一年の軌跡3ー②
「え~、この水晶を光らせれたものは素質あり、光らせれなかったものは素質ないし、と言うことで・・・」と、先程聞いたような説明を、レンが皆の前で行い、全員の適性を確認し終わった頃には御触れを出してから半時ほどが過ぎていた。
適性があったのはエリザを含めアルとジャンヌの三人。レインハルトは必要ない、と断られたし、倫道や友加里は「遠慮しておきます。」と断られたが、他の者は適性が無かったらしい。
レン曰く、三人でも異常に多い数値らしいが・・・
ちなみに、適性の無かった人たちも、ほとんどが残って見学するようだ。獣魔契約なんて、滅多に見られるものじゃないから興味があるのか・・・。それとも、主人の手前返りにくいのか・・・
後者じゃなければいいなぁ~。
「では、獣魔契約の準備が出来ましたのでこちらにどうぞ。」
レンが指さした先には、それらしい空間が出来ている。直径三メートルくらいの複雑な魔方陣に、それを囲むように等間隔に並べられた小さめの魔方陣。
何だろう、何だろう、物凄い緊張してきたよ。
儀式の邪魔にならないようにと、闘技場の客席に移動した兵士たちも、「おお~。」とか言う歓声を上げている。
その様子を見ながらエリザは、「これ・・・みんな呼ばない方が賢明だったんじゃないか?」と今更ながら気づいていた。
まあ、呼んでしまったものは仕方ない。
せめてもの救いはアルが私と同じチキンだと言うことか・・・。
「それじゃぁ、誰から行く?」
私じゃ無ければいいな~、とエリザが聞く。
「そうですね。そこは大事な問題かと・・・。」
アルフォンスも俺じゃ無ければいいな~と相槌を打つ。
「どうした、二人ともいかないのなら私が行くぞ?」とジャンヌがキリっと答え、
「そ、そう。そこまで行きたいのならジャンヌに譲りましょう。」
「ああ、ジャンヌに任せようか。」
「いや、三人同時に出来ますので、同時にやりますよ?」
そうそう上手くはいかなかった。
「えー、では先程教えた通りに魔術を詠唱してください。」
レンが音頭を取ると、場の緊張が一気に高まる。
胃薬を用意してればよかったな、と不安と期待に胃をキリキリさせながら、エリザ達は呪文を唱え始めた。
「「「我、大いなる神に教順し、大いなる力を求めるものなり。我が行く先に彼の者あらん。彼の者行く先に我あらん。彼の者はわが盾にして矛、我が盟友にして、我自身の鏡なり。現出せよ!顕現せよ!降臨せよ!我が求むる形となりて、姿を現せ!――――――――サモン!!!」」」




