■ 悪魔司祭ゼンポル
悪魔。それは人間の心から生まれ出でるものであり、本来は悪の存在ではない。むしろ人間の分身のようなものだ。
しかし神は、悪魔をおぞましい存在として人間の心に刷り込む事により、それに対抗しうる唯一の手段として「神をあがめる」よう画策していた。
そんな世界で、人々の信心を集める司祭がいた。名をゼンボルといい、その名は広く地域に知られている。だがある時、聖人と名乗る者が現れ、ゼンボルは悪魔であり、人々をだましていると訴えた。
最初、信者たちは聞く耳を持たなかったが、聖人が魔法をかけるとゼンボルは瞬く間に悪魔の姿へと変貌する。ゼンボルは自分でも何が起こったのか理解できず、命からがら逃げ出すのであった。
実は一連の出来事は、神の企みであった。まずは人々の信頼をゼンボルに集めたところでその正体を暴く。そして絶望した人々に救いを与えるのは、神のみであると知らしめるのだ。
というのも、最近では人々の神への信心が薄れており、それを挽回する狙いがあったのだ。その為に神は、まず悪魔ゼンボルを洗脳し、自分が人間だと信じ込ませて教会へと潜り込ませていたのだった。
全てを思い出したゼンボルは絶望する。そして自ら命を断とうとした時、彼は数人の悪魔に助けられた。
彼らは言う。
「神に復讐をしよう。そして神が支配する偽りの善を暴き、この世を人間と悪魔の手に取り戻そう」
果たしてゼンボルは、彼らの意志を受け入れて、神と天使が跋扈する世界を駆逐しようと仲間と共に旅立った。
偽りの善を亡ぼさんがため立ち上がった、正義の悪魔たちによる冒険譚が、今ここに始まる(かも知れない)。




