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■ オタフクの勇者

とある異世界。その地方で話題の冒険者がいた。名前はルロット、二十代前半の男性である。


彼は強靭な肉体と凄まじい魔法の力を有しており、次々と難しい依頼を単独でこなしていた。


そして更なる特徴は、その顔つきである。活躍に相応しい”精悍な”という言葉とは似ても似つかない、しもぶくれの顔つきであった。口さがない者は嫉妬と羨望を込めて「この世では見た事のない、おもしろい顔つき」と揶揄をした。


人気のない森の中、魔獣討伐を済ませたルロットは、顔に手を当てて”それ”を外した。彼の顔はまるでお面のように外れ、その下から端正な顔が現れる。だが、あれだけ筋肉の張った体は、途端に貧相とも言えるまでに縮んでしまった。


「今回も、ちょろかったわね」


その”オタフク”の面は、彼の手を離れ宙に浮かびながら話し出す。


”彼女”は、異世界から来た存在で、彼女を被った者を強力に進化させる力を持っていた。但し、その者の顔だちは、彼女に似てしまう仕組みであったのだが……。


「まぁな。これも、あんたのおかげだよ。俺ってばイケメンなのはいいけれど、戦闘はカラッキシだからな」


ひょんな事から異世界からの来訪者と契約をする羽目になったルロットが、相棒を見ながら複雑な表情で苦笑した。


「あ、ルロット。今”これでイケメンが保てたら最高”とか思ったでしょ」


笑い顔であるはずのオタフクの顔が、しかめっ面になる。


「そ、そんな事、これっぽっちも……」


図星を指され、ルロットが慌てて弁解をした。そして再び彼女を被り、オタフクそっくりの顔になる。巨大な魔獣を収納する魔法を使うのにも、彼女なしではかなわないのだ。


意気揚々と街へと戻る二人に、影から視線を投げかける男と女。彼らの顔は、そう、どこかヒョットコと夜叉に似ていた……。


異世界で繰り広げられるお面バトル譚、いま華やかに開幕!(しないと思う)。


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