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普通の妹がお兄ちゃんを改造してみた。  作者: 釧路太郎
魔法使い編

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第六十八話 作戦会議

 思い通りに行かないことが多いから人生は楽しいのであって、何でもかんでも自分の思うがままになってしまうのは苦痛なのかもしれない。

 その点を踏まえると、お兄ちゃんが私の思い通りになってくれないというのはいい事なのかもしれない。

 もしかしたら、まさ先輩に協力してもらっているという事がマイナスに働いてしまっているのかもしれないけれど、今更新しいピースを探して教育するのも面倒くさい。うまなちゃんとイザーちゃんというイレギュラーな存在はほんの少し影響があるのかもしれないけど、何か問題を起こす起点となることは無いと考えられる。

 やはり、一番大きい影響と言えば、お兄ちゃんがもともと持っている考えや行動パターンかもしれない。


「いっそのこと、まー君が俺を倒して新しい世界を作り直すってのはどうかな?」

「それも考えたんだけど、次の世界が今みたいに魔法を使えるとは限らないんだよね。思っただけで色々なことが出来るってのはやっぱり便利だし、何物にも代えがたいんだ。それに、お兄ちゃんはまさ先輩の事を本気で殺そうとしないと思うよ」

「そうだよな。まー君はいつだって優しいもんな。誰のことだって傷付けたくないって思ってるだろうし、俺の事になると特にそう思ってるよね」

「ちょっと見方を変えてくれたら随分と気も楽になるんだけどね。まさ先輩の命なんて割りばしよりも軽いんだって気付いて欲しいな」

「そのたとえを完全に否定しきれないのが悲しいところだけど、その事実を知ったところでまー君の考えは変わらないんだろうな」


 まさ先輩はお兄ちゃんがミスをしないようにするために作られた存在であり、今みたいに魔王であるというのもお兄ちゃんがそうならないように先手を打って駒を埋めてくれているに過ぎない。この世界での役割は、お兄ちゃんが魔王になって世界の敵にならないようにすることだった。

 他の世界ではお兄ちゃんの事を好きにるような人の気を引くデコイ的な役割が与えられていたのだが、この世界ではあまり恋愛に重きを置いていないという事もあって世界の敵として活動してもらっているに過ぎない。まさ先輩のほかにも魔王はたくさんいるはずなのだけど、そのどれもがちょっと物足りなく魔王としても三流以下の存在だったりもするのだ。だからこそ、まさ先輩には完全無欠の魔王としてこの世界に君臨してもらう必要があったりしたのだ。


「それで、俺はまー君と戦って負けた方が良いのかな?」

「最初はその路線で考えてたんだけど、今はちょっと考えが変わってきたかも。お兄ちゃんがこの世界の英雄になるのは喜ばしい事なんだけど、その時は頭の悪いミーハー女がお兄ちゃんのもとに殺到しちゃうと思うんだよね」

「その可能性は高いと思うけど、まー君だったらそんな女の事なんて無視しちゃうと思うよ」

「それはそうなんだけど、そんな女たちのためにお兄ちゃんの貴重な時間を使ってほしくないんだ。たとえ無視していたとしても、その女たちとかかわった僅かな時間を無駄にしてるんじゃないかって考えちゃうんだよ」

「それだったら、誰もいない未開の地で自給自足の生活でもしてみたらいいんじゃないかな。多分、この世界にある未開の地って誰もたどり着けない場所なんだと思うよ。正確な場所を知っていてもそこにたどり着くことが出来ない、招待されていない者以外はそこに気付くことすら出来ないって場所がいくつかあるみたいだからね。その場所を見つけ出すのは大変だと思うけど、俺の配下の魔物たちに探させてみるのもいいんじゃないかな」


 確かに、普段はあまり使えないんじゃないかと思っていたまさ先輩とその配下だったが、数だけはたくさんいるので捜索活動には向いているのかもしれない。私とお兄ちゃんだけでは探しきれないと思うし、圧倒的な数で探索をしていれば何かしらの手掛かりくらいは見つかるかもしれない。

 もしも、手掛かりが見つかったのであれば、その近くを私とお兄ちゃんでくまなく探してみればいいはずだ。魔物ではそれ以上見つけられないんだとしても、私とお兄ちゃんが本気を出せば見つけられると信じている。


「それをお願いしたいところなんだけど、ここに来るまでの間に魔物をたくさん殺しちゃったんだよね。大丈夫かな?」

「大丈夫。全然問題ないから。何だったら、ゆまちゃんがたくさん魔物を殺してくれたおかげで数も増えてるくらいだからね。殺された魔物って力を何分割化にされて複数体で復活するんだよ。そいつらは戦闘訓練を重ねていくことで元の力を取り戻すことになるんだけど、元の強さにたどり着くまでに大半が死んじまうんだ。でも、戦闘訓練に参加させないで探索活動に専念させればいいと思うんだよね。探索に必要なのは力じゃなくて、数だと思うからね」

「それだったら、今いる魔物もどんどん殺して数を増やすのはどうかな?」

「それはちょっと人の心が無さすぎるよ。いくら魔物とはいえ、殺しすぎるのは良くないんじゃないかな。魔物の数が増えるという事は、この世界のパワーバランスにも少なからず影響を与えることになるからね。あまり多く増えちゃっても、神の怒りに触れて元の数よりも少なくなる可能性だってあるんだよ」


「じゃあ、先に神を殺しちゃえばいいってことじゃない?」

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