2話
目が覚める。いつもの服装、いつものベッド、いつもの病室。先ほどまで見ていた夢はどこにもなかった。
名残惜しさもあるが、それも慣れてしまった。僕が見る夢は明晰夢のようにはっきりしていて、夢の世界にいることを自覚できていた。
いつもの鏡だらけの世界を探検する。それが日常だ。
壁にかかっている時計を見れば午前六時。ふと、外を見れば雨が降っている。ザーという音がとても心地よく、少し不快にも感じる。
数時間後…
今日は珍しく担当医の人からの簡単な健康チェックがあった。健康チェック自体は毎日やっているが、看護師の人が担当してくれるため、不思議に思っていた。
そんな様子を見かねてか、目の前にいる少し年老いた医者が口を開く。
「そうそう、○〇君。君に会わせたい人物がいるんだ。」
「合わせたい人物?」
「あぁ…。その人はね、東京の方で有名な凄腕の医者なんだよ。」
「その人が言うにはね。『僕ならその子の病気を治して見せよう。』って言うんだ。」
……正直胡散臭いと思った。わざわざこんな田舎の一人の患者のために意味なんてあるんだろうか。人生を諦めた僕にとって、どうでもいい話だった。
「まぁ、とにかく一度話してみるといい。きっと何か変わるよ。明日のお昼ごろには到着するだろうからね。」
まるで、僕の心を読んだかのように話した後、退出していった。
次回へ続く…。




