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第63話 セルマを労う


セルマならやってくれると信じていたが、予想以上の成果だとタカシは感じていた。貴族であるアーナス男爵夫人の信頼を得て協力し、多くの村から住民を無事に退避させることに成功した。獣人族を訓練して弓部隊と騎馬部隊を作り、さらに計画になかった自警団まで組織して戦力補強に成功した。タカシが王都に出発する前に二人で作戦を練ったが、トラブルもなく達成できるとは思っていなかった。


タカシは、新たに入った獣人族の訓練に忙しいセルマを今夜の相手として誘った。不在の間に起きたこと、知っておいた方がいい話などがあると思ったからだ。二人きりの方が気兼ねなく話せる、裸の付き合いというやつだ。そして何よりも、久しぶりにセルマを抱きたい、体温を感じたい、体を重ねたいと考えていた。タカシが誘った時、セルマは周りの目があるため短く了承の返事を返すだけだったが、嬉しそうな表情を一瞬見せたのをタカシは見逃さなかった。


セルマたちが忙しくしている中、タカシはすることもなく暇になったので、拠点にしている村の中を散策した。大小さまざまな家を回る形での散歩だ。何度も獣人族に会うが、みんな笑顔で挨拶し話しかけてくれる。ディオス領のこと、食べ物のこと、訓練のこと、魔物討伐のこと。様々な話をするが、とても良好な印象だ。彼女たちは、魔物から領地を奪還することにやりがいを感じているようだった。


その時に気づいたのだが、セルマは「隊長」と呼ばれているようだ。そして皆が口々にセルマを褒める、その信頼の厚さが伝わってくる。最初タカシは自分のことのように喜んでいたが、途中からセルマが隊長なら自分は何だ?という率直な疑問が湧き上がってきた。タカシから見てもセルマの凄さはわかる。だが自分だって、王都で獣人奴隷を想定よりも多く買い、ディオス領まで届けた。楽だったわけではない。疑問はいつしか不満へと変化していった。


拠点の本部に使っている村長宅に戻り、不機嫌を隠しながら夕食をすませ、寝所となっている部屋に引きこもった。そして部屋で悶々と「セルマが隊長なら自分は何だ?無能か?必要ないのか?」と自問自答した。自分の世界に入り込んでいると、ノックの音が聞こえた。はっと我に返り、セルマを誘っていたのを思い出した。


ドアを開けると、そこにはおしゃれをしたセルマが立っていた。セルマはブサイクではないが、美人というほどでもない。冒険者生活が長く、高身長でいつもプレートメイルを着ていたため、あまり女を感じさせない。しかし今日のセルマは、髪を整え紅を塗り、普段は履かないスカートだ。タカシはいつものセルマを想像していたため、完全に不意をつかれた。他の人には見せないセルマの姿が、目の前に立っている。それは食べてくださいと可愛くデコレーションされたプレゼントだ。今すぐセルマを襲いたいという爆発的な衝動を押さえ込む。そんなタカシをよそに、セルマは顔を赤くして緊張し、照れくさそうに笑っていた。


セルマの緊張が移ったのか、タカシも緊張して目を合わせられず、部屋に招き入れた。部屋は狭く、ほぼベッドとタンスしかない。タカシがベッドのへりに座ると、セルマは戸惑いながらそっと横に座った。お互い緊張していて、よくわからない間ができあがっていた。


タカシは緊張からか、先ほどまで自問自答していた内容を口走ってしまった。


「セルマは、獣人族から隊長と呼ばれてるらしいな」


「みんなが自然と……そのように呼んでくれているようで……」


セルマは照れ隠しをしながら、もじもじとして明後日の方向を見る。


「実際セルマは凄いからなあ、アーナス夫人も褒めてた。ただセルマが隊長なら俺は何だろと、ふと疑問になったんだ」


セルマはタカシの異変、セルマへの不満があることに気づき、緊張が吹っ飛んで一気に冷静になった。


「みんな口々にセルマを褒める、俺なんて王都で奴隷の買い付けしただけだしな……」


セルマは何も言わずにタカシの話を黙って聞く。


「俺は腰を振ってるだけだし、もう必要ないんじゃないかって……」


長い沈黙。タカシはセルマを見ることができなくなっていた。


セルマがタカシの名前を呼んだ。


「タカシ様」


タカシは勇気を出して振り向いた。しかし、そこには服を捲し上げて胸をさらけ出したセルマがいた。タカシは思わずセルマの形のいい胸を凝視した。セルマは言った。


「とりあえず、しましょ?」


タカシはセルマを押し倒し、不満をぶつけるかのように乱暴に抱いた。セルマはそんなタカシを全て受け入れるのであった。普段見せないスカート姿のセルマを、衣服を脱がせずに抱くその行為に興奮する。いつもの五割増しで今日のセルマは可愛く艶やかだと、タカシは激しく腰をぶつけた。セルマの中で達し、荒い息のままセルマの胸に埋もれ、気づけば眠っていた。


目が覚めると、セルマの胸で寝た状態のままだった。服を捲し上げ胸を掴んだ状態で、タカシは思わず二回揉んだ。そしてセルマに謝罪した。


「タカシ様は、私のご主人様ですよ」とセルマは答えた。


「ああ、そうだった。色々ありすぎて忘れていたようだ」


タカシはセルマの胸を優しく揉みながら、胸を見せられただけで簡単に篭絡した自分を笑った。


「俺は、呪いにかかっていると思う」


「えっ!呪いですか?」


「ああそうだ。胸を揉んだり舐めたりするが決して満たされない。すぐにまた揉みたくなる呪いだ」


セルマは安堵の笑みを浮かべ「それは呪いじゃないと思いますよ。だって私も触ってほしいし、気持ちいいから……」と言った。


「そうか……良かった」


タカシはセルマの乳首を吸い、今まで吸わなかったことを反省した。二人は二回戦を行い、夜遅くまで話をした。それはディオス領防衛の苦労話ではなく、たわいもない話だった。


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