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新米探偵助手は読者の推理が頼りです!  作者: マフィン


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犯人はあなただ!高瀬さん!エピローグ

 扉が閉ざされたこの宴会場から生き延びるには、もはやガスの噴射装置をどうにかするしかない。それには銃を持った高瀬を制圧しなければならない。というより、そもそもそのガスの噴射装置はどこにあるのだろうか?


 その時、ふと事件が発生して私が捜査をはじめた頃、この会場の後方に不自然に置かれたパーテーションを見つけたことを思い出した。あの時確か、そのパーテーションの方へ行こうとした時、高瀬に止められたのだ。


 ということはそのパーテーションの裏が怪しい。すると、谷川が小声でこちらに話しかけてきた。


 「あなたもあそこにあるとお考えのようですね」


 一瞬なんの話をしているのかわからなかったが、すぐに彼女が私の心を読んだことに気がついた。


 「ですが、仮にその装置を見つけたとしても、それからどうすればいいのかわからないですし、そもそも彼があそこへ行くのを許さないでしょう」


 私は今いるところからパーテーションの位置までの距離を目分量で測った。


 「ダメです!」


 すぐに谷川に叱責された。


 「目線でバレます」


 すると、谷川と私のやりとりを聞いていた来栖もパーテーションの方を見ているのがわかった。


 「私ならなんとかできるかもしれないです」


 そういうと、急に来栖が走り出した。


 「来栖さん!」


 岩倉の声に驚いた高瀬が来栖の方へ銃口を向けた。だが谷川に気を取られていたのか、高瀬の動きが少し遅れたおかげで、間一髪で机に当たった。


 「くそ!ちょこまかと!だがこれで!」


 高瀬がそう叫んだ瞬間に、銃声が聞こえた。私たちは間違いなく来栖に命中したと思った。だがしかし、唸り声を上げたのは来栖ではなく高瀬だった。


 高瀬は手を抑えながらまるで子供のように泣きじゃくっている。見ると谷川が持つ銃の銃口から煙が出ている。


 「これで形成逆転ですね」


 谷川がそう言っている間に来栖はパーテーションの裏へたどり着いていた。


 「ふん、だが残念ながら、こいつには解毒剤がない。一度糖と混ざればもう無毒化は不可能だ。本当にこの物質は素晴らしい!」


 高瀬は痛みのあまり無理やり声を振り絞っている。すると、来栖がパーテーションの裏から飛び出してきた。


 「いえ、これで大丈夫なはずです」


それはつまり装置を壊すことができたのか?それともパナケイアを無毒化させたということなのだろうか?


 「来栖さん!どうやって・・・」


 「それよりも早くあいつを捕まえないと!」


 来栖はそう言うと、先ほど谷川が高瀬の手を撃った時に痛みのあまり投げ出された拳銃を拾い上げ、それを高瀬に突きつけた。


 高瀬は笑っていた。


 「どうした小娘が!撃てるものなら撃ってみろ!」


 だが、もうそんなことも言っていられなくなってしまった。谷川がすぐに手錠を彼の両腕にはめると、手荒く腕を引っ張り上げた。


 「無事、ターゲットを確保しました。みなさん、ご協力ありがとうございました。私はこれで失礼します」


 谷川がそう言った瞬間に宴会場に大勢のスワット部隊が雪崩れ込んできた。


 高瀬の手が撃たれてから確保まで光の速さで時が過ぎていった。


 「待ってください!谷川さん」


 私は思わず彼女を呼び止めてしまった。


 「あなたは一体何者・・・」


 「谷川さん!ありがとうございました」


 私が質問をしようとした時、来栖に横入りされて、結局彼女は私の質問に答えることなく、警察関係者の雑踏の中に姿を消してしまった。


 するとそれと入れ替わるように、雑踏の中から探偵が姿を現した。


 「いやぁ、みんな無事で何よりだ!」


 岩倉と来栖はすぐに保護された。二人とも軽傷を負ってはいたものの、無事に宴会場から出ることができた。


 「まずは君に感謝をしなくては!よくぞターゲットを捕まえてくれた!これも君のおかげだぞ!」


 探偵は嬉しそうだった。


 「ありがとうございます」


 だが私は、喜ぶ気分になれずにいた。


 「浮かない顔だねぇ」


 探偵にはすぐにバレた。


 「実は、結局のところ青柳さんに手をかけた犯人がわからないままなんです。確かに高瀬が彼女を殺そうとしたのは事実ですが、それは谷川さんが阻止しました。と言うことは、まだ、彼女に薬を盛った犯人がいると言うことじゃないですか!」


 私は探偵に訴えかけた。すると彼は目を瞑りながら、数秒何かを考えると、再び目を開けた。


 「まぁ何はともあれ、君が無事で何よりだ!今後ともよろしく頼んだぞ!」


 そう言いながら、彼は再び雑踏へと帰っていった。もうこんな仕事は懲り懲りだ。


 結局謎が残った状態でこの事件は幕を下ろした。ひとまず、産業スパイの高瀬を逮捕することができたおかげで、彼の顧客の情報が次々と明らかになり、インターポールはすぐに彼らを片っ端から捕まえた。


 どうやら五ヶ月前からこのパナケイアに目をつけていたようで、株式会社エナジーヘルスに潜入し、日頃から研究を進めている傍らで、秘密裏にクルゲン酸の兵器としての製造も同時並行で行なっていたようだ。


 結局その犠牲者になった人間が一人もいなかったことが不幸中の幸いだった。それこそ岩倉と来栖もあれから命に別状はなく、二人とも会社に復帰し、新しい製品開発に勤しんでいるとのことだ。


 そういえば、来栖はあの時、一体何をしたのだろうか?結局それも私はわからなかった。まだまだ、修行が足りないようだが、しばらくはお茶出しや事務仕事に専念することにしよう。

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よろしくお願いします。


第1話→https://ncode.syosetu.com/n1110mi/1


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