↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
11/13

第十話「raven hair」

やあ

「雲聲、話がある」

「なに? あなたから話しかけて来るなんて、珍しいじゃない」

ああそうだろうな。俺だって本当は、話しかける予定なんてなかった。

しかしながら、俺はある問題に直面している。

連絡先を交換した翌日、「そういえば、名前見れるかも」と思い、アプリを開くと『KFK』と書かれた不可解な友達が増えていた。

俺のネームセンスとそう変わらないじゃないか。と悪態をつきたいぐらいには、不可解だと言ってもいい。

ただ、それだけで言えば大した問題ではない。

お姉さんの変わり者っていう、イメージが助長されるだけだ。

……追加情報があるんだよな。

誕生日:12月25日。

クリスマスはどうやら、彼女の誕生日らしい。

さあて、俺はどうしたものか。ということで、雲聲だ。

「誕生日ってのは、プレゼントを渡した方がいいと思うか?」

「……話が飛びすぎてわからないけど、相手が女子の場合はYESね」

でしょうね。わかっているから、お前に聞きに来ているんだが。

……さて、ここからどう切り出そうか。

「黒髪がよく似合う女だな。お前は」

「何。未定。嫌味かな」

「いやいや、本心だよ」

雲聲茜の腰丈ぐらいある、手入れの行き届いた黒髪は綺麗だ。

それに関して嘘はない。

ただ一つ難癖をつけるのであれば、ゆるふわウェーブではなく、ストレートにして欲しい。

「そんな女子力が高いお前に頼みがある」

「なによ」

「……付き合ってくんない?」

「どういう意味で?」

「んー買い物だ」

「ああなるほど。意中の女子がいるってわけね。それを手伝って欲しいと。……私はそんな都合の良い女だったかしら?」

「だから髪褒めただろ」

「……本当に、ノンデリね。あなた」

雲聲は侮蔑を込めるように、俺の顔を下から覗き込む。雲聲の顔が急に近づいたので、思わず半歩下がってしまった。

「……十二月二十五。何の日か知ってるか?」

「クリスマスじゃない。周知の事実よ」

「そうだ。俺が毎年、どっちがイブでどっちがイブじゃないのか、わからない日だ」

「どっちがイブだと思う? 未定は」

「……」

俺がわからないと見えると、雲聲は自慢げに胸を反らし、答えを発表する。

「二十四でしたっ。そんなんだから、彼女の一つもできないんだぞ」

「よーお前ら、そんな細かい日付覚えられんな。俺には一生かかっても無理そうだ」

「んで、その二十四に何か用があるの?」

「いや違う。用があるのは、二十五の方だ」

そう俺は雲聲に伝えると、スマホの画面を操作し彼女のプロフィール画面を見せてやる。

「……人の個人情報あまり見せて良いものではないと思うけど。で、誰この人」

「隣人さんだ。最近お世話になってる」

「隣人ねぇ……好きなの?」

「好意的ではあるが、恋愛感情は特にない。いつもお世話になってる礼を兼ねてと思ってな」

まあ勘違いされても仕方ないと思うが、その辺は割とどうでもいい。

俺があげたいと思ったから、あげる。そんだけだ。

「だから手伝ってくれ、雲聲。頼れるのはお前しかいないんだ」

スバルにバレるとうざいしな。

「……まあ、わかったわ。今週の日曜でいいかしら」

「おう。それで頼む」

通常通り、いつも予定は未定だ。問題ない。

「じゃあ、日曜ね。よろよろ〜」

雲聲はそう言って手を振ると、足早に去っていった。

……よし。これでいいな。

「面倒だけは起こってくれるなよ……」

ご高覧いただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。