↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
普通の妹がお兄ちゃんを改造してみた。  作者: 釧路太郎
日常編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/84

第二十三話 ちょっといいかな?

 お兄ちゃんが何を目安に二人の事を見分けているのか聞いたところで何一ついいことなんて無いとはわかっているのに、どうしても私たち三人はその事を知りたいと思いつつも知ることで絶望に近い感情を偉大してしまうのではないかという不安もあった。

 その事を知ってか知らずか、お兄ちゃんはかたくなに理由を説明してくれなかった。


「ちょっと妹ちゃんだけこっちに来てもらってもいいかな?」

「いいですよ」


 私はうまなちゃんとイザーちゃんのもとへ駆け寄ると三人で小さな円陣を作ってひそひそ話を始めていた。お兄ちゃんに聞こえないように音量を絞って囁くように話をしていた。


「君たちが話しているまさ先輩って、何か変わった噂とかあったりするのかな?」

「お兄ちゃんじゃなくてまさ先輩にですか?」

「そう、まさ先輩について。例えば、勉強もスポーツもそつなくこなして進学ももう決まっていて将来は学者かアスリートになるんじゃないかって噂とかあったりしないかな?」

「うーん、凄い人だとは思うけどそこまで飛びぬけて何かを成し遂げる感じだとは思わないですね。ところどころ抜けている感じもありますし、世界を相手に何かをするってところまではいかないんじゃないかなって思ってますよ」

「妹ちゃんから見たまさ先輩はそんな感じなんだね。仮にだけど、その姿が本当の力を隠すためにまやかしだったとしたらどう思うかな?」

「どう思うって、気持ち悪いって思っちゃいますね。そんな事を隠したところで私が抱く感情は変わらないですし、他の人も気持ち悪いなって思っちゃうんじゃないですかね。あ、もちろん良い意味で気持ち悪いって思うってことですよ」

「良い意味で気持ち悪いってのがよくわからないけど、そう言う考え方もあるのかもしれないね。じゃあ、君のお兄さんは何か隠していると思うかな?」


 正直な話、お兄ちゃんは私に何か隠し事をしていると思う。私には言えないような事というよりも、誰にも言ってはいけないことなんじゃないかと思うくらいに凄い秘密があるんじゃないと思うのだけど、実際のところはそこまで大した秘密ではなかったために聞いただけ損だったという事になりそうだと思う。

 物心がついてからずっと一日も欠かさずにお兄ちゃんの事を観察してきたという自負はあるけど、それでもとらえ切れない秘密はあるのも事実だ。

 アメリカやヨーロッパ各国の最新技術とテクノロジーを駆使してもお兄ちゃんの秘密を全て調べ上げるということは出来ないし、本気で取り掛かってくれている諜報員たちもお兄ちゃんに対して無力になってしまう点もあるそうだ。もっとも、お兄ちゃんの事を調べるという行為によってアメリカとヨーロッパ各国の諜報員たちの質が格段に向上しているというどうでもいい話を時々聞いている。その恩恵によって私は様々な最新機器を譲渡してもらう形になっているのだが、どんなに最新鋭の機器を使ってもお兄ちゃんの全てを知ることは難しいのだ。

 トイレとお風呂と就寝前の三十分は監視を解いているのは最低限の人権を尊重しての事なので、年がら年中監視しているというのは語弊があったかもしれない。


「兄貴に隠し事があるかどうかと言われたら、やっぱりあると思いますよ。今も二人の事をちゃんと見分けることが出来ているのも何か裏があると思うし、それを知るまでは兄貴の事を軽蔑しちゃうかもしれないです」

「軽蔑するような事でもないかもしれないけど、内容次第によっては軽蔑しても仕方ないかもしれないね」

「例え話をして申し訳ないんだけど、仮に君のお兄ちゃんが真実の姿を見抜く目を持っていたとしても私たちの事を見分けるのは不可能なんだよ。その理由は痕で後で説明するけど忘れてもらいたいな」

「仮の話が続いて申し訳ないんだけど、私たちはクローンよりも同一個体に近いと錯覚させることが出来る力を持っていると考えてほしい。その力は何よりも上位の存在であって、たとえ真実を全て見抜く力を使ったとしても同一個体だと錯覚させるだけの力が有るんだよ。仮の話だけどね」

「何の力も持っていないはずの君のお兄さんが私たちの事を見抜くなんてありえない話なんだ。天地がひっくり返っても覆すことが出来ない事実なはずなのに、君のお兄さんはその事実を捻じ曲げて正解にたどり着いている。これはとても由々しき事態だと思うんだよね」

「よくわからないですけど、兄貴がおかしいって認識でいいんですよね?」

「まあ、ざっくり言うとしたら、そう言うことになるかな」

「君のお兄ちゃんはちょっとおかしいというか、ちょっと怖いなって思うレベルだと思うよ」

「確かに。兄貴が他の女の子の事をそこまでじっくり見て見極めることが出来るってのは気持ち悪い事ですよね。昔から知っている人だったらまだ何とか納得出来るところもあると思うんですけど、うまなちゃんもイザーちゃんも今日初めて出会ったのに間違えずに見分けることが出来るなんて気持ち悪いとか言われても仕方ないですよ。確かにお二人は綺麗だから見とれちゃうってのはわかるんですけど、ハッキリ見極められるレベルまで見てるってのは本当に気持ち悪いですもんね。あまりにも気持ち悪くて、兄貴にはお二人の事を見れないように何か特別な装置でも作ってもらおうかなって考えちゃうくらいですよ」


「妹ちゃんもちょっと過激なところがあるんだね」

「兄妹だからって理由で納得していいモノか、悩みどころだねぇ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。