一年の軌跡3-④
喋ることが出来ると言うことで、エリザは何とか支配者の体裁を守ることが出来た・・・と思う。エリザの常識では喋ってもスライムはスライムなのだが、この世界では異常なことらしい。
「スライムが喋るとは、さすがです。」
「喋っ、た・・・。」
「これは・・・何と云う・・・。」
他に褒めるとこが無いのか・・・本気で思っているのか・・・前者で無いことを祈る。
「それはそうと、アルとかジャンヌの獣魔は連れ歩くのは大変そうなんだけど、どうしましょう。馬小屋に入れると他の馬が食べられそうだし・・・。」
エリザは若干無理やり話を変え、気になっていたことを聞く。
アルの白虎?は体長4.5メートルくらい、ジャンヌのユニコーンは3.5メートル―――普通の馬より一回り大きいくらいもあるのだ。
この国の主な移動手段は馬車であり、馬がいなくなるのは大変困る。言うまでも無く、そのまま屋敷を徘徊させるなんて出来ない。
「どうしたものか・・・。」
「いえ、心配には及びません。」
エリザの心配をレンはさわやかに否定した。
レンの話を詳しく聞くと、どうやらこう言うことらしい。
獣魔は持ち主の意思でサイズを調節でき、勿論これは持ち主の才能によるが、獣魔で召喚されるものはほぼ間違いなく持ち主の技量にあったものだから心配はないらしい。
自身の技量にそぐわない獣魔を、偶然または故意に、無理やり召喚すると大変な惨事が起こるので、絶対にしないようにとも硬く言われた。
何はともあれ、こうして獣魔の契約は終わったのだ。
蛇足になるが、獣魔の名前はそれぞれ、私が《ルー》、アルが《白虎》、ジャンヌが《ユニ》と名付けた。
サイズの調整も無事上手くいき――――私は不要だったが――――、《白虎》も《ユニ》もチワワサイズにまで小さくなっている。外見も凛々しい、雄々しい、と言う形容から。可愛い、単純化と言う形容が似合う・・・何て言うんだっけ?――――…人形みたいなアレ・・・になっている。てか、動かないと完全に人形だ。




