ってないだけだったんじゃん~
12月9日にめっちゃ怖いこと起きるのかと思った~」
目をこすりながら言う雫。
「そもそもこのアプリ自体が怖いけどな」
そう冷静に答える颯真。
元からではあるが、眠気も相まってさらに危機感のない緩い返事をする雫に、
何とも言えない気持ちになるものの、
今回のように、単純なことが答えだったりすることもあるため、
"あまり難しく考えすぎないことも大事だな"と思うことにした。




