■ ファッション戦記
才能はあるが冴えない性格のファッションデザイナー。ファッション業界で生きる道を断たれた彼女の転職先は……?
アパレルメーカーに勤める雛形 衣代二十三歳。
デザイン部に所属し、その才能には目を見張るものがあったが、人付き合いが苦手で引っ込み思案。そのせいで、職場では辛い思いをしている。
ある時、社内コンペに会心のデザインを提出し、そのデザインは優勝を勝ち取った。しかしそれは同僚女性のデザインとされ、会社に抗議をしたところ、逆にデザイン盗用の濡れ衣を着せられ会社を追われてしまう。
実はデザインを盗んだ同僚女性、雅野 美姫はファッション界の大物の娘であり、大変わがままな性格であった。会社の方も業界での立場を維持するため、彼女の事を腫れ物に触るように扱っていたのである。
そして美姫は衣代の事を「地味なくせに、私より優れたデザインをして生意気だ」と憎んでいた。今回の出来事は、衣代を会社から追い出すために彼女が仕組んだ策略だったのだ。もちろん会社の上層部は全てを知っていたが、彼女の父親の力を考えれば逆らうわけにはいかない。
美姫に「ファッション業界で働く事は二度と出来ない」と引導を渡され、絶望する衣代。
ヤケになった衣代は、普段は入らないようなバーに立ち寄り憂さを晴らしていた。そんな彼女に、中年紳士がさりげなく近づいてくる。衣代が酔った勢いで不満をぶちまけると、彼は「私もファッションに関する仕事をしているので、ウチで働かないか」と名刺を渡され、その夜は二人で飲み明かした。
シラフになった絹代は、疑いつつもファッションへの未練を断ち切れずに名刺の住所へと赴く。
そこは小さなビルの中にある聞いた事もないブランドの事務所であったが、実は大変な場所であった。その会社は地球侵略を企む宇宙人と戦う、秘密組織の表の顔だったのである。
早速現れた中年紳士は支部長と名乗り、衣代に声をかけた訳を話し出す。
侵略者に立ち向かう手段として、地球側は”ファッション粒子”という特別な物質を別の宇宙人から提供された。その粒子を使い製造した繊維で作った戦闘服は、特殊な機能を発揮して絶大な戦闘力を誇る。
しかもその服はデザインによって大きな性能差が現れ、またその服を着た者の心にも反応する仕組みであった。
かねてから優れたデザイナーを探していた支部長は、密かに目をつけていた衣代の災難を知り、渡りに船とばかりに誘いをかけたのだった。
にわかには信じられない衣代だったが、建物の地下に併設された基地を見せられ否が応にも納得せざるを得ない状況となる。表の世界では二度とファッションの仕事に携われないと悟った彼女は、人生大逆転を期待して支部長の申し出を受け入れた。
数か月間、教官から専門の教育を受けてきた彼女であったが、初めて戦闘服のデザインが採用され、その服が完成したとの連絡を受けた。戦闘服は小さなカプセルに凝集され、遺伝子を登録した装着者によってのみ使用される。
衣代がそのカプセルを目の前にした時、基地に激震が走った。敵の奇襲を受けたのである。あいにくと支部所属の戦士たちは全員が出はらっており、非戦闘員しか残ってはいない。実は敵の策略で、戦士はおびき出されたのであった。
敵の魔の手が衣代にも迫る。彼女は一か八か、自分がデザインした戦闘服のカプセルを使う。しかし戦士の訓練を受けたわけではない衣代が敵にかなうはずもなく、死は目前に迫っていた。
だが最後の一撃を浴びる瞬間、装着している戦闘服が発光し、その光は衣代自身をも包み込んでしまう。
光がおさまった時、そこには衣代とは別人の姿をした戦士がいた。しかし、意識は衣代そのものである。また彼女のまとった戦闘服も、明らかにデザインが変化していた。戸惑いながらも戦う衣代は、滅茶苦茶な戦闘方法ながらも、何とか目の前の敵を撃退する。
そして罠にかかった事を悟った支部の戦士たちが次々と帰還し始め、敵は目的を完遂する事なく退散した。
衣代の姿と活躍を知り、驚く支部長や戦士たち。本部の研究者が調査したところ、驚くべき事実が明らかになった
元々ファッション粒子は戦闘服を装着する者の意志を反映して力を増幅するが、衣代の場合、自らがデザインした服を着た事と、死を目前にした極限状態にファッション粒子が異常な反応を示し、彼女を超戦士へと進化させたのだった。
この現象は、今のところ衣代にしか再現できず、彼女は自分の意思にかかわらず戦闘の最前線へと放り込まれる事となる。
その頃、侵略者の宇宙船の中に、姫野美姫とその父親の姿があった。侵略者は地球を支配した暁の地位を約束し、有力な地球人を味方につけていたのであった。そして彼らは、美姫を地球征服の行動隊長に任命する。
宇宙からの侵略者とは何者か。ファッション粒子の正体は。それを提供した別の宇宙人の隠された意図とは。因縁深き衣代と美姫の戦いを軸に、いま空前絶後のファッションバトルが開幕する!
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気楽イラスト812 キャプション




